ミュージシャンが使う譜面を90%読めるようにする方法【音源譜面で実践】
ジャムセッションに参加したり、サポートやセッションライブを行う際に、ハードルの一つに数えられるもの。
それは、譜面を使うことです。
楽器を始めた後、オリジナルバンドやコピバンを組む、大学の軽音サークルに入るなどした人たちは、練習用にTAB譜やドラム譜、触れる人は五線譜に書かれる音符までは触れることはあると思います。
が、Cメロ譜・リード譜と呼ばれる「全員が共有し、それをリアルタイムで見ながら演奏する譜面」に触れることはなかなか無いんですよね。
ちなみに僕がまさにそのパターンでした笑
そしてジャムセッションの場やライブの際はこういった"譜面"を使うのですが、どうにも触れたことがないのでハードルに感じる。
言うなれば抵抗があると思います。
触れたこともない、得体の知れないものを見ながら演奏するのって難しい。
それならそもそもそういった場所に足を運ばない、というのは自然なことですよね。
これ、逆に考えてみましょう!
逆に考えれば、譜面の読み方さえ分かればセッションにも参加しやすいのでは?
譜面のどこをどこまで読めばいいか分かれば、気軽に足を運べるようになるのでは?
得体の知れないものではなく、正体が知っているものであれば触れやすくなる。
これも自然なことですよね。
今回はそんな譜面を90%読めるようにする方法。
ここを最低限抑えておけばいいよ! というポイントを解説します。
さあ、譜面の世界に飛び込んでみましょう!
今回のステップ
今回の記事のステップをあらかじめ紹介しますと。
- まずは譜面を確認。
- セクションごとに進み方や記号の意味を確認。
- 最後に音源を聴きながら譜面を読む。
この流れで進めていきます。
なので、譜面を見て「記号の意味は分かるから答え合わせだけしたい!」という方は一気に3まで進んでしまっても大丈夫です。
記号の意味も知りたい、ポイントも知りたいという方は長い2の部分を見ていただければと思います!
なお、基礎の基礎である「五線譜とは」「小節線とは」「コードとは」等の説明は省いている内容となっておりますのでご了承ください。
まずは譜面を"見"てみよう!
まずはこちらの譜面を見てもらいましょう。
いかがでしょうか? 何がどうなっているか、分かりましたか?
いきなり言ってしまいます。
この譜面さえ読むことができれば、譜面を扱う演奏の大体には対応できます!
日頃譜面を扱う人間がこの譜面を見ると
「イントロがこうでAメロがこうで……あ、ここ繰り返しでこう飛ぶのね。ソロがこの順で回数は適当か……で、ここ回し注意だな。で最後こうなって、うん、OK」
と、大体10秒くらいで曲の進行を把握してしまいます。
シンプルな譜面ですので、大袈裟ではなく本当にこれくらいの時間で把握できます。
そんなミュージシャンが見ているのは、譜面に書かれている記号。
コード以外に書かれたへんてこなマークやD.C、D.Sといったアルファベット、また1,2,X等書かれた記号を見ているのです。
ということは、これらの記号が分かれば曲がどう進むのかを一瞬で把握できちゃうということですね。
では各セクションごとの解説を見ていきましょう!
記号やポイントを確認しよう前編
イントロ~Aセクション
- イントロのリピート記号
- 1カッコの末尾に付いているD.C.
- 1カッコ、2,3カッコの存在
- Aセクション頭にある謎の記号は?
ここのポイントは4つですね。
Introのセクションの1小節目のはじめと4小節目の最後。
太い線に細い線、そして点が2つついていますね。
これをリピート記号といいます。
「これで囲んだ部分をもう1回演奏しまっせ!」という意味です。
イントロはC-Am7-A♭△7-G7の4小節を2回、つまり8小節分演奏するということですね。
とてつもなく頻出する最重要記号です。見逃さないよう注意しましょう!
Aメロに突入した後、8小節目に「1カッコ」、9小節目に「2,3カッコ」という記号があります。
砕いて言うと「Aメロを何回か演奏するとき、1回目はこっち、2,3回目はこっちいきまっせ!」という意味です。
ということはAメロに突入していった後は、まず「1カッコ」の小節に突入します。
そして1カッコに突入すると、8小節目の末尾に「D.C.」という記号がありますね。
これは「曲の頭に戻るよ!」という意味の記号。
ということはこの時点での曲の進み方は
「イントロ~Aメロ(1カッコ)~イントロ」
と戻ることになります!
このD.C.した後のイントロも、特別な記述がない限りリピートするので、しっかり8小節演奏します。
この点も抑えておきましょう!
イントロを8小節演奏した後はまたAメロに突入。
2回目のAメロなので「2,3カッコ」に書いてある部分を演奏します。
2,3カッコの小節には何も書いていない。ということは次のBセクションに進んでもいいということですね。
ちなみにポイント4つ目の、Aセクション頭にある、ドル($)に似た謎の記号。
これは「セーニョ」と読む記号です。
これの意味は後ほど説明しましょう。
Bセクション
- 4小節目末尾の「To Coda」とは?
Bセクションは4小節だけですが、「To Coda」という謎の言葉がありますね……。
これ、今は無視しましょう!
その意味は後々分かります。今はシカトしちゃいましょう!
C~Dセクション
- 伏線回収の「D.S. al Coda」
サビのような場所に突入していくと、8小節目の末尾に「D.S. al Coda」という記号。
これは「ダル・セーニョ・アル・コーダ」と読みます。
「セーニョマークのあるところに戻って、コーダのあるところまでまっすぐ進んでいくよ!」という意味です。
この意味、半分だけ分かりますよね。
それは、次にどのセクションを演奏するのか。
思い出してみてください。
Aセクションの頭にあったドル($)マークに似た「セーニョ」!
そう、ここに進めばいいのです!
となると現時点で曲の進行は
「イントロ~A~イントロ~A~B~C~A」
となります!
ここまでついてこれればあと一息!
ひと休憩入れて次に進みましょう!
記号やポイントを確認しよう後編
A→B→"D"!?
D.Sして曲はAセクションに戻りました。
今回は3回目のAセクションなので、2,3カッコに進みBセクションに進む。
ここまではいいですね。
さて、ここで2度目の伏線回収!
Bセクションの末尾にある「To Coda」の出番です。
先ほど出てきたD.S. al Codaには「コーダのあるところまでまっすぐ進んでいくよ!」という意味があると説明しましたね。
その「コーダのあるところとは」、この「To Coda」のところです!
この記号は「ここからコーダマークのあるところまで飛ぶで!」という意味です。
そしてコーダマークとは、スナイパーがターゲットを狙う時の照準のようなマークです。
ということはどこに行くかというと……。
Dセクションの頭にあるコーダマークまで飛びます!
これを見失うと曲の展開がぐちゃぐちゃ、とんでもないことが起こるので要注意!
Dセクション
- Gt solo→Pf soloの記載
- X? On Cue?
Dセクションは間奏的な扱いです。
まずポイント1。
Gt solo→Pf soloと書いてあり、これは「ギターソロ→ピアノソロの順番で演奏してください!」という意味です。
「OK! でもどれだけ演奏すればいいの?」
ここでポイント2。
XカッコとOn Cueカッコの存在です。
Aセクションで登場した1カッコ、2カッコは、1回目はこっち、2回目はこっちという意味ですね。
このXカッコ、On Cueカッコは
「何度も何度も、ずーーっとXカッコまでの4小節を演奏するよ! そして最後にソロを取る人の合図(=キュー)でOn Cueカッコに進むよ!」
という意味なのです。
つまりここの展開は
「ギターソロはずっとXカッコまでの4小節で弾きまくる」
→「Xカッコのままピアノソロに引き継ぎ、そのままXカッコまでの4小節で弾きまくる」
→「頃合いでドラム、ベース、ギター等他のメンバーに合図をし、On Cueに突入する」
という展開になります。
ソロを取る人は「ちゃんと分かりやすい合図を出す」
受け取る人は「合図を見逃さないようにする」
双方の集中力や気配りが重要ですね。
Eセクション
- 転調してることに気づきたい!
- リピート記号と3times repeatに注意!
ソロを抜けいよいよラスサビに突入しました。
ここで注意したいことは2つ。
1つ目、ト音記号の右側に突如出現した2つの#にお気づきでしょうか?
これは、ここからキーがDに変わったこと。
即ち転調(キーが変わること)していることを表しています。
調についての詳しい説明は省きますが、ここでの転調はJ-POPなどでもよくある「ラスサビで高くなる」というやつです。
次にリピート記号。
イントロでのリピート記号は特に何の記載もないので4小節×2=8小節を演奏しました。
ただここでは、末尾に「3times repeat」と書いてあることに気がつきますか?
これは「リピート記号で囲んである8小節を3回演奏するよ!」という意味です!
ということは、このラスサビ、Eセクションを3回演奏する、というのがこの曲の構成なのです。
これを見逃すと1人だけ次のセクションに突入してしまうので要注意!
また場合によっては4times repeat,6times repeatなど何度も何度もリピートすることもあるので、見逃さないようにしましょう!
エンディング
いよいよ曲も終わります。
ここでのポイントは1点。
4小節目に寂しげに書かれている「rit.........」という記載。
これは「ritardando(=リタルダンド)」の略。
「テンポを次第に落としていく表現技法」です。
絶対に聴いたことがある、最後ゆっくりゆっくりになっていって、ジャーーン!と締める、アレです。
これは曲の終わり感を強く表現できる効果があるので、これも見逃さないように!
最後に譜面を"読んで"みよう
各セクションごとの解説が終了しました。
これでみなさんはもう上にあった譜面を読めるはずです。
では、実際に以下の音声を、改めて以下の譜面を読み進めながら聴いてみましょう。
「ここはこういって、次にこう、最後にこう!」と合っていれば合格です!
さて、自分の読み進め方と音声は合っておりましたか?
合っていたならば、もうあなたはセッションやライブでこういった譜面を渡されても読み進めることができます!
おさらい
今回使われた記号をおさらいしてみますと
- リピート記号(3times repeat等もアリ)
- 1カッコ、2,3カッコ
- ソロ回し時のX、On Cueカッコ
- D.C.
- D.S.(al Coda)
- To Coda, Codaマーク
- rit
こんなところでしょうか。
他にも様々な音楽記号が存在します。
しかし、ことPops, Rock, Jazz, Fusion, Funk, Soul, etc......
ポピュラーミュージックで使われる、展開に関する音楽記号は大体こんなもんです。
これらが分かれば、どう展開していくのかは全く怖くないのです!
実際に譜面を使う際はこのように印をつける
では読めるようになったところで、実際にライブをするとしましょう。
このままでもいいのですが、白黒っていざというとき見づらくないですか?
「あれ、D.S.どこだっけ!? Codaは!? どこからどこまでリピート!?」
読めるようになってもこのように戸惑ってしまう不安もありますね。
そんな時は、こんな風に!
印をつけてあげると分かりやすいですね!
人によって異なりますが、僕の場合は
- D.C.は緑
- D.S.は黄色
- Codaはオレンジ
- リピートやカッコ他注意事項は赤ペン
のように、自分で決めごとを作って印をつけてます。
これでいざという記号を見逃してしまうこともなくなります!
最後に
今回の記事で、普段ミュージシャンが扱う譜面の大体のことは知れたことになりました。
人によって書き方が異なったり、複雑な譜面もあるのですが、大体は上記の記号の組み合わせ、応用です。
丁寧に読んであげれば、すべて解読することができるのです!
これが分かればセッションや譜面を扱うライブはお手の物。
是非今回学んだことを活かして、活動の幅を広げてみてください!
プロ・アマチュアという「言葉」は重要ではない。重要なのは「スタンス」である。
人が幼いころからその意味を知り、様々な職業の「それ」に触れている存在。
そして音楽を志したり、活動を進めていく中で憧れていく存在。
それはプロフェッショナル!
人は常に様々なプロに触れ、育っていきます。
例えば
- 産まれるその瞬間はプロの医師、看護師の技術に触れている。
- 学校に入ればプロの教諭、教師に授業を受ける。
- 音楽、絵画、スポーツ、書道等習い事をするのであれば、それにおけるプロに教わる。
- バイトを始めたなら、直接プロ達と共に仕事をしていく。
様々な職業のプロに触れて育ち、そして自分も職に就くことにより、その職のプロとして仕事を行います。
この例に出てくる方々が常に意識していたり、それについて考えるかどうかは分かりませんが、とにかく何かの仕事を行う=その職業におけるプロですよね。
さて、そこで音楽の話です。
こうなると音楽にもプロというものが存在することになります。
一般的な認識としては、音楽を職業にしていたり、音楽だけで生活をしている人のことを指すと思います。
そしてプロフェッショナルという言葉の対義語がアマチュア。
この2つの言葉がミュージシャンにとって苦悩の原因となったり、いらぬ壁を作ることが多々あります。
なので僕はここに提唱したい。
プロ、アマチュアという「言葉」は重要ではない!
そもそもプロフェッショナル、アマチュアとは?
ここで一旦、プロフェッショナル、アマチュアという言葉の定義を確認しておきましょう。
プロフェッショナル(professional)
[1] 〘名〙 あるものごとを生計の手段として行なう人。専門家。本職。プロ。
出典 精選版 日本国語大辞典
アマチュア(amateur)
芸術・学問・スポーツなどを、職業ではなく、趣味や余技として行う人。素人。愛好家。アマ。
どうやら前書きにも書いたような条件が定義として辞書にも掲載されているようですね。
僕は現在幸運なことに演奏とレッスン、音楽に関わる活動で得られた収入のみで色々やりくりをしているので定義的にはプロフェッショナルでしょうか。
そう自称もしていますし、人もそう扱ってくれている状態です。
では反対にアマチュアという言葉はどういう方が当てはまるのでしょう?
- ライブ、レコーディング等音楽活動を行っているが収入が足りないのでバイトもしている。
- 俗にいうサラリーマンであり収入のほとんどをそれで稼ぎ、その傍らでレッスン業を行っている。
- 小~大学生で演奏活動を行っている。
あくまで上記に記した定義としてはアマチュアに分類にされますよね。
これを見ているあなたの好きなバンドマンやミュージシャン、師事している先生ももしかしたらこの中に分類されるかもしれません。
その上で一つ問います。
どちらに属しているかは重要なことでしょうか?
プロ・アマという言葉は重要ではない
まず前提を一つ。
プロとして活動されている方々が、音楽に捧げてきた時間や練習量、その情熱や思考。
そしてそれによって得られた圧倒的な技術や感性、生み出された作品や仕事。
その結果及ぼされる他者への影響。
これらは決して軽視できるものではありません。むしろ最大級の敬意を払うべきです。
これを前提とした上で話を進めていきます。
人は何を選ぶのか
音楽を始めとした芸術といった分野。
これらに触れているとき、人々は、そしてあなたは何を重視するでしょうか?
プロの演奏だから凄い。アマチュアの演奏だからそこそこ。
プロだから観る価値がある。アマチュアだから観る価値はない。
プロのやることはすべて一級品で、アマチュアのやることはすべて半人前。
恐らくこんな風に考えている、捉えている人は超超超少数派でしょう。
違いますよね。
音楽を聴く、ライブを観る、映画を観る、絵を眺める。
それらは「あなたが素晴らしいと思ったものに捧げられる行為」だと思います。
人が芸術に触れるときに重視することは素晴らしいかどうか。
その主観や感性の前にはプロもアマも無いのです。
プロが提供するものにも場合によってはイマイチなものがあり、アマチュアが提供するものの中にも素晴らしいものがあります。
ひたすらに量に溢れた、玉石混合の情報社会の中、何を選ぶかの基準はこれまで以上に人それぞれ。
最早「プロだから、アマだから」で物事を判断する時代は過ぎています。
ただ、先述のようにプロの方が有する技術や経験は並大抵の努力では得られることはありません。
そのプロによって生み出される演奏や作品は必ず一定以上の水準は越えており、それを常に維持し続けられるのがプロの技術であると思います。
このことは常に頭に置いておくのがいいかもしれません。
定義は簡単に壊れ得る
プロとアマチュアの定義はどうやら辞書的にはっきりしているようですね。
ただ、そのプロの定義が壊れるパターンも存在するのではないでしょうか?
ここで非現実的な例え話をいくつかしましょう。
仮にむちゃくちゃイケメンな人が存在するとしましょう。
その人は歌もギターも本当に下手で、作る曲もめちゃくちゃで聴くに堪えない。どこかの事務所に所属したりはせず、人から作曲や演奏依頼をされることもない。
おおよそ他にプロと呼ばれる人に匹敵する技術力を有していない。
しかしその人には数十万人のファンがおり、ライブをやれば常に満員。
生活のすべてを「音楽ライブ」だけで稼ぎ出す、「音楽」を職にしている状態。
さて、こんな人がいたとして、果たして定義の条件のみで音楽のプロと評価できるでしょうか?
他にも、生活に必要なお金が月5万の人がいたとして、音楽収入が月100万円あり、生活に必要な分は音楽でまかなえる。その上で他事業で月1億円稼いでいたら?
反対に音楽で月100万円稼ぐが、生活に必要なお金が月10億円必要なので他事業で9億9900万円稼ぐ人がいたら?
もしくは、全世界を感動させる歌声を持ち、毎日世界中でコンサートを行っているが、チャリティーなので収入は1円もない人がいたらそれはアマチュアなのか?
非現実的な例え話ばかりで恐縮です。ただ近いパターンはありますよね。
ひとまずここで言いたいのは「収入の大小や活動の在り方でプロだアマチュアだと言葉を当てはめるのは、結局適切ではないし評価の基準にはならない」ということです。
また音楽じゃない分野でも同じような事象があり、それも当てはまると思います。
世の中にはセミプロという言葉もありますが、ひとまずここでは置いておきましょう。
定義は簡単に壊れ得ます。
そんな脆い定義を持つ言葉でミュージシャンを縛るべきではないですし、同時に自分自身を縛るべきではないですね。
しかし人は区別したがる
ここまで説きましたが、人はどうしても「プロorアマチュア」を区別したがります。
確かにミュージシャンはあえて自分から「プロです」「アマです」なんて言わないし言う必要もないので、カテゴライズしたがる気持ちも分かります。
「君(達)はプロなの? アマなの?」といった類の質問をたまに耳にしますが、その度に「やはりミュージシャンは第一にそこの区別を強いられるな」と感じます。
一つ体験談を。
以前ギター、ベース、ドラムのスリーピースのライブがあった際の話。
確かにその場において、定義的にプロとして活動しているのは僕だけだったのですが、そのお店のマスターがお客さんに向かって
「今日このメンバーでプロなのはベースの青木君だけだから~」
このような区別はそもそもステージを壊してしまうのです。
その場にいる人たちからしたら「あ、じゃあギター、ドラムの2人はアマチュアなのね」という判断を下されますし、それによってステージや一つ一つのプレイに対して生まれる色眼鏡もあるでしょう。
そしてそんなことを言われた僕らステージの人間は何をどうすればよいのか……。
よく「同じステージに経っている以上立場も年齢も関係ない」と言われますがまさにその通りなのです。
結局は良いステージが生み出すことが目的の一つであって、わざわざそんな区別を持ってステージにはあがりません。
その場においてそんな区別は「ただの言葉」に過ぎず、持ち込むべきではないのです。
定義としてアマチュアに属している方は、このような「プロ・アマ論争」に巻き込まれ、場合によっては嫌な思いをしている、もしくはこの先するのではないかと思います。
そんな時には腐らず、「ただの言葉」であることを思い出してみてください。
重要なのは言葉ではなく、本人の姿勢である
ここまでで、プロ・アマという定義や区別は存在するけど、それは重要ではないという話をしましたね。
じゃあ何が重要なんだ? 本当に大切なことは何なんだ?
悩んでしまうと思います。
本当に大切なことは「責任を持ってその演奏、ステージ、作品をよいものにする」という「本人のスタンス=姿勢」です。
ミュージシャンとしての矜持とも言えるでしょう。
そこにはプロもアマもありません。
受けた依頼は最後まで責任を持って取り組む。
一つ一つの機会を侮らず全力で取り組む。
「自分は人前で演奏している」という自覚を持った振る舞いを見せる。
こうしたシンプルな心意気を持ち続け、怠らないスタンスが大切なのです。
手を抜くことを料理に例えるととんでもないことだと分かる
音楽は芸術の一部門であるため、どうしても色々なことが見逃されがちです。
どんな分野でもそうですが、やっていないと分からない、見えないものも数多く存在します。
中にはそれにかまけて手を抜いたり、あからさまにやる気がなくても活動を続けられている人もいるでしょう。
でもそれって、手抜き料理を振舞っているシェフと同じなんです。
例えばあなたが初めて入るお店で食事をするとして。
出された料理があからさまに不味かったり、汚く装飾されていたら二度は通わないですよね。
もしくは、自分には適当な料理を出してきたのに、隣で食事している政治家やスポーツ選手にはものすごくキレイな料理が出されていたら?
やっぱりそのように人によって態度や味を変えるお店には行かないと思います。
またあなたが厨房で働くシェフだったとして。
隣で料理を進めるシェフがあからさまにやる気がなく、鼻をほじりながら料理していたら?
または、お客さんに料理を運ぶときもぞんざいな態度でいたら?
雇われた店で一緒に働くことはあっても、自分の店を開くときにその人に声をかけることはないですよね。
調理師免許の有無は関係ないんです。
ミュージシャンもそれと同じ。
手を抜いている姿勢は常に見られているし、ひいてはそのような態度で臨む人間を「プロ」とは呼び難いですよね。
重要なのは「プロという肩書や言葉」ではなく「プロとして振る舞い、常に全力で取り組む姿勢」なのです。
そして仮に今はアマチュアと呼ばれている方も、そうした真摯な姿勢を持ち続けることによって、その肩書は自然に姿を変えていくでしょう。
最後に
何故このようなこと考えを声を大にして言えるのか。
それは、僕の周りのミュージシャンが皆そうだからです。
活動をしている、続けられており、かつ色々な人に求められているミュージシャンのほとんどの方が、真摯な姿勢で演奏やレッスン、制作に臨んでいます。
手を抜くことはなく、常にその場が最善の状態になるように振舞い、演奏しているように感じます。
偶然ではなく、そういう方が求められ、残り続けるのでしょう。
若手でも、色々な人問と演奏を行い、どんどん次に繋げていけてるミュージシャンは皆こういう人間ですね。
いわゆるプロとして扱われる、定義上そういった肩書を得ることが重要なのではなく、どんな立場であろうとプロとしての矜持を持ち、振る舞い、人と接することが重要なのです。
いわゆるプロ、アマという肩書について悩んでいたり、「どうすればプロになれるか?」という答えのない問いに苦しんでいる方は、是非頭に置いてみてください。
結果は後からついてきます。そしていずれその考え方が自分自身の活動の支えになる時が来るでしょう。
ベーシストなら弾きたいユニゾンフレーズ一週間エクササイズ★★★★★
音楽的には超盛り上がり必至。
しかしベーシストは涙目になってそのフレーズを習得しなくてはならず、ギタリストやピアニストに憎悪・殺意を抱く……。
そして「でも楽器の違いでごちゃごちゃ言うのはだせえな……」と結局腹を括りおずおず練習に励む……。
まさに地獄からやってくる課題。
それが、ユニゾンフレーズ!
今回はベーシストが苦しみに苦しむユニゾンフレーズを特訓しましょう!
ユニゾンとは?
と、一つ説明が漏れていましたね。
そもそもユニゾンとは何ぞや?
〈一つの音〉の意味であり,同音で構成される音程を指す。複数の楽器(楽器群)または声部が,同じ音符あるいは旋律を同時に奏すること。この場合,厳密に同一の音高ではなく,バイオリンとチェロのユニゾンのように,オクターブの違いがあってもよい。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版
とのこと。
むちゃくちゃ簡潔に、「複数のパートで同じメロディを演奏する」と捉えてもらえれば大丈夫です!
エレキベースやコントラバスは楽器の構造上、細かい音符を速く弾くことに関しては他の楽器に比べて不向きと言ってよいでしょう。
が、そんなことはお構いなし。
世の中には「これマジでベースで弾くの?」と疑いたくなるようなメロディや楽曲が数多く存在しています笑
そしてそんなギタリストやピアニストの「無茶振り」も笑顔で応えちゃうベーシスト、最高にかっこよくないですか?
実際のところ、ベースの音色はその場のどれよりも「太くて厚みがある音」です。
そしてユニゾンフレーズにベースも参加することによって、そのフレーズに説得力と迫力、厚みを持たせることができます。
つまり、ベースがしっかりとユニゾンフレーズを弾くことによって、その楽曲をより素敵なものに昇華することができる!
改めて、とても大きな役割を担っているのです。
ということで、そんなシチュエーションに遭遇した際も余裕で対応し、音楽に決定的な迫力を持たせられるよう、色々な種類のユニゾンフレーズを練習しましょう!
エクササイズフレーズを聴いてみよう
以上が今回のエクササイズフレーズになります。
今回は★5だけあって、初っ端から難しいですね。
単純な難易度順というよりも、タイプ別のユニゾンフレーズでまとめています。
さあ、これを弾きこなしてあなたもユニゾン大好きベーシストの道に踏み出しましょう!
譜面付各フレーズ解説
Day1 SPAIN - Chick Corea
- 複雑な譜割りを、適当ではなく拍を感じながら弾けるようにしたい。
- 運指も複雑なので、音を一つ一つ確かめながら演奏したい。
現在も現役バリバリ。ジャズ界のレジェンドピアニストChick CoreaのSPAINです。
Day1から非常に難しいです。
「これがミで~これが長短何度で~」と考えるのも重要だが、まずはフレーズを歌えるようにして運指を覚えてしまうのがよいだろう。
左手は常に、ピッキングは5小節目が難関なので特に注意して練習しよう!
Day2 Sir duke - Stevie Wonder
- 経過音を除いてBメジャーペンタのみで作られているフレーズということを意識しよう。
- これも譜割りを常に意識して弾きたい。
間奏で長尺ユニゾンフレーズをぶち込むのはStevie Wonderの得意とする手法。代表作Sir dukeでもそれはふんだんに使われています。
8小節に渡る長尺ユニゾンはまずは覚えることから始めたい。
ネックの端から端まで使う音域の広いユニゾンなので、指板を広く見る視野も必要になる。
Day1~2にかけて、長尺ユニゾンフレーズをスムーズに弾けるように特訓しよう!
Day3 Getaway - Earth, Wind & Fire
- 1,2小節目の16分音符はキレイに弾けるようピッキングの精度を意識しよう。
- 3,4小節目の付点8分音符を基調とした譜割りは要注意。
日本でも人気のファンクバンドEarth, Wind & Fireの1976年US R&Bチャート1位を記録したシングルGetawayのイントロ。
ここで意識したいのはリズム!
前半は細かい譜割りだが、後半は大きな譜割りで盛り上がりを見せている。
それぞれの音が、拍に対してどの距離で鳴らされているのか、耳で身体で頭で理解して取り組もう。
Day4 Jungle Boogie - Kool & the Gang
- Day3と同じく付点8分音符のリズムに注意。
ファンク、ソウル、R&BバンドKool & the Gangの初期の代表曲。
これも長く拍を見失いそうになってしまうリズムに気を付けよう。
Day3,4でファンク系の付点8分音符中心ユニゾンフレーズを会得しよう。
Day5 The Dance of Eternity - Dream Theater
- 変拍子はフレーズで覚えてしまおう。
- 複雑な運指なので何度も聴いて弾いて指に馴染ませてしまおう。
みんな大好きDream Theaterの超絶技巧満載のインスト曲The Dance of Eternity、通称ダンエタより。
15/8、13/8という数えがたい変拍子なのでフレーズそのもので覚えてしまおう。
プログレならではの複雑怪奇な運指はこのフレーズでクリアすべし!
Day6 Angels and Demons - Angra
- タッピングとハンマリング、どの順序で音を出すのか把握しよう。
- 他の弦が共鳴しないようミュートにも気を配ろう。
- 7拍子なので拍を数え間違えないように。
ブラジルの至宝Angraの代表曲の一つ。
このフレーズは「7拍子+タッピング」と2つのポイントを意識したい。
特に各小節6~7拍目の右手人差し指→中指と連続でタッピングをする個所は、しっかりと音を鳴らせるようにしよう。
またミュートバンドを付けない場合、左手人差し指で弦に触れる等ミュートにも工夫が必要だ。
Day5,6では変拍子に加えメタルでならではの複雑なフレーズをテクニックを駆使して弾くことを覚えよう。
Day7 Super Mario Underground Stage BGM
- 速いオクターブの連続はモタらず、ハシらず。
- 5,6小節目の3連符、6連符はリズム、運指、ピッキング全てに気を配るべし。
みんなが知ってるスーパーマリオの地下ステージで流れる音楽。
このフレーズをモチーフにセッションをしたり、曲中の小ネタに入れられたりすることもあるだろう。
単純にフレーズとしても難しく、かつ有名で、弾くだけで"おいしい”!
Day6まで張り詰めたフレーズが続いたので、最終日は愉快に、でもバシッと決めて終わろう!
エクササイズを終えて
いかがでしたでしょうか?
★5のエクササイズは大変難しかったと思います。
1日1個と言わず、弾くのが難しいフレーズは時間をかけてじっくり取り組んでみましょう。
そうしてこれらすべて弾けるようになった頃、あなたのピッキング、フィンガリングは一歩上のレベルに達していることでしょう。
今後難しいユニゾンフレーズを弾く機会がある際にも笑顔でさらっと弾けちゃう、カッコいいベーシストになっちゃおう!
譜面台の位置だけでライブは激変する!
ライブで譜面を使い演奏する方々、いらっしゃいますでしょうか?
例えばセッションライブやシンガーのサポートであったり、自身のバンドや弾き語り、もしかするとオープンマイクなどでも譜面を使うことがありますね。
「譜面を使い演奏する」ということは一般的な形態として、当たり前に行われています。
ではここで質問です。
譜面を使う際、譜面台の位置まで気にしている方はいますか?
もしも普段から譜面を使っており、かつ頭の中が「????」でいっぱいの方がいたら。
それは非常に、惜しい!
ダメだ、とかじゃなく、惜しい! もったいない!
そんなあなたは、是非この一言だけ学んでいってください!
譜面台の位置だけでライブは激変する!
これは考え自体は些細なことではありますが、実際にステージに与える効果は絶大です。
どういうことなんだろう? そう思った方は是非この記事をご覧になっていてください!
自分の姿を客観視してみよう
まず譜面台の位置を気にしたい理由の基本がこの2つ。
- 見ている人に楽しんでもらうため。
- 自分の見栄えのため。
どういうことなのか。まずはこちらの画像をご覧ください。
凄く残念! もったいない!
せっかく顔を渋くさせてハイフレットでキメまくっているのに……。
ベーシストやギタリストなどにとって特に肝心な左手と右手、さらには楽器本体まで、しっかり隠れてみることができません。
そう、譜面台の位置によって、見る人の目から自分の姿が隠れてしまうのです!
こうして自分の姿が隠れてしまう条件は以下。
- 譜面台が自分の正面にある。
- 譜面台の身長が高い。
- 自分と譜面台との距離が近い。
この3つです。画像を観直していただくと、これらを満たしていることが分かるでしょう。
ミュージシャンは演奏するステージは、十中八九多少なりとも客席より高い位置にあります。
さらにお客さんが座っている場合もありますね。
そうなると、見ている人の目には、あなたの姿は上の画像のように映ってしまいます。
さて、ここでこの項目の冒頭に記した、譜面台の位置を気にする理由を思い出してみましょう。
そして想像してみてください。
客席にはあなたのファンがいて、あなたのカッコいい姿を生で楽しんで、その眼に焼き付けたい。
そして頑張って早めに会場に到着し、最前列、あなたの目の前の席を確保した。
そしていざ本番が始まる! 今日はどんな姿が観られるのかワクワクドキドキ!!
そんな折に、目に映るあなたの姿が画像のような姿だったら……?
そう、観ている人が楽しめなくなってしまうのです。
もちろん音楽は見た目や見栄えだけではないです。
ただライブの醍醐味の一つに、目の前で動いているミュージシャンの姿を楽しめることがあります。これは結構な割合を占めていると思います。
姿が隠れるということは、その楽しみを奪ってしまうということ。
譜面台の位置一つで、見に来てくれたお客さんの楽しみをもしかしたら半減させてしまうことになるのかもしれません。
譜面台の位置はどうするのがよい?
「なんだよ脅しやがって! 分かったよ、そしたらどうすりゃええんだよ!」
そう思うのも当然。
ではどうすればよいのか。ちゃんと答えは用意してあります。
こちらをご覧ください!
単純な話、譜面台の背を低くするだけで大体の問題は解消されますね!
これでええ顔も、右手左手も、楽器本体も全て見えます。
見比べて、どちらがお客さんにとって良いか、自分の見栄えがよくなるのか。
一目瞭然ですね!
より細部に気を配る
さて、これで顔、手、楽器などはお客さんから見えるようになりました。
もちろんこれだけでも十分だとは思いますが、せっかくですしより細部に気を配ってみましょう!
見栄えのことや演奏のことを考えた際に、さらに詰められるのはこの2点。
- 衣装も全部見せたい。
- 譜面、ネック、ステージ全体を見渡したいが、目線を動かすロスを最小にしたい。
1点目の衣装については、せっかく働いて買って、この日何着ようかなと考え抜いてきた姿は全部見てもらいたいものですよね。
そして2点目はどのパートもそうですが、ベーシストは特に気にしたい点ですよね。
そんな時にはこちら!
譜面台の位置を斜めにしましょう!
これなら頑張って用意した衣装も全て見えます。
さらに自分の立ち位置がステージ下手(客席から見て左側)であれば、ネック側に配置させることにより、ネック、ドラムの姿、ステージ全体を見渡すことができるのです!
無論ドラムの位置や立ち位置は場合によって異なりますので、自分が優先したい点を明らかにしたうえで位置を決めてあげましょう。
ちなみに、斜めであれば譜面台の高さを上げても、正面に配置することに比べて被害は少なくなります。
やはり演奏の内容が大切なので、目が悪い、譜面が細かい、初見で見なくてはならない等事情がある際は譜面台は高くし、しかし斜めに配置する等バランスを取ってあげましょう。
どの楽器でも配置を考えてみよう
僕の解説なのでどうしれもエレキベースにはなってしまいますが、上記の点はどの楽器の方も気にしたい点なのです。
例えば以下はいかがでしょう?
あぁ~、もったいないですね!
コントラバスならまだわかりますが、エレキギターは小さいので、角度によっては楽器のボディ全体が隠れてしまいますね。
当然といいますか、やはりこっちのが見やすいですね。
他にも管楽器、弦楽器、鍵盤奏者からボーカルの方まで、ステージに上がる人間は全員譜面台の位置を気にすべきでしょう。
譜面台の位置だけでライブが激変する
さて、ここまで譜面台の位置でお客さんの楽しみを減らさないことと、自分の見栄えをちゃんとさせることを説明してきました。
ではこれによってライブの何が変わるのでしょうか?
ライブの印象が変わる
想像してみてください。
例えばステージに立った6人のメンバー。
その正面には高い高い譜面台と譜面。
全員がそれをじーっと見ながら演奏している。
バララララっとソロを取っているものの、肝心の手や指が見えない。
「譜面見てやってますよ感」が全面的に出ているステージ。
次に、同じく6人のメンバーと譜面台。
違うのは、譜面台の位置。前項目のように低く、斜めに配置しています。
当然楽器や手先などはしっかり見えるのでビジュアル的にも楽しめます。
そして「譜面見てやってますよ感」がそれほど感じられないステージ。
仮に出ている音が全て同じだったとしても、「楽しかった! ライブ見た実感がある!」と感じられるのは、間違いなく後者だと思います。
そして「また見たいな」と強く思わせるのも後者でしょう。
また背の高い譜面台がステージ上に乱雑に置かれている状態って、すごくごちゃごちゃして見えるんですよね。
位置や高さを気にすることで、ステージはすっきりキレイに、まとまったものに見えます。
譜面台の位置がその場にもたらす効果はこれほど大きいのです。
「いや、音同じならええやん。ミュージシャンは演奏やん」
と思った方はいますでしょうか?
この考え方は間違いではないけど合ってもいない、まだ自分本位の考えだと思います。
僕の考えではありますが、あくまでライブは見てくれる人がいてこそです。
もし一つの工夫でよりお客さんが楽しんでくれるとしたら、それを採用しない手はないでしょう。
それに、こういう意識は確実に音にも影響してくると思いますしね。
SNSでのプロモーションに影響する
そしてもたらす効果の中でも大きいのがこれ。
上にも書いたように、ステージは大体客席より高く、またお客さんが座っている場合も考えられます。
その状態で、写真OKなライブであれば写真を撮ってもらい、それがSNSにあげられることもあるでしょう。
もしくはスタッフや、店のオーナーに撮ってもらうこともあるかもしれません。
さてあなたがSNSを巡っている最中にこんな写真があったとします。
「演者全員の目の前に譜面台がガッツリ置かれ、下からのアングルなので衣装も楽器も手先も何も見えないライブ中の写真」
恐らくですが、興味を持たずそのまま流してしまうのではないかと思います。
少なくとも「面白そう、観てみたい!」という感情は湧かないでしょう。
別に奇抜な格好をしたり数十万円かけた衣装やステージの写真でも興味を持ってくれないことはあります。それは仕方ないです。
しかし、本来興味を持ってくれたかもしれないのに、譜面台の位置という些細な問題でそのチャンスを失ってしまうとしたら、あまりにももったいない!
先にも書いたように、一つの工夫で改善できる点があるならば、すぐにそれを取り入れるべきでしょう。
まとめ
以上の項目で解説した点をすべて含めて、ライブは譜面台の位置一つでいい意味でも悪い意味でも変わります。
次回から譜面台を使う際はこんな風に意識してみてはいかがでしょう?
- 譜面台を自分の斜め、特にステージ内側に配置する。
- 譜面台の身長を低くする。
- 譜面台を自分に近づけすぎない。
もちろんステージの広さやメンバーの数等環境からの理由や、視力等の理由から常にこれを守り続けることができない場合もあります。
そういった場合を除けば、やはり譜面台の位置にまで気を付けてあげると、ステージやライブ、ひいてはプロモーションにまでプラスに影響してくるのです。
もしも今まで気にしていなかったという方がいれば、是非これを機に考えてみてください!
2010年代最新J-POP一週間エクササイズ★☆☆☆☆
皆さんは日頃J-POPを聴く機会はありますか?
一昔前はゴールデンの時間帯に流れている歌番組で新曲を大量に聴く機会が多かったと思います。
テレビでいえば最近では「関ジャム」でJ-POPを少し踏み込んで解説しており、それを見て久しぶりに聴いている人も多いかもしれません。
また日頃それらは見なくとも、つい先日の大晦日紅白歌合戦でJ-POP成分をふんだんに補給された方は多いのではないでしょうか。
さて、そのように僕らの生活の中に度々現れるJ-POP。
一言でいえば、J-POPってイイんですよね……。
色々な要素がある等諸々は一旦置いといて、とにかくイイ! 良きなのです!
「いやいや、あんな大衆迎合の音楽に意味や価値はない! 真に突き詰められてる音楽こそ至高じゃい!」
という意見もあると思います。
確かに我が道、オリジナリティを突き詰めまくっている音楽は素晴らしいです。これは間違いない。
また最近はJ-POPというカテゴリの中ですら多様化が進みまくり、その大枠は広がりに広がり続け、分類は小分類どころか極極極極極極極小分類ほどにまでその種類を分けられます。
J-POPという枠の中ですら非常にニッチな層に向けたオリジナリティが存在しています。
その上で、より大きい割合の人の耳に届き好まれる、大衆迎合とされるテレビやCMなどで流れるJ-POP。
むしろ、その「大衆迎合さ」こそが良くないですか?
日本人の舌に合わせて作られた米や酒、寿司、ラーメン、パンケーキをわざわざ否定する理由は実はないのです。
むしろその味を楽しめる舌を持っており、それをわざわざ頭ごなしに否定・嫌悪しない感性を持っていることを喜ぶべき!
そしてそこから派生した、例えば「店主オリジナル海老カニジンギスカンラーメン」や「世界に一品・トカゲ寿司」のようなオリジナリティのある料理が好きな方はもちろんそれも食べればよい。実はただそれだけ。
にわかだなんだ言われようと、テレビで流れる大衆向けのJ-POPが好きということを恥じる必要は全くないんですね。
さて、そんなJ-POP界に2010年代に生まれた名曲やヒット曲。
今回はそれらのベースを習得していきましょう!
シンプルだからこそ響く! 1日1個習得していこう!
エクササイズフレーズを聴いてみよう
以上が今回のエクササイズフレーズになります。
いやはや、全部どこかで聴いたことありますね!笑
歌番組だったりCMだったりドラマだったり。
これら曲のパターンやリズムを抑えることで、ポップスと呼ばれる音楽のベースラインの種類を知ることができます。
さあ、Day1からスタートしましょう!
譜面付各フレーズ解説
Day1 Wherever you are - ONE OK ROCK
- スローテンポの8分音符ルート弾き(コードの根音を弾くこと)のみ。
- 2フィンガー(人差し指・中指と交互に弾くこと)で弾くことを意識。
- 1小節目E(=3弦7f)や8小節目B(4弦7f)で小指を使ってみよう。
今や人気ナンバーワンロックバンドONE OK ROCKの2010年に発表された楽曲。
発表の5年後、2015年にドコモのCMで起用されて大ヒット、結婚式等でも定番ソングになっています。
フレーズは、1小節毎に同音を8分音符で弾き続けるのみ。
このフレーズで2フィンガーで弾くことと小指を使うことに慣れてみよう!
Day2 君はロックを聴かない - あいみょん
- リズムはDay1と同じ8分音符の連続だが、フレーズに動きがある。
- 4小節目3,4拍の動きに注意。
2018年JC・JK流行語大賞ヒト部門1位に輝いたあいみょんの2017年の楽曲。
Day1に比べてテンポが上がり、フレーズにも動きが出てきています。
音をしっかりと鳴らせるフィンガリングを意識してみよう!
Day3 ドラえもん - 星野源
- 休符が登場! "1,2,3,4"と拍を感じられるようにしよう。
説明不要! 今や国民的な人気者、星野源の2017年の楽曲です。
ポイントは休符。
「(1)タッ(2)ンタ(3)タッ(4)タッ・(1)ウン(2)タッ(3)タッ(4)ウン」
とリズムを感じながらフィンガリングとピッキング、どちらも意識し、コンビネーションを大事にしよう!
Day4 ないものねだり - KANA-BOON
- これも休符を意識。
- テンポが速いので、速まったり逆に遅まらないよう注意。
現代の超人気ロックバンドKANA-BOONの2014年に発表された代表曲。
参考になるので、あえてJ-POPという枠に含めました。
「ダダッダダダッダ」というリズムが乱れやすいので、まずは拍を感じながら身体に馴染ませよう!
慣れてきたらバスドラ、スネア等ドラムのフレーズのどこにどの音が当てはまるのか考えてみるとより音楽的な視野を広げられます。
Day5 ノーダウト - Official髭男dism
Official髭男dismの2018年発表のメジャーデビュー曲。
月9ドラマ「コンフィデンスマンJP」の主題歌に起用されスマッシュヒットしました。
軽快な楽曲を彩るベースライン。拍や小節を音を伸ばしてまたがる、「シンコペーション」というリズムで弾かれています。
これをしっかりと表現できるように意識してみましょう!
Day6 蝶々結び - Aimer
- 1,3小節目に現れる16分音符を丁寧に弾けるようにしよう。
RADWIMPS野田洋次郎プロデュース、Aimerの2016年に発表されたが曲。
今回初めて現れる16分音符。
「(1)ダァー(2)ーダダ(3)ダァダァ(4)ー」
と、2拍目の16分音符2つを、フィンガリング込みで丁寧に弾けるようにしよう!
Day7 Flamingo - 米津玄師
- 休符を交えた基本リズムをまずキープ。
- 4小節目4拍のF→G(2弦3f→2弦5f)の16分音符ハンマリングフレーズを習得しよう。
- 6,8小節目3,4拍のリズムに注意!
現代のJ-POP界最重要人物、米津玄師の2018年の楽曲。
今回Day1~6で学んだことがすべて詰まっていますね。
8分音符、16分音符、休符、シンコペーション。
このフレーズをきれいに弾きこなし、今回のエクササイズを卒業しよう!
エクササイズを終えて
いかがだったでしょうか?
一口にJ-POPといっても様々な楽曲があり、ベースは常に主役である歌やウワモノ(ギターやキーボード等)のフレーズを目立たせる役割を担っています。
今回学んだフレーズは決して「ベースが超目立つ!」といった系統のフレーズではありません。しかしこのベース無くしてはその楽曲たりえないという不思議な存在です。
かいつまんで言えば、ベースはなくてはならない存在ということですね。
2010年代でも、2000年代でも、いや、90,80,70,60年代、それ以前……J-POP、邦楽には数えきれないほど多くのが曲があり、かつ様々な種類の楽曲、ベースラインがあります。
興味を持った人は、是非色々なJ-POPを、そして色々な音楽を聴いてみてください!
するとベースが、音楽がより楽しくなってきます。
千里の道も一歩より。楽しんで練習していきましょう!
ロックチューンテンアゲベースリフ一週間エクササイズ★★☆☆☆
今も昔も、老若男女問わず人々を熱狂させ続ける音楽。
それは、ROCK!!!
その大音量、激しいサウンド、汗だくで怒れるミュージシャンたちの姿に、人々は時間を、仕事を、うっぷんを、そして我を忘れて熱狂します。
形やスタイルを次々と変えながら、しかしその魂だけは変わらず、人間という器に収まりきらなくなった衝動が音となり僕たちの耳に届きます。
そんな一見野蛮そうな説明で始まるロックですが、この音楽は常に僕たちに感動を与え、長く世に広まっております。
その要因の一つに耳馴染みの良さ、キャッチ―さがあります。
とてもストレートで伝わりやすく、多くの人々の琴線に触れるメロディやギター、ベースのリフは、数十年という月日を経ても今の時代の人間の心を掴んでいます。
と、ここで特殊な言葉が一つ。
「リフ」って何でしょう?
音楽におけるリフ(riff)は、オスティナート、つまり、繰り返されるコード進行、音型、リフレイン、または旋律の音型であり、主にリズムセクションの楽器によって演奏され、楽曲の基礎や伴奏として成立するものを指す(特にロック、ラテン、ファンク、またジャズで顕著である)。
Wikipediaより。
なるほど、噛み砕くと一定のフレーズが繰り返されているもののことを「リフ」というようですね。
そしてロックで顕著とあるので、どうやらロックの特徴の一つがこのリフであり、このリフがキャッチ―さに繋がっている。いや、リフそのものがキャッチ―なのでは、と推測できますね。
「てことは、そのロックのリフとか弾けちゃえば、他にも色んなフレーズが弾けるようになったり、自分でキャッチ―なフレーズ考えることができるんじゃない!?」
その通り!
多くの名リフを学ぶことで、自分の技術や感性をより鋭く磨くことができるのです。
今回の一週間エクササイズでは、50年以上前のものから新しいものまで、7つのリフを紹介します。
1日1個リフを学んで、自分の音楽の幅を広げてみましょう!
エクササイズフレーズを聴いてみよう
以上が今回のエクササイズフレーズになります。
ロックのリフと一口に言っても色々ありますね。
聴くと分かるようにDay7だけ飛びぬけて難しいです。
そのため、Day1~6まででしっかりと技術を磨いて挑みましょう!
それではDay1スタート!
譜面付き各フレーズ解説
Day1 Runaway Baby - Bruno Mars
- 軽快なアップテンポのリフなので勢いに乗って演奏したい。
- 偶数小節の3,4拍目でもたつかないよう注意。
今や世界を代表するスーパースターBruno Marsのロックチューンより。
まさにお手本のような"リフ"ですね!
2,4小節目等偶数小節の3,4拍目では指がバタつかないように、かつB(3弦2f)とG(4弦3f)は両方とも人差し指で弾けるように、左手のフィンガリングを工夫しよう。
Day2 Beat It - Michael Jackson
音楽史に永久に残り続けるであろうスーパースターMJことマイケル・ジャクソンのロックナンバー。
ピッキングの順序に加え、フィンガリングの動きもやや大きいので、雑にならないように気を付けたい。
またこのリフの特徴であるシンコペーションの連続は、曲に疾走感や勢いを持たせることができるので、自分で曲を作ったりバンド演奏をする際に参考にしよう♪
Day3 新宝島 - サカナクション
- コード進行がそのままリフとして成立している。
- 裏拍をしっかり感じられるよう意識したい。
現代の超重要邦ロックバンド"サカナクション"の代表曲。
注目したいのは、Day1,2のようなメロディを繰り返すリフではなく、コード進行(Gm7→Cm7→F→B♭→F/A)を一定のリズムで演奏することによってリフを作っている点。
一口にリフといっても種類があるので覚えておきましょう!
Day4 Sunshine of Your Love - Cream
- スローテンポのため、テンポが速くならない(=ハシらない)ようにしたい。
- ドラムとのコンビネーションに注目。
Eric Claptonが過去に組んでいたバンドCreamの1967年の曲。
ここで注目したいのは、フレーズそのものもそうだが、ドラムとのコンビネーションが独特なことに注目してみよう!
Day1~3までは「(1)ドンッ(2)パンッ(3)ドンッ(4)パンッ」と、2拍4拍にスネアが入れられるバックビート。
しかしこの曲は「(1)パンッ(2)ドンドン(3)パンッ(4)ドンドン」と、今までとドラムのリズムが違っている。
このリズムに引っ張られず、どのタイミングでどの音を弾けばいいのか、しっかりと拍を感じながら演奏しよう!
Day5 Time is Running Out - MUSE
- フィンガリングのポジションを常に動かし続ける必要があるのでモタつかないよう注意。
UKのモンスターバンドMUSEの代表曲。
コード進行に沿ったフレーズで構成されるリフです。Day3とはまた種類の違うリフ。
常にフレーズが動き続けるため、フィンガリングのポジションを見失わない集中力が必要!
Day6 Guerrilla Radio - Rage Against The Machine
- 今回初めて登場する16分音符に注意。
- 8小節目はリズムが変わるので、その変化に対応しよう。
ロックとヒップホップやファンク、メタル他様々要素をミクスチャーしたバンドRage Against The Machine(RATM)の代表曲。
16分音符を基調としたリズム(16ビート)のリフのため、ヘヴィだが独特のうねりが感じられる点がこのリフの特徴である。
フレーズを弾くこと自体はさほど難しくはないため、リズムを感じることに意識を集中させてみよう♪
Day7 By The Way - Red Hot Chili Peppers
- ドロップD(1~3弦はレギュラーチューニング、4弦だけ1音下げたDにチューニングすること)のリフである。
- リズムが細かい上に力強くかつ速いピッキングが要求される。
- ハンマリングの多用。
- 「雑」ではなく「荒々しい」演奏を目指したい。
アメリカでも日本でも大人気! レッチリことRed Hot Chili Peppersの楽曲です。
今回のエクササイズではこれだけ難易度がダントツ! 簡単には卒業させません笑
単純にフレーズが難しいので、まずは弾けるように。
余裕が出てきたら、この曲特有の勢いや「荒々しさ」に注目してみよう!
「雑な演奏」ではなく、「荒々しい演奏」。
意識して荒さを演出できるスキルを身につけられば合格です♪
エクササイズを終えて
いかがだったでしょうか?
今回は★★☆☆☆ということでビギナー~中級者向けの内容ですね。
ビギナーの方はこのリフたちを弾きこなしワンランク上のベーシストへ。
半音下げやドロップDチューニングについてもこのフレーズたちで覚えちゃいましょう!
中級者の方は全てしっかり弾きこなしポイントも理解することでより視野を広げてみましょう!
ロックの名リフは数限りなく存在します。
この他にも、自分がカッコいいと思うリフがあったら是非コピーしてみてください!
そして自分でリフを作ったり、色々なリフの共通点などを自分で見つけていくのも面白いですね♪
皆さんにロックスピリッツが芽生えんことを祈りつつ。
ご一読いただきありがとうございました。
【画像動画解説付】キレイな左手を手に入れる! フィンガリング基礎フレーズ
キレイな左手って、キレイですよね……。
突然すみません。言葉が足りな過ぎました。
ベーシストのネックに寄り添う左手ってすごくキレイですよね。
ベースに興味を持ち始めた方々が否応なしに注目してしまう、指板上を滑らかに這う4本の指……。
エロスを感じてしまう硬質かつ脈を打ち続ける手の甲……。
こうなると、みな思うのではないでしょうか?
「あのキレイな左手を手に入れたい!」
決して左手を持ち帰るとか物理的な意味ではなく。
自分も流れるような麗しいフィンガリングでベースをすらすらを弾きたい、と。
結論から言います。
あのキレイな左手、みんな手に入れられます!
そのためには、意識することが数点。そしてそれを踏まえて1つの基礎フレーズを行い、フォームを整えること。
これが大切です。
さあ、この記事で理想のキレイな左手を手に入れてしまいましょう!
キレイな左手を作るポイント
まずはキレイな左手を見てみましょう!
自画自賛しますが、うむ、キレイですね笑
ポイントは3点。
- 4本の指を立たせ、上を向き指板上にキープされている状態。
- 手の甲を正面から見ることのできる手首の角度。
- 脇を締めず、自然に開けている状態。
最重要はポイント1!
指が指板上にキープされている状態=指が浮いていない(バタついていない)状態。
まずはこれを大前提としましょう。
ポイントを抑えないとどうなる?
ポイント2,3については身体操作の面をあるのでなかなか難しいです。
では仮に4本の指をキープできていたとしても、ポイント2,3を抑えられていない場合どうなるのか。見てみましょう!
上がポイント2の逆。手首が奥に引っ込み、手の甲が下を向いてしまってる状態。
これでは左手を動かすこともままならず、また3、4弦まで指を運びにくくなってしまいます。
これは手首を前を出すことに違和感を感じる人が、手首の楽さを求めるあまりこの状態になってしまうことが多いので要注意です!
下がポイント3の逆。脇が閉じ切ってしまっている状態。
この状態だと、よほど前腕が長くない限り1フレット付近届きませんね笑
腕を伸ばすことに疲れてしまう人が、腕の楽さを求めるあまりこの状態になります。
これだと結果的に肘の角度、手首の角度に変な癖がついてしまい、やはりフィンガリングを行いにくくなります。
また画像の例だと親指がネックの裏から飛び出してしまっているのも特徴ですね。
そしてこうした良くないフォームでベースを弾くことによって怪我の危険性が上昇します。
怪我をしてしまうと単純にベースを弾くのに支障も出ますし、今後怪我をしやすくなる、クセになってしまうので気を付けましょう。
キレイなフォームの感覚としては
①自分から腕が伸び→ネックを掴む
というより
②ネックを掴む→腕全体の力を抜く。
という感覚。
懸垂をするように、指が弦に掴まっている状態をイメージしてみてください。
キレイな左手を別の角度から見てみよう
キレイな左手を作る大きな3つのポイントは上に記した通りです。
そして、さらに細かい点がいくつか!
それを解説するために、普段なかなか見ることのできない、別角度からの左手を見てみましょう。
上から順に
- 後ろからの角度
- 親指側からの角度
- 目線からの角度
注目したいのは2点!
親指の位置と手の中に空間を作ることです。
親指の位置
ネックの裏側のちょうど真ん中に線が走っているので分かりやすいですね。
真ん中よりも下に、かつ外側に向ける。ここがポイントですね!
親指の位置について悩んでいる人は、ピアノを弾く指やPCのキーボードをタイピングする指を想像してみるとよいでしょう。
どちらの場合も親指を外側に向けて各指を動かしますよね?
それをベースにも流用すればよいのです!
手の中の空間
手の中に空間を作る。
反対に言えば、ネックに母指球や第三関節(こぶしの裏側)をくっつけない、ということです。
これらをくっつけてしまうとどうしてもスムーズに左手を動かすことができない、ひいてはキレイな左手を作ることができなくなります。
力を込め過ぎず、ふわっとネックを支えてあげることを意識してみましょう!
ちなみに「ポイントを抑えないとどうなる?」の項目で触れたフォームの場合、この手の中の空間を作れていない状態ということになります。
基礎フレーズを弾いてみよう
以上のポイントを抑えることはできたでしょうか?
もしそのポイントを抑えた状態で鏡を見てみると、既にベーシストらしい左手が出来上がっていると思います!
ではいざ実践! ポイントを抑えた上で基礎フレーズを弾いてみましょう!
デモ動画と譜面は以下。
「1フレット1フィンガー」と呼ばれる、1つのフレットに対し1つの指を当てはめて弾く、というベースの奏法の一種であり、基礎練習の鉄板です。
今回の例では7~10フレットを人差し指から小指まで順番に、それを4弦から1弦まで上昇し続け、その後は来た道を下降していきます。
最初は速さは不要! 自分がじっくり丁寧にできるテンポでやってみましょう!
さて、このフレーズを弾く際にまずは目的をハッキリさせましょう。
- 4本の指を独立して動かせるようにすること。
- フォームを整えること=キレイな左手を作ること。
決して指を開くようにする練習、速く弾きまくる練習というわけではないのでお間違いなきよう。
その上でこのフレーズを弾く、ひいては目的を達成するためのポイントは何か?
- 人差し指を始め、押弦した指をキープすること。
- 下降する際は、離した指は離しっぱなしではなく、次の弦へのセッティングを意識すること。
この2つを意識することにより、独立する指とキレイな左手を作ることが可能です!
小指だけでベースを支えるってどういうこと?
注意するべきはこんな状態になること。
薬指や小指で押弦する際に、今まで押弦していた指を離してしまうことです。
この状態、ベースを初めたての頃にありがちです。
利き手ではない手の小指は、両手の中で最も力の入れにくい、弱い指。
そのため力が入りすぎてしまうので仕方ない……のですが! これってつまりこういうことなんです。
親指と小指だけでペットボトルを持っている状態です。
これではまともに水を飲むことも難しいですよね。
ペットボトルを持って水を飲む際は、しっかり5本の指を使うはずです。
ベースも同じで、小指で押弦する際は全ての指で以てネックを支えてあげましょう!
【応用】色々なテンポや音符で弾いてみる
この基礎フレーズを行う際はメトロノームやドラムマシンを用いて行うことをおススメします!
そして自分が丁寧に行えるテンポで余裕が出てきたら、フレットを変えてみる、テンポを変えてみる、4分、8分、16分音符で弾き分ける等一つのフレーズにも工夫を凝らしてみましょう!
まずはチャレンジ感覚! そうすることでモチベーションを保つことができ、かつ音楽的な練習に繋がっていきます!
まとめ
キレイな左手を作る(=良いフォームを作る)のに必要なポイント。まずはこれを意識してネックを掴み、自分の左手を鏡で見てみましょう。
そこでキレイな左手を作ることができていれば、既に8割完成していると言っても過言ではないです!
その上で基礎フレーズを練習してみて、そこでもキレイなフォームで弾けていれば完璧!
理論上どんなフレーズを弾くときでもキレイなフォームで弾くことができるのです。
地味な練習なので、まずは5~10分でもよいので短時間だけ集中して練習し、その後は身体に馴染ませるために例えばyoutubeを見ながらや、ラジオを聴きながら等ながらで反復練習を行うのもよいでしょう。
実はこれこそが憧れのベーシストに近づく、憧れの演奏をするための最大の近道! 是非記事に載っているポイントを抑えてキレイな左手を作ってみましょう!
ご一読いただきありがとうございました。
E7オンリー! ファンクフレーズ一週間エクササイズ★★★★☆
エレキベースの特権中の特権とはなんでしょうか?
持ち運びやすい、低音が痺れる、シンプルにカッコいい等々色んな意見があると思います。
その上で僕がこの質問をされたならば、即答でこう答えます。
FUNKであること。
そう、エレキベースが音楽史にもたらした最大の恩恵は”FUNK”であります!
ゆるくて粘っこいリズムやサウンド。”音”であるにも否応なく”匂い”を感じさせる低音。
かと思えば下半身を抉るような、踊らざるを得なくなる切れ味100%の鬼の16ビート。
現代でおいても多くのベーシスト、いや、ミュージシャン、いや、全ての人間を魅了する異臭漂う悪魔の音楽。
それがファンクであると感じます。
そしてファンクの畑からはこれまで数多くの名ベーシストが生まれ、今日までも名フレーズを生み出し続け、そして愛され続けてきました。
そんなファンクの音楽的な特色の一つは、「セブンスコード一発」。
コードが次々に移り変わり、それにより情景や感動を生み出す西洋音楽等とは真逆。
一定のリズムを保ち続けることによる生まれるトランス状態にも似た快楽を貪るようなグルーヴです。
そのグルーヴの決定的な核となるのがそう、エレキベースによるフレーズなのです。
「おお、ファンクってすげえんだな! 興味出てきた。でも何をどう弾けばええの?」
そう思った方がいましたら、これを機にファンクの道に足を踏み入れてみましょう!
この記事は、ファンクの名フレーズを1週間で学べる7つの譜例によるエクササイズ。
1日1フレーズずつ、丁寧に練習してみましょう!
さあ、ファンクの世界へようこそ!
- エクササイズフレーズを聴いてみよう
- 譜面付き各フレーズ解説
- Day1 Ace of Aces - THE FEARLESS FLYERS Bass:Joe Dart
- Day2 Pass it! - Papa Grows Funk Bass:Marc Pero
- Day3 Day Tripper - The Beatles Bass:Paul MaCartney
- Day4 Thank you - Sly & The Family Stone Bass:Larry Graham
- Day5 The Jam - Graham Central Station Bass:Larry Graham
- Day6 What is hip - Tower of Power Bass:Francis Rocco Prestia
- Day7 Give Up The Funk - Parliament Bass:Bootsy Collins
- エクササイズを終えて
エクササイズフレーズを聴いてみよう
※都合により数曲3カウントで始まっています
↑の動画にて今回の1週間フレーズを確認できます。
すべて「E7」というコードの中で奏でられるフレーズなのですが、どれも雰囲気の違うフレーズだということがおわかりでしょうか?
細かい点は各項目で解説するので、まずはなんとなく違うんだな、ということを頭の隅に置いといてください。
とにもかくにも、まずはやってみるに限ります!
では早速1日目、行ってみましょう!
譜面付き各フレーズ解説
Day1 Ace of Aces - THE FEARLESS FLYERS Bass:Joe Dart
- M6(C#=4弦9f)の音を積極的に使ったクセのあるベースライン
- 16分音符キメフレーズでの、M3(G#=4弦4f)からの半音上昇(=ファンクの鉄板フレーズ)
2018年に発表された、LAのミニマル・ファンクバンド”VULFPECK”のメンバーと名ドラマーNate Smithが手を組んだプロジェクト”THE FEARLESS FLYERS”の楽曲”Ace of Aces”より。
ポイントは上記の2点ですね! シンプルな音使いの中に、ベーシストJoeのセンスが垣間見れます。
また、E7のコード上でm7(=D)を使わないEミクソリディアンスケールのフレーズということも抑えておきましょう。
まずは初日ですが、早速難易度が高いですね!笑
Day2 Pass it! - Papa Grows Funk Bass:Marc Pero
- イーブンではないけどハーフタイムシャッフルまではいかない、絶妙にバウンスした16分音符
ニューオーリンズのファンクバンドPapa Grows Funkの楽曲より。
ポイントはリズムですね。決して均等な16分音符でもないけど完全にはハネきらない。「ややハネ」程度の16分音符のリズムが特徴です。
フレーズ自体の動きはさほど大きくはないので、絶妙なリズムを感じられるようにしましょう!
Day3 Day Tripper - The Beatles Bass:Paul MaCartney
- 一瞬放り込まれるm3(G=4弦3f)
- M9(F#=2弦4f)の使用→Eミクソリディアンスケール使用の示唆
これはファンクではないですが笑 有名なThe Beatlesの楽曲から、E7の印象的なフレーズがあったので紹介します。
ここで初めてm3(G)の音が登場しましたね。どうやらセブンスコードはメジャー系のコードではありますが、コードトーンではなくかつメジャー・マイナーを区別するはずの短3度の音がカッコよくハマるようですね。
ここはDay4以降にも、多ジャンルにも繋がる重要なポイント。要チェックです!
Day4 Thank you - Sly & The Family Stone Bass:Larry Graham
- 4分休符、8分休符をしっかり感じること。
- プルを16分音符1個分で切る。
さて、スラップの始祖であり、ファンクベースの御大Larry Grahamの弾く名フレーズ”Thank you”です!
これについては音使いよりも4分休符、8分音符・休符、16分音符などリズムをしっかり感じて弾くことを意識しましょう。
ちなみに原曲ではこのフレーズを約5分間休まずに弾き続けています笑 まさに一定のリズムの連続による快楽!
Day5 The Jam - Graham Central Station Bass:Larry Graham
- 12f,14f等ハイフレットでもサムでしっかりと鳴らすこと。
- 4分音符のフレーズから、Eマイナーペンタで弾いているフレーズだと理解すること。
- サムの連打でもしっかりと音粒がバラけないようにすること。
Larry Graham2連チャンです。
Day4の「待つスラップ」とは打って変わって「音を詰め込むスラップ」ですね!
スラップの練習フレーズとしてもってこいです。
4弦7f→9fのプル→ハンマリングのフレーズもきっちり鳴らし、次の1拍目を外さないようにしましょう。
Day6 What is hip - Tower of Power Bass:Francis Rocco Prestia
- 難関! 左手の人差し指はE(3弦7f)を押さえ、残りの指で弦に僅かに触れ、ミュートをしつつ実音を出す、ロッコ先生ならではのポコポコプレイ。
- 頻出する弦飛びフレーズ(3弦→1弦、1弦→3弦等)に対応しつつリズムを崩さない。
- #4(♭5)やM7を経過音として取り入れるミクソリディアンスケールの鉄板音使い。
さあこれは難しいですよ! ファンク史に燦然と輝く名曲”What is hip”!
ファンクを志す者なら一度は通る難関です。
この16分音符の連打、複雑なピッキングをマスターできればもう怖いものはありません!
ちなみにこの曲はここ以外のセクションも全て難しいので要注意です笑
Day7 Give Up The Funk - Parliament Bass:Bootsy Collins
- 16分音符、休符が入り乱れる絶妙なリズム。
- E→G(3弦7f→3弦10f)までの粘っこいスライド。
- 1→2→3弦までレイキングでキレイに弾ききること。
出た! ファンクを語る上では絶対に外せない、まさにキングofファンク! ブーツィー・コリンズ!!
レイキング、ハンマリング、スライド等様々な基礎技術を組み合わせており、かつ3つの弦に渡るレイキングを要し、リズムも独特。
さらにピッキングも絶妙なニュアンスであり、特に1弦のスタッカートは非常に豪快かつデリケート。まさに究極のファンクフレーズです。
これを弾ききってこのエクササイズを気持ちよく終えましょう!
エクササイズを終えて
いかがでしたでしょうか? 今回のE7オンリーファンクフレーズ1週間エクササイズ。
1週間シリーズ一発目にしてはなかなかの難易度だと思います笑
ちなみにここまでやってきましたが、なにも一週間で全て完成させなくても構いません!
むしろまだ難しいな~という箇所は時間をかけて丁寧に練習していきましょう!
今回はE7のフレーズに縛って紹介しましたが、どのフレーズも超個性的でありキャッチ―であり、カッコいいフレーズ。
そう、音楽は仮にコードが同じでも、そしてそれ一発で曲を作るとしても、フレーズは無限なのです!
さらにファンクのフレーズはもちろんE7だけではありません。
様々なコード、様々な進行のファンクナンバーで溢れています。キリがないほどあります。
これでファンクに興味を持った方々、是非今回紹介したバンドから色々掘ってみてはいかがでしょう?
そこには新たな音楽の道が広がっていると思います!
最後になりましたが、今回紹介したフレーズは、ベースの技術や音楽の視野を向上、広げるのにうってつけなフレーズばかりです。
是非挑戦してみてください!
ご一読いただきありがとうございました。
【ビギナー必見・実演付】指弾き上達のための3つのコツ
皆さんはyoutubeやSNS、ライブでベースの演奏を見る際に、どの部分を集中的に見ていますか?
恐らく、ほとんどの方が「ベーシストの左手」を見ているのではないでしょうか?
指板の上を縦横無尽に、滑らかに動きまくるベーシストの手つきや、しなやかな指先と手の甲に浮き出た血管……非常にセクシー! カッコいいし注目してしまいますよね
そこで「じゃあ俺も! 私も!」とコピーしようとするも、やはり最初の内は上手く弾くことができず……。
「左手が上手に動かない、早く動かせない!」という悩みもあると思います。
しかし! 実は憧れのプレイを実現させるためのポイントは別なところにあります。
より大事なのは、右手! 実際に弦を弾いて音を出す右手がとても重要なのです!
この記事では、そんな右手の指弾きの上達のコツを解説します。
何故右手が重要なのか。
憧れのかっこいい、素敵なプレイを実現させるために何故左手より右手が重要なのか?
導入部分で書いた通り、実際に弦を弾いて音を出すのは右手の役割です。
単純な話で、どんなに左手が超絶に動き回ったとしても、右手がおぼつかなければそもそも音を出すこともできないですよね。
工場で製品を1時間1000個作れても、肝心の出荷が1時間に1個しかできないのでは意味がないように。
1時間1000個作れる工場には、同じく1時間1000個、いや、それ以上出荷できるシステムを用意することで余裕を持った経営ができますよね。
それと同じで右手は、出したい音のフレットを押さえ続ける左手と過不足ないコンビネーションを取ることができる技術力が必要です。
それほどまでに「音を出す側の手」は重要な働きを持つのです。
そして単純な技術の話だけではなく、実は上達にも関わってくるんです!
右手で良い音を出すことができるというのは、右手で楽器を上手く扱えていることと同義です。
これ即ち、憧れのプレイを実現させる準備が、練習に取り組む前から半分完了していることと同じです。
あれ? なんかシンプルな話に思えてきましたね!
そう、難しく考える必要は一切ないんです。
コツさえ掴んでしまえば、良い音を出し、それを体に馴染ませるは簡単な話なのです!
右手のピッキングはとても重要。
でも、重要なことがいつも難しいとは限らないです。
上達のコツ
では改めて上達のコツとは何なのか?
それは、フォームです!
一にフォーム、二にフォーム、三四にフォームで五にフォーム。
もうハッキリと断じてしまいます。
上達に大事なのは、良いフォームです。
大事なことなので何回も言ってしまいました。が、それほどまでに大切なのです。
なーんかフォームって聞くと堅苦しくて、地味な基礎練が必要なんじゃないかー? と思っちゃいますね。
それよか速く弾く練習しまくった方がいいんでないかー? と。
でも、想像してみてください。
足をばたつかせて、腕をぶんぶん振り回して、お尻を左右に振って走っている人がいたとしましょう。
その人が「僕ウサイン・ボルトみたいになりたいんです! どうすれば速く走れますか!?」と尋ねてきたとしたら。
僕は陸上などかじったこともありませんが想像できます。100人が100人とも「まず走り方を直せばいいんじゃない?」と提案すると思います。
歩くという行為は大体の人は常日頃行っていますし、走るという行為は遊びや教育過程で学んでいきます。
そうした経験や体感から、上記の例で速く走るためには、とりあえず変なフォームを直そうかと提案できますね。
それをベースに持ってきたらどうでしょう?
「憧れのプレイがしたい! 上達したい!」という希望に対し「じゃあまずはフォームだ!」と提案する理由がなんとなく分かるのではないでしょうか。
「よし! じゃあ良いフォームとやらで練習してみよかな! で、何をすればええんや?」
という声が聞こえてきそうなので、いよいよ画像付き実践です!
ここで前提としておきたいのは、良いフォームとは、すなわち良い音を出すための「要素」を満たしている状態です。
そして僕が「3K」と呼んでいる「要素」を紹介します。
3K、それは「角度、関節、こぶし」です!
角度
角度とは、指が弦を捉える角度です。
2フィンガーに必要な人差し指と中指の先が弦を垂直で捉えること。これが重要です。
これにより、弦にしっかりと力を加えることができ、良い音でベースを鳴らすことができます!
反対に、避けるべきなのは以下。
指先がボディの内側に向いている状態と、一見キレイに見える外側を向いている状態。
人差し指と中指では中指の方が長いので、内側を向いていると同一の弦を連続して弾くのに全く向きません。手首は楽ですが、弦をまっすぐ捉えられず上手くベースを鳴らせません。
また外側を向いている状態。これだと指先が内側を向いた時よりは揃えられますが、手首や指に非常に強い負担がかかりますし、これもベースを上手く鳴らすことはできません。
想像してほしいのは、ボクサーがサンドバックに向かっている姿です。
そのサンドバックを斜めから、内側に外側にかすらせるように打っているフォーム。
次に、まっすぐ正面から打っているフォーム。
今想像内で、どちらかがキレイなフォームで、強いパンチが打てていましたか?
あとはご想像の通りですね!
関節
次に、関節。
指の先側から第一関節、第二間接と呼びます。
まず第一関節ですが、これをピッキングする際に反らせないことが重要なポイントです。
上が反った状態。下が反らせない状態。
第一関節を反らせてしまうと、どうしても音が「ぬめっと」してしまいます。
具体的に言うと、アタック感が薄れ、音の輪郭がぼやけてしまいます。
弦のテンションに負けないように、下の画像のように第一関節を反らせないようにしましょう。
これだけで輪郭のある音に。エレキベースならではのくっきりした音を出せるようになります!
そして第二間接。これは稀ですが、第二間接を曲げるピッキングをしてしまうのはNG!
関節の力のみでベースを弾くことになるので、非常に力を込めづらいのです。
また、どうしても弦を「捉えて→弾く」ではなく「弦を通過する」感覚になってしまい、逆にアタック感ばかりが強調されてしまいます。
もちろんアタック感を強調するためのピッキングをする場面は多々ありますが、少なくとも第二関節によるピッキングはしないものです。
第一関節は反らさず。第二間接だけでピッキングしない。これが重要です。
ん? じゃあどのようにピッキングすればいいの?
その答えが最後のK。「こぶし」です!
こぶし
こぶしから先を動かしてピッキングしていくことが重要です。
2本足で歩くように、トコトコトコトコ……と。
こぶしは力が自然に入りやすいので、あえて力みまくってピッキングする必要はなく、自然と一定以上の力が加えられ、音圧のある音を出すことができます。
またここでもポイントが一つ。
指弾きする際は「弦だけ弾く」のではなく、弦の奥にあるベースのボディに向かって。そしてさらにその先にある自分の体目がけて指を押し込む意識を持ってみましょう。
それを意識したう上でこぶしから先で弾いてみてください。
……どうでしょう? 音の強さや太さ、輪郭が変わったのではないでしょうか?
これでベースの弾き方、ひいては鳴らし方である、と覚えてしまいましょう!
音の比較
さて、ここまで画像と文章で解説してきました。
もし今これを見ながら実践していただいた方がおりましたら、まずはありがとうございます!
なんとなく変わったかな~と感じつつ、こう思っていないでしょうか?
「フォームごとの音を客観的に比較したい!」と。
まあまあ、そう焦らんでください。
ちゃんと用意しております!
それがこちらの動画!
前半は①指を内側に②第一関節を反らし③頑張ってこぶしを使わないようにしました笑
後半は①指を垂直に②第一関節は反らさず③こぶしから先でのピッキングです。
いかがでしょうか?
「こんなに違うのか!」と驚かれると思います。
後者はキレイなアタックで、芯があり輪郭もはっきりした音になっていますね。
良い音を出すための良いフォーム。その要素を満たすだけで、音はこんなにも変わるものなのです。
まとめ
導入部分や「何故右手が重要なのか」でも触れたように、右手のフォームは非常に大切です。
その後大事な要素を学び、比較により音の変化も知ることができましたね。
さあ、あとはこれを常に実践し続けるのみです!
そうすればこのフォームが自分の体に染みつき、どんな状況でもこのフォームで弾き続けられる=常に良い音を出し続けることができます!
先の工場の例えでもあったように、もしかすると今は1時間に荷物を1個しか出荷できないかもしれません。
しかし、練習を重ねるうちに1時間に3個出荷できるようになったら? 10個、100個、10000個になったら?
工場でどんなに製品を作りまくってもまったく問題なしですね!
それと同じように、右手の技術が鍛えられれば、憧れの演奏ができるようになるにはあと半分だけ! あとは左手を鍛えるだけなのです。
この記事を見ていただいた方は、是非右手のフォームを観直してみてください!
一読いただきありがとうございました。