セッションミュージシャン志望が大学軽音サークルに入るメリット
先日の記事では「大学軽音サークルは規模の小さなセッションミュージシャンの世界」と表現し、その理由について書き進めていきました。
その記事を読むと、「そうか、体感するために入ってみるのも手だな」と思う人もいるかもしれません。
とはいえ!
ミュージシャンを志した上で大学に入った人の中には、やはり軽音サークルに入ることを悩んでいる方も多いと思います。
18歳といえばもう将来を考える立派な大人です。
また入学してみないと分からない点も多いですが、大学生活にどこまで重きを置くべきか悩んでいる人もいるでしょう。
よって今回の記事では、軽音サークルに入ることによる【セッションミュージシャンを志す上でのメリット】を紹介していきます。
入ろうか迷っているか人、もしくは現在サークルに在籍している人は是非参考にしてみてください!
セッションミュージシャンの再確認
まずはセッションミュージシャンとはどういうものか、改めて確認します。
セッションミュージシャンは固定のバンドのみで活動していくのではなく、サポート業やセッションワーク、レコーディング等々、流動的に、多くの、様々なミュージシャンと演奏を共にする形態のミュージシャンです。
そこから発展しやすいのは講師業やセッションホストなど。
人によっては楽曲提供等の制作に重きを置いたり、自分のライブやイベントを企画したりと、活動の幅は人それぞれです。
そしてそれらの活動は、大体の場合は人の繋がり無くしては成り立たない、ということを先日の記事で書きました。
- 様々な人と、様々な演奏を行う=それを実現させる技術と知識が必要。
- 演奏の機会には誘い誘われの世界=繋がりの世界である。
ひとまずこの2点を抑えていただきましょう。
セッションミュージシャンという名称について
例えばミュージシャンと一括りにしても、その中で色々な形態が存在します。
- アコギやピアノ等、自分で演奏しソロで活動するシンガー(シンガーソングライター)
- 固定のバンド1,2つで活動するバンドマン
- 制作中心のコンポーザーやアレンジャー
他にもラッパーだったり、クラシックのコンサートでソロで演奏する奏者、オーケストラの一員、DJ,etc......
大分類でミュージシャンと一口に言っても、その中・小分類には多くの形態が存在しすぎて、ここではあげきれないほどです。
ひとまず、その中分類の中に
「流動的に様々なミュージシャンと演奏を共にするセッションミュージシャンという形態」がある。
そして「シンガーやバンドマンとは異なる形態である」
という点を抑えておきましょう。
なお、それぞれの形態の表現について特に他意はありません。
大学軽音サークルに入るメリット
さて、セッションミュージシャンがどんな形態のものなのか把握していただいたところで、いよいよメリットを説明していきます。
ちなみにそれらは在籍している最中に気づき、セッションミュージシャンとして音楽活動を行う中で思い返して改めてメリットだと気づきました。
外から俯瞰で見ると改めて感じる点もあるということですね。
たのしい
まずはこれです!
前提はこれ。これからは真面目な話が続きますが、大前提としてただただ楽しいということを念頭に置いといてください。
僕も研究のためにサークルに入っていたわけではないので、みなさんも是非この気持ちは忘れずに!
あ、ちなみにですが、楽しすぎるあまり単位を落とし続け留年する危険性もあります笑
全国的にあるあるらしく、これは避けられない宿命といいますかなんといいますか……。
それを理解したうえで、改めて現実的なメリットは以下!
規模の小さなセッションミュージシャンの世界を体感できる
一番はやはりこれですね!
実は初めはこのメリットの記事に含んだ内容だったのですが、長くなりすぎたのでシングルカットして記事にしました笑
こうしたことを肌感覚で体感できるのが一番のメリットだったと思い返して感じています。
様々なアンサンブルを経験できる
これもセッションミュージシャンを志す上での大きなメリットですね。
僕はサークルにいた当時から、ポップス、ロックからR&B、ソウル、フュージョン、プログレ、メタルまで様々なジャンルの演奏を行うタイプでした。
そしてこうした幅の広いジャンルを「アンサンブルで経験できる場」は、実はサークル外の世界には少ないと思います。
経験ある方はお分かりの通り、音源に合わせて演奏するのと、アンサンブルの中で演奏するのは大きく違いますよね。
音が混ざる感覚を理解できるし、自分の音に責任も持たなくてはならなくなる。
アンサンブルは自分の感覚を成長させるための必須事項!
そして前提として、楽しい、面白いものでありますね。
そして各ジャンルごとに、そしてその中の楽曲ごとにリズムのツボがあります。
周りのパートがどんなリズムで、自分のパートがどんなリズムなのか。
そしてどの部分を合わせると良いリズム、良いアンサンブルが生まれるのか。
各ジャンルや楽曲ごとのリズムのツボを、常にアンサンブルの中で学ぶことができます。
ジャムセッションはコピーなくしては存在しえない
前提として、僕は外のジャムセッションに通うのを大推奨しています。
そんなセッションとサークルのライブの違いは、「しっかりと練習に取り組み、リハに臨み、ライブとして本番で披露する」という過程を経ること。
この違いこそが、音楽的な素養を成長させるメリットになるのです。
コピーバンドの演奏は、その名の通り楽曲のコピーです。
これはただ単にバンドスコアに書いてある記号を演奏する、のではなく、「その楽曲を演奏する」ということです。
その楽曲全体がどんなリズムで、どんな音色が使われていて、どんな雰囲気の曲なのか。
さらに細かく、各パートがどんなことを行い、どのように絡むか。
そしてアンサンブルで、どの音符同士を合わせればアンサンブルが「その楽曲っぽく」なるのか。
それらを時間をかけ丁寧に学んでいくことができます。
さらに重要なのは、上手くいかなかったときに、「何故上手くいかないのか?」を考えることができる点です。
決められたことをやってるのに、何故それっぽくならないのか?
もしかしたらここが足りないからできないんじゃ?
ここがわずかに違うからそれっぽくならないのか?
何度も言いますが、それらを時間をかけ、丁寧に学んでいけます。
個人的な考えになりますが、セッションではリズムやダイナミクスの感覚をその場で把握し実現させる技術や楽器同士会話する技術が磨かれます。
そしてそれらの技術は、決まったアンサンブルを実現させる能力との両立なくしてはそもそも存在しえないと考えています。
そのジャンルらしいリズムやフレーズを知らないと、何が良くて何が悪いのか、自分の改善できる点はどこなのか。
それらをそもそも知ることができないからです。
コピーのアンサンブルの力が5%までしかなければ、セッションでも5%の力しか発揮できない。
それほどに、コピーや固定されたアンサンブルを実現させる能力は大事なのです。
そうしたジャンルのアンサンブルを、定期的に、人と一緒に人前で披露する機会がある。
楽器同士の絡み方をアンサンブルの中で知れる。
改めて、そこが大きなメリットだったと感じています。
様々な人のプレイをアンサンブルで体感できる
これもサークルに所属するメリットです。
様々な人と共に演奏できること。
さらに細かく言うと、様々な人のプレイをアンサンブルの中で体感できることです。
言い方が多少悪いかもしれませんが、団体があればその中にはどうしても技術の優劣は存在しますよね。
それによって、同じ曲を演奏してもアンサンブルが全く異なってきます。
でもそれは、上手ければ偉い、下手なのはダメってわけではないんです。
重要なのは、一緒に組んだ人から
「上手いと感じる人はどの点が優れていると感じるのか」
「特にどの点によって技術の優劣を感じるのか」
「違いはどこなのか」
それらを観察することが大事なのです。
その差が分かれば、じゃああとはそれを自分に置き換えて実現させるだけ。
アンサンブルの中で
- 人の違いにより生じるアンサンブルの違いを学び
- 違いを知れば、人への改善点を提示でき
- その上でそれらのインプット・アウトプットを同時に行える
- また自分へのフィードバックも得られる
しっかりとアンサンブルにおける他パートを観察するだけで、学べることはいくつもあるのです。
そして改めて、セッションミュージシャンは様々な人と流動的に演奏を共にします。
これらの感覚はそのままライブ、それに伴うリハ、セッションに活かせます。
とにかく色々な人を観察できる。また体感できる。
これも定期的なペースでライブを行うサークルのメリットでしょう。
メリットまとめ
軽音サークルに属するメリットをまとめると
- ミュージシャンの世界の疑似体験
- 各ジャンルごとアンサンブルの感覚を学べる
- コピーの重要性を肌感覚で学べる
- 「人」による演奏の違いの体感と観察
- それらすべてをインプット・アウトプットできること
という点になりますね。
ただあくまでこれらは、意識すれば意識して吸収できますし、何も意識しなくては何も得られないです。
そして何度も言うように、サークルはあくまで楽しむためのものであり、人に押し付けて強要するものではありませんので、それは誤解なきようにお願いします。
もしサークルについて迷っている方は参考に。
また現在サークルに所属している方は、時折これらを意識してみると見え方が変わってくるかもしれません。
何事にも意味を持たせれば、意味を持ってきます。
是非今後の活動の参考にしていただければ幸いです。
大学軽音サークルは、規模の小さなセッションミュージシャンの世界
3月下旬。すっかり春めいてきましたね。
前にちらっと
「卒業式は桜が散ってるイメージなのに、入学式は桜満開のイメージなのはどう考えても時空がゆがんでいる」
という文章を見ましたが、全くその通りだと感心してしまいました。
そんな入学式シーズン。
この春中学から高校、高校から大学に進学する、ウキウキされている方もいると思います。
そして大学進学において、選択肢の一つとなるのが「サークル選び」。
どのサークルに入るか、もしくは入らないかで大学4年間のすべてが決まる……。
いやまあすべてではないにしろ、未来が変わってくるのは事実です。
またサークルといっても、例えば軽音楽サークルや映画サークル、ボードゲームサークルといった文系サークルと、フットサルサークル、野球サークル等体育系サークルがあり、さらに同じ種類のサークルが2つ3つそれ以上乱立しており、もはや迷い放題。
迷い放題120分980円お一人様2品以上注文。
もちろん迷いすぎず直感で決めてもいいのですが、どれにしようか頭を悩ませてしまう方のが多いですよね。
ちなみに僕は軽音楽サークルに4年間所属していました。
兄の友人がそのサークルに所属していて、偶然大学入学前に会って話したことがきっかけでした。
そのおかげで4年間色々な、良い思い出から悪い思い出まで、本当に色々あります笑
では将来ミュージシャン志望で大学に進学した方はどうなのか。
どんな軽音楽サークルに入るのがよいのか。
いや、そもそも。
ミュージシャン志望は軽音楽サークルに入るべきか否か。
現役で活動するミュージシャンには、当たり前ですが大学の軽音楽サークルにいた人間、いなかった人間どちらもいます。
なので入るor入らない、どちらかでなければミュージシャンとして活動できないなんて絶対的な回答はありません。
しかしどうすればよいのか迷っている人もいるのではないか、とも考えております。
そんなお悩みの方々への一助として、軽音サークルに所属して気づけたことを一つ紹介します。
それは
「大学軽音サークルでは、規模の小さなセッションミュージシャンの世界を体感できる」
ということです。
- そもそも軽音楽サークルって何をするもの?
- 規模の小さなセッションミュージシャンの世界
- 学年によって誘われる理由が異なってくる
- 軽音サークルとセッションミュージシャンの共通項
- サークル時代、自分の誘いに変動がなければ気づけなかった
- まとめ
そもそも軽音楽サークルって何をするもの?
今回のテーマを説明する前に大事なのが
そもそも軽音楽サークルって何をするもんなのよ?
この前提を知る必要がありますね。
サークルによって異なる事項もあると思いますが、軽音楽サークルの活動は大体以下です。
- 月に1~2回ペースのサークル内ライブ
- 「大学公認の団体」として定期演奏会の開催
- 年に数回、学内他軽音サークル、他大学との合同ライブ開催
- 合宿やキャンプ、温泉旅行等大学サークルらしいイベント開催
- 幹部・役員等サークル運営を担っていれば上記に伴う会議等
- その他サークル特有のイベント
大きくこんなところです。
またそれぞれのイベントには大学生らしく当たり前に打ち上げが付き物ですが、出欠は自由です。
ライブについては、基本的にはライブ毎にサークル内でメンバーを募ってコピーバンド組んで演奏する、という流れになります。
サークルによってはオリジナルを作って発表する機会もありますが、9割はコピーバンドと思っていただいて大丈夫です。
人気、流行りのロックバンドを演奏してもみくちゃになったり。
逆にオタクたちがプログレやフュージョンを演奏してなんとも言えない空気になったり。
ちなみに僕はどちらかというと後者側でした笑
イメージとしては
- 基本はライブイベントを行う
- レジャーイベントは他サークルと変わらない
- 他軽音サークルと関わる機会もある
ざっくりとこう捉えていてください。
規模の小さなセッションミュージシャンの世界
前章では軽音サークルのイメージをざっくり掴んでいただきました。
ではここから本題。
今回のテーマを改めて確認します。
大学軽音サークルは、規模の小さなセッションミュージシャンの世界である
先述したように、僕は大学軽音サークルに4年間所属しました。
そして卒業後にミュージシャンとして活動を始め、現在に至ります。
そんな僕が当時を思い返してみると、大学軽音サークルの世界はセッションミュージシャンの世界に似ています。
セッションミュージシャンの世界とは
この記事内では前提として、セッションミュージシャンは主に演奏を主体として活動するミュージシャンのことを指すとしましょう。
もちろん演奏の他に講師業や裏方として制作業を行ったりと、活動の幅は人それぞれです。
ここでの定義はライブ演奏を中心としたミュージシャンとしましょう
例えばシンガーの方がバンドライブを行うとして、固定のバックバンドが無い場合はミュージシャンに声をかけていってバンドを固めていきます。
鍵盤、ベース、ドラムと一人一人に声をかけていく場合もあれば、ひとりバンマスに声をかけ、あとはバンマスにメンバーを集めてもらう場合もあります。
シンガーのいない、インストのセッションライブを行う際は主催のミュージシャンが声をかける場合がほぼほぼですね。
さて、この時ミュージシャンに声をかける「理由」にはどんなものがあるか
- 自分の理想とするステージにはこの人が必要だから
- 〇〇のジャンルをやるとき、この人はすごく素敵だから
- 逆にこの人に普段やらないジャンルをやってほしいから
- 話したことはないけど、以前どこかの演奏を見かけて素敵だったから
- まだ一回も共に演奏したことがなく、興味があるから
- キャラが良くて、一緒にいて楽しいから
- 経験を積ませたり機会を与えてあげたいから
- 単純に仲が良いから、その人と一緒にやりたいから
ミュージシャンがミュージシャンを誘う理由には色々なものがありますね。
僕が自分の演奏を組む際にも、場合によりけりですが大体はこうした理由で声掛けさせてもらっています。
他にもいろいろな理由が絡むパターンもありますが、ひとまずこれを軸にしていきましょう。
とにもかくにも、演奏を活動の主体とするセッションミュージシャン。
自分の企画でない場合、主催や参加するミュージシャンとの繋がりによって演奏に誘われ、参加し、報酬を受け取ります。
即ちセッションミュージシャンは繋がりによって成り立つもののようですね。
で!
仮に演奏に誘われる機会が年に1回だとどうでしょうか?
想像に難くない通り、その1回にとんねるずやダウンタウン並みの報酬がなければ生きてはいけませんね笑
具体的な数字は出しませんが、当然ながら演奏に参加する機会が多ければその分報酬を貰う機会が多くなり、結果収入が増えてきます。
働く回数が多ければ収入も多くなる。
これは子供も大人もミュージシャンも変わらない、この世の仕組みです。
ミュージシャンの場合は芸能人と同じく、上記の様々な理由から色々な人に声をかけられ、多くの機会をもらっている人が、俗に言う「売れてる」状態ですよね。
それだけが全てなのか!?
多く人前に露出する機会があれば偉いのか!?
等々の議論はありますが一度置いといて。
ここではわかりやすく「多くの機会を得ている=売れてる状態」と決めつけて進めていきます。
セッションミュージシャンの世界をざっっっくりと説明しました。
最後に、繋がりが多ければ勝手に演奏の機会が多くなるわけではありません。
しかし演奏の機会が多い人は得てして繋がりが多い、と捉えておきましょう。
軽音サークルの世界とは
さて、ここで話を軽音サークルに移しましょう。
大学は4年制なので、入学と同時にサークルに入る場合、留年しない限りは必ず4年間でそのサークルを引退します。
よって、軽音サークルの学年を仮にこう例えてみましょう。
- 1年生(19歳)……新人ミュージシャン
- 2年生(20歳)……若手ミュージシャン
- 3年生(21歳)……中堅ミュージシャン
- 4年生(22歳)……ベテランミュージシャン
実際に在籍していた感覚的にはこんな感じですね。
で、ライブを行う際には1~4年生関係なく互いに声をかけあってメンバーを集めるのですが、ここで誘い・誘われる理由を挙げてみます。
- 自分の理想とするステージにはこの人が必要だから
- 〇〇のジャンルをやるとき、この人はすごく素敵だから
- 逆にこの人に普段やらないジャンルをやってほしいから
- 話したことはないけど、以前どこかの演奏を見かけて素敵だったから
- まだ一回も共に演奏したことがなく、興味があるから
- キャラが良くて、一緒に演奏いて楽しいから
- 経験を積ませたり機会を与えてあげたいから
- 単純に仲が良いから、その人と一緒にやりたいから
と、理由を挙げてみましたが……。
全部同じ!!!!
ミュージシャンの世界で人を誘う理由と
全部同じ!!!!!!
やっぱりみんな人間です。
人が人と関わることに対する理由に、場や規模は違えど差はありません。
それが音楽に関わることであればなおさらです。
というわけで、大学サークルにおけるライブの露出も繋がりによって成り立つものなのです。
学年によって誘われる理由が異なってくる
セッションミュージシャンの世界も軽音サークルの世界も、誘い誘われの世界であること。
そして依頼をする理由はどちらも同じである。
繋がりのよって成り立つこともわかりました。
ただこの情報からはまだ読み取れないことがあります。
それは、誘い・誘われる理由は学年が変わるたびに変わっていくということです。
1年生はキャラ重視
突然サークルの中に現れた新人ミュージシャンである1年生。
彼らが誘われる理由は主に
- まだ一回も共に演奏したことがなく、興味があるから
- キャラが良くて、一緒にいて楽しいから
- 経験を積ませたり機会を与えてあげたいから
大学軽音サークルはあくまで大学生の集団なので、学内で顔を合わせたり関わる機会が必然的に多くなるという前提はありつつ、大体はこれです。
ぶっちゃけ
「どんなプレイヤーなのか」
よりも
「飲み会の時面白かったから」
「よくサークルに顔を出しているから」
という理由から誘いを受けることが圧倒的に多いです。
また、1年生だからとりあえず一緒にやろうよーと上級生に誘われることが多いです。
あとは、面倒見が良い人であれば機会をくれる的な意味で誘ってくれたり。
考えてみればそれは自然なことなんですね。
会って間もない人間の内面や理想や理念など分かりっこないですし。
それよりも「楽しそうな人、新しい人」と関わりたいという心理は人間なら当然。
もちろん一度ライブを経て「こいつ上手ぇー!」となれば誘いを受けることも多くなりますが、ここでは技術的なことには触れずにいきます。
1年生(新人)が誘われる理由は「キャラ・興味」が強いです。
2年生は様々な理由で誘われる
学年が上がって後輩も入ってくると、誘われる理由が増えてきます。
- 〇〇のジャンルをやるとき、この人はすごく素敵だから
- 逆にこの人に普段やらないジャンルをやってほしいから
- 話したことはないけど、以前どこかの演奏を見かけて素敵だったから
- まだ一回も共に演奏したことがなく、興味があるから
- キャラが良くて、一緒にいて楽しいから
- 経験を積ませたり機会を与えてあげたいから
- 単純に仲が良いから
先ほどのキャラや興味はまだ生きつつ、段々とその人の音楽的なパーソナリティが認知されてきます。
どんな音楽が好きで、その上でどんな音を出すどんなプレイヤーなのか。
得意なジャンルはなになのか、普段やらないジャンルは何なのか。
また多くの時間を共にすることによって、仲も深まっていきますから、仲が良いという理由で組もうぜーという誘いも増えてくるでしょう。
ちなみにそれは悪いことでもなんでもないので、誤解なきよう。
学年が上がったといいつつまだ下級生なので上からは可愛がられ、下からは年齢が近くて接しやすいと理由で多く誘われます。
また大学生らしい時間の使い方も覚え、就活なども絡まない時期なので時間もあります。
この時期が最もライブに誘われることが多いでしょう。
3年生はいよいよ音楽性重視
さらに学年があがり中堅に突入すると、誘われる理由が変わります。
- 自分の理想とするステージにはこの人が必要だから
- 〇〇のジャンルをやるとき、この人はすごく素敵だから
- 逆にこの人に普段やらないジャンルをやってほしいから
- まだ一回も共に演奏したことがなく、興味があるから
- 単純に仲が良いから
仲が良いからは常に生きてきますが、興味による誘いはどうしても少なくなります。
反対に、3年も同じ場にい続けると音楽的なパーソナルが重視され、決まったジャンルに誘われることが多くなります。
同じギタリストやベーシストでも、ポップスならこの人。ロックならこの人。フュージョンならこの人。ファンクならこの人。メタルならこの人。
その人が音楽的に優れているジャンルのバンドに誘われることが多くなり、また一緒に演奏する人々もなんとなく決まっていきます。
4年生は大団円なので例外がある
最上級生となると例外が多く出てきます。
サークル引退も迫ってるし最後に1回演奏しようぜ!
先輩、1回ライブしましょう!
という興味の誘いから
やっぱこのジャンルはお前だなー、という音楽的な誘い。
卒業前に1回普段やらないことやろうぜ、という記念の誘いまで。
この学年は先述した区分けではベテランミュージシャン扱いですが、あまり実際のセッションミュージシャンと同様には扱えません。
なので、共通項を見つけるのは1~3年生までにしましょう。
軽音サークルとセッションミュージシャンの共通項
以上に軽音サークルにおいて人が誘われる理由と、継続年数によって誘われる理由は変動していくと説明していきましたが、これってまんまセッションミュージシャンの世界にもあてはまると思います。
話題の、噂の新人ミュージシャンが出現したら、興味やそのキャラの良さからライブを共にすることがあったり。
また、顔を広められるような機会を与えてもらったり。
それから少し経ち、音楽的なパーソナルが固まれば特定のジャンルの界隈で活動する機会が多くなりつつ、まだまだ繋がっていない人も多く、興味から誘いをいただくこともあり。
ちなみに僕は2019年3月現在26歳なので、新人~若手(1~2年生)あたりにあてはまると思います。
中堅までいくと活動するジャンルや場所、人はほぼほぼ固まっていきます。
もちろん稀に普段やらないジャンルの演奏をすることもあるでしょうが、基本的には音楽的なパーソナルが完全に認知され、それに類する活動を行っているようです。
ベテランミュージシャン=4年生については例外を多く含んでいますので、実際のところは音楽的なパーソナルによる活動をされている、という認識で良いと思います。
サークル時代、自分の誘いに変動がなければ気づけなかった
さて、こうして色々な説を唱えてきましたが、何故こうした説を書き出せるのか。
それは僕がサークルにいた時代、徐々に誘いの数に変動が生まれたことに由来しています。
というのも、僕は1年生の頃から打ち上げやライブでガチャガチャ騒いでいたので、サークルに入ってすぐ先輩方に認知されるタイプでした。
よって色々なバンドに誘ってもらって、ポップスからメタル、フュージョンまで様々な演奏でステージに立っていました。
それから月日も立って、3,4年生になった時。
来月もライブやりますよーということで各々メンバー探しが始まったとき。
ふと気づきました。
あれ、今回なんか誘い少なくね???
僕はサークルにべっとりの人間で運営にも関わっていたので、企画される全てのライブに出ていましたが、一度のライブでバンドに誘われる回数に変動が出始めました。
多い回もあれば少ない回もある。
不安定な状態。
先輩たちの引退がすべての原因とはいえない、何か別の理由が存在している、けどそれが何か分からないというモヤモヤした現象……。
そんな状態が最後まで続き、無事4年で大学卒業、サークルも引退。
それから音楽活動を始めて色々ありましたがそれはまた別の話。
その違和感に、ある日ふと気がつきました。
「あ、俺器用貧乏だったんだな」と。
先述の通り僕はポップスからメタルまで、異なるジャンルの演奏を同時に行っており、そうすることが好きでした。
故に、僕には「〇〇のジャンルの人」というイメージが無かったのです。
ポップスならこの人、ロックならこの人、メタルならこの人という、誘う人間の第一選考に漏れ続ける、故に不安定。
これがセッションミュージシャンならば、機会だけではなく心身共に不安定になってしまいますね笑
反対に
「俺はポップスくらいしかやらないよ~」
とか
「古いロックといえばこの人だよな」
という、ジャンルのイメージがついている人。
そういう人は常に需要・機会が安定していたように感じます。
これはセッションミュージシャンにも、もしくは料理店にも、アパレルブランドにも、コンビニにも言えるんじゃないかと。
その店でしか得られないものを提供している店は”強い”んですよね。
高い安いに関わらず。
特別な料理を振舞う、特別な服を扱う、特別な商品を置いている。
それが、なんと大学の軽音サークルという世界にも適用されていたようです。
まとめ
改めて、大学の軽音サークルが規模の小さなセッションミュージシャンの世界と論じた理由。
- 人との繋がりによって演奏の機会が生まれるという仕組み
- 演奏に誘い・誘われる理由
- 年齢に伴う依頼理由の変動も似ている
- 安定・不安定の概念
こうした共通項が存在しているためです。
さらに、あえてこの記事では省きましたが、どちらの世界にもその人の性格や技術の問題も生じます。
またミュージシャンの世界になると、例えばそのミュージシャンの人気、それに伴う集客、報酬の関係、スケジュールの関係、企業との絡みetc......
また案件も人前の演奏だけではなく講師業やレコーディング、地方営業、制作業その他多岐に渡ります。
故に、軽音サークルを「規模の小さな」と表現しました。
もしミュージシャン志望で大学軽音サークルに入ろうか迷っている。
もしくは、現在在籍しているけど、これでいいのか、と思っている方。
そんな方がいたら、この視点を少し参考にして周りを見渡してみてください。
得られる情報はたくさんあると思います。
と、みんなで楽しむべくサークル活動にこのような概念を持ち出すことに多少の心苦しさを感じながらこの記事を締めます笑
とりあえずみなさん。
サークル活動の楽しみ方は人それぞれ。
好きに!
自由に!
楽しんでください!
ベーシストが「頼もしい〜っ!」と思うフロントの共通点
集中短期連載「#頼もしくて恋するシリーズ」第5弾。
今回は「頼もしいフロントの共通点」です。
ここで演奏やセッションに日頃触れていない方には少し分かりにくい言葉が出てきましたね。
「フロント」って何?
え? 玄関のこと?
スポーツチームの会長さん?
なんて考えちゃいますね。
フロントとは「前面・正面」を意味します。
そして演奏におけるフロントとは
観客席側から見て前面で演奏するプレイヤー
のことを意味します。
例えば
- トランペット
- サックス
- トロンボーン
- バイオリン
- フルート
等の、そのバンド内で主にメロディを担当するパートがフロントと呼ばれます。
そのため、当然の如くボーカルだったり、ギタリストがメインでメロディを取るバンドであれば、その奏者がフロントと呼ばれます。
また裏を返せば、上記のパートの担当でも他に主役がおり、完全にサイドの演奏に回る場合はフロントと呼ばれない、ということでもありますね。
では改めて、バンドの先頭でメロディを取ったりソロを演奏することの多いフロントに頼もしさを感じる点はどこなのか。
ベーシストが「頼もしい〜っ!」と思うフロントの共通点🎤🎺🎷🎻🎸
— 青木務@エレキベーシスト (@tsutomushi_) February 5, 2019
①テーマをさらうのではなく歌ってくれる
②MCもエンタメ
③人のソロ時の振る舞いこそ気を抜かない
④"自分"をさらけ出してくれる
⑤ソロは絶対に半端にやらず絶頂までイキきる
特に④⑤で恋します🌸#頼もしくて恋するシリーズ
こういった点のどこにどう頼もしく感じるのか。
詳しく解説していきましょう!
①テーマをさらうのではなく歌ってくれる
これがどういうことなのか……に入る前に!
「テーマ」とは何ぞや?
と思う方も多いでしょう。
御大wikipedia氏から引用すると
音楽における主題(しゅだい、またはテーマ)とは、己を作る上での中心となる旋律、リズム上特徴のある段落(短い一区切りの旋律)をいう。動機の発展によってできた段落が小楽節であるが、多くの場合それだけで主題を構成する。主題の内容は、動機の変奏、動機の対比、動機の延長などによってできたものである。
面倒くさい。
こんな面倒くさい説明、僕は求めていないのです……。
雑に言って、「テーマ=曲の核となるメロディのこと」とふんわり覚えてくれればよしです。
さて、改めて「テーマをさらうのでは歌ってくれる」とはどういうことでしょうか?
あえて広く雑に言いますと、音にはその高さ(=周波数,Hz)に応じて「ド」とか「ソ#」とか「シ♭」など、音に名前がついていますね。
そしてメロディはそれら音の連続した組み合わせによって構成されるものです。
「ド~ド~ドッシ♭~ラ♭~~」のような。
ちなみにこれを歌うと宇多田ヒカルのAutomaticになります。
そしてこれを楽器で弾く際。
単に「ド、ド、ド、シ♭、ラ♭」と、音の高さと音符の長さ(=音価)を合わせる、「その音符の弾くだけ(=なぞる)」なのか。
それとも「It's(ド) Au(ド)to(ド)ma(シ♭)tic(ラ♭)♪」と「歌うようにメロディを奏でてくれる」のか。
頼もしく心地いいのは後者です。
平たく一言で言うと「歌心」という言葉になり、それを全て説明・解明するにはとても多くの言葉と年月が必要になるので今はやめときます笑
ともかく欲しいのは「メロディを弾くだけではなく、その楽器で『奏でる』ぞ」という「意識」。
その意識がある演奏は聴いている側も、後ろで演奏している側にもとても心地よく感じます。
ひいては、「頼もしい」という感情に繋がっていくんですね。
②MCもエンタメ
これは自分自身に対する戒めでもありつつ……。
というのも、MCって難しくないですか!?
正解があるわけでもないし、その場の状況によって受け入れられる言葉は変わりますしね。
変な話、下ネタがウケる場・ウケない場もあり
真面目な、感動する言葉がウケる場・ウケない場
ボケがウケる場・ウケない場
もあります。
MCをバンドのフロント、もしくはリーダーが行うのが通例ではありますが、無論サイドのメンバーにMCを振られることがあります。
僕などはそこで何を言おうか迷い、結果わけわからんことをだべってしまう、なんてことがよくあります笑
反省反省……。
が! そんなサイドの僕よりも圧倒的に多くの言葉を喋る必要があるのが、そう、フロントですね。
そこで、場にそぐう言葉で場を繋ぐ、ひいてはお客さんの心も掴めるMCができる。
言うなれば「MCによってその場を演出することができるフロント」。
お客さんの意識もステージに集中され、曲の世界に入りやすくなるようなMCをしてくれる。
こんなに頼もしいことは、実は無かったりします。
③人のソロ時の振る舞いこそ気を抜かない
これ実はすごく大切です。
というのも、これは実際にあった出来事なのですが。
ある歌アリのライブで、後日に来場いただいた方から言われた言葉。
「良かったんだけど、ボーカルの〇〇が別のソロの時すごいつまんなそうに、ぽけーっとしているのがずっと気になったなー」
うわー! 怖ー!
恐怖心を抱いた方は僕だけではないと思います……。
背筋が凍るような言葉ですよね。
これは細かい部分ですが、とても大切なことです。
僕はメインの歌がある曲・ライブは全て歌のためにあるべきだと考えています。
その考えで言うと、楽器のバッキングはもちろん、楽器のソロも楽曲のため、ひいては歌のために存在しています。
「ソロの部分だけかっこいいー!」ではなく、「ソロかっこいいから曲そのものがかっこいいー!」である必要があると。
しかし!
そこでボーカルが自らの振る舞いによって、「楽器のソロよりも振る舞いが気になるな……」と思わせてしまうと、結局はその楽曲が引き立たない。
そうなるとボーカルそのものが引き立たず、むしろマイナスの目で見られてしまう、ということになりかねませんよね。
ボーカルを例に出させてもらいましたが、もちろんボーカルだけに限りません。
他のフロントを張る楽器にも言えることですよね。
そしてベーシストがフロントやリーダーなら、やはり同様のことが言えます。
頼もしいフロントのプレイヤーは、他のパートのソロの時(=自分が弾かない時)もしっかりと場を演出する振る舞いをしています。
自分の振る舞いすべてがステージに影響を与えることを知っているんだと思います。
それを頭に置いておくと、自分がいざフロントに立つ際の意識も変わりますし、憧れのプレイヤーの振る舞い・ステージの演出の巧みさにも気がつけます。
フロントを張る際はこのことを心がけておくと、とても頼もしいフロントになれます。
④"自分"をさらけ出してくれる
②や③の話と少し相反する部分があるように感じてしまうかもしれません。
しかし実は相反しない、ということを先に断っておきましょう。
お客さんがフロントに求めるのは「パーソナリティ」だと思います。
その人の性格、キャラであったり、それをフィルターとして紡がれる音であったり。
それらは決して前向きだったり、明るくなくてはならないわけではありません。
物静かなら物静かでいいですし、スピリチュアルならそれでもいいですね。
豪快であればあるほどパワフルさを感じますし、奇人変人ならそれもよいでしょう。
そこで、振る舞いや演奏を「自分の性格やキャラと違うけど無理にその場に合わせる」ようなことをしてしまうと、不自然さを感じてしまいます。
主観も混ざっているベーシストですらそうならば、客観性オンリーで見ているお客さんはなおさらですよね。
やっぱりフロントには「振る舞いも演奏も、自分の色を100%出し切ってほしい」と願っています。
どんな場でも自分の性格を変えず、自分の演奏をしてほしい。
自分をさらけ出した演奏はとてもナチュラルで、フロントがバンド全体を引っ張ってくれる感覚があるのです。
「②では場にそぐうMCがいいって言ったじゃねーか!」
「③ではステージや楽曲のために振舞えって言ったじゃねーか!」
この章の冒頭で触れたように、相反する部分があるように感じてしまうでしょう。
これは実は相反していないのです。
自分のキャラや性格の中で、場に相応しい言葉を選択する。
ステージや楽曲のために、自分を客観視し、最も映える振る舞いを選択する。
相反するどころか、むしろ同様といってもいい内容ですよね。
やはりフロントにはそのパーソナリティ、個性を発揮してほしい。
そうすることによって、そのステージ、ライブがより良いものになっていくからです。
これが「頼もしさ」の要因の一つですね。
⑤ソロは絶対に半端にやらず絶頂までイキきる
最後はやはりこれ。
「頼もしいと思うセッション中の出来事」にもありましたね。
パーソナリティを発揮し、文字通りそのバンドの「顔」となるフロント。
やはり、自分の見せ場で最も輝いてほしい、と思いながらベーシストは弾いています。
「絶対に点を取る気概のあるフォワード」
「絶対にホームランを打つつもりの4番打者」
チームの顔が攻めに攻めたプレイをしてくれると、やっぱり頼もしいです。
頼れる点としてテーマを歌う、MCもエンタメ、振る舞いに気遣いがある、自分をさらけ出す、とあげました。
しかし、最終的にはやはり自分の見せ場で最も攻め、最も輝いてくれる瞬間。
これが最も頼もしく感じます。
最後に
ベーシストの目線からみると
- 自分らしく
- かつステージへの気遣いがあり
- そして自分の見せ場で最も輝く
こうしたフロントに頼もしさを感じます。
こういったことは実は少しの意識だけで実現できると思います。
もちろん経験がある方はより巧みになっていきますが、やはり大事なのは意識です。
この記事を見て、今度のライブではこれを意識してみようかな、という点があった方。
是非1つずつ意識し、実践してみてください!
頼れるフロントへの道を歩んでみましょう!
ベーシストが「頼もしい~っ!」と思うセッション中の出来事
集中短期連載「#頼もしくて恋するシリーズ」。
第4弾となる今回は「頼もしいと思うセッション中の出来事」です。
ジャムセッションでもセッションライブも、あくまでセッションなので基本的には何をやっても自由です。
ひたすらに気持ちいいサウンドを追及したり。
もしくはアイデアを音を介して入れ込んで、局面が変わるさまを楽しんだり。
セッションは色々な楽しみ方や楽しませ方、魅せ方があります。
その中でも、やはり「頼もしい」と思う出来事は存在します。
それがこちら!
ベーシストが「頼もしい〜っ!」と思うセッション中の出来事💡
— 青木務@エレキベーシスト (@tsutomushi_) January 27, 2019
①常に周りを見てくれる。
②バッキングを崩すのは機が来てから。
③キュー(合図)がめちゃくちゃ分かりやすい。
④「何をどのように」やりたいかが伝わる。
⑤ソロは絶頂までイキきる。
特に④⑤で恋します🌸#頼もしくて恋するシリーズ
このような点に気を配ってくれる方には思わず「しゅき」と伝えたくなります。
ではこれらがどんな事柄なのか、具体的に解説していきます!
あ、ちなみに!
やはりセッションは自由に、気軽に、羽を広げて楽しんで行うものだと思っています。
なので仮にセッションに参加する際に、これらの事柄をむちゃくちゃ気にしすぎてしまうと……?
本末転倒! セッションに参加する楽しさが薄れてしまう可能性もあります。
なので、まずは考えすぎないよう、気軽な気持ちでご覧いただければ幸いです!
①常に周りを見てくれる
周りを見る、といっても四六時中きょろきょろしているわけではありません笑
ここでいう「周りを見る」=「客観的に現在の状況を判断してプレイを選択してくれる」です。
「頼もしいドラマー」回にも共通した内容がありましたね。
これらはやはり全パート共通して言える事柄ですね。
どんな編成なのか。
今が盛り上げ時なのか、じっくりテンションを保ちたい時なのか。
周りの人がどんな演奏をしているのか。
例えばですが
- ギター、ベース、ドラムの3人で演奏する際
- Vo,Cho,Tp,Sax,Tb,Gt,Pf,Key,Ba,Dr,Percの11人の大所帯で演奏する際
- ベース×3、ドラムの4人で演奏する際
これらではそれぞれの役割は全く異なります。
さらに特に取り決めも無しに音を出すセッションの場合だと、誰がどんなことをしてくるか、実際に音を出してみないと分からない。
そこで、それぞれがどんな演奏をしているのか。
その場合、自分がどのような演奏をすればハマるか、良いアンサンブルになるのか。
その結果他の人が活きてくるか(ベーシスト目線が大きいかも)。
「それらを考えてくれている」と感じられる人は非常に頼もしいです!
もちろんセッションに参加して間もないころは難しい事柄。
なので、その場にいる参加経験が少しでも長い人が、積極的に考えてリードしてあげるとよいアンサンブル、よいセッションになりますね!
ちなみにジャムセッションの場合。
音を出したその場で
「お前ちょっとその演奏やめろ。別のことやれ」
こういうことを言ってくる人はいないのでご安心ください笑
まずはセッションには楽しんで参加して、余裕が出てきたらこの点を考えてみるのがよいですね!
②バッキングを崩すのは機が来てから
これもセッションのコツの1つですね。
ジャムセッションはたまたまその場に集まった人たちがいきなり曲を演奏するものですね。
例えて言えば、初対面の人5人が、観客もいる状態でステージに上がり、面白いフリートークを展開させようというもの。
それがめちゃめちゃ笑える面白いものになる可能性もあれば、むちゃくちゃに滑る場合も考えられますね笑
さて、例えばトークのお題が「天気の話」になんとなく決まったとしましょう。
始まりも展開も終わりも、何も取り決めされていないたまたま組み合わさった5人のフリートーク。
まずは場の様子や、組んだ人がどのような話し方、どのようなトークをするのかを探っていきたいというのが心情ですね。
しかし!
そこで5人の内1人が
「天気と言えば! あのー、えー、天気と言えばそう、温暖化現象! んでウチもクーラーついてなくてね~あー給料上がんないかな!」
と、場の雰囲気が定まっていない状態で場のテーマを特に意思もないまま崩しにかかってきたらどうでしょう?
やっぱり固まっていないものを崩してはまた固めることも難しいし、観ている側も困惑してしまうと思うんですよね。
その結果
「この合いの手は話しづらいな……」
「何かあの人のツッコミ、うるさいしメインで喋ってる人やりにくそうだなあ……」
なんて思われたらさあ大変。
書いてて背筋が少し寒くなってきました笑
セッションもそれと同じ。
最初は場のグルーヴが定まるまで、ひとまずアンサンブルを作ることに集中してあげると非常に頼もしいです。
すると崩しても元に戻る指標ができますし、そこから巣立ってまったく別の場所に着地することもできますね。
セッションに参加し始めた内はついつい
「なにか動きつけなくちゃ面白くないのかな!?」
「派手なフレーズ必要だよな!?」
と思ってしまいがちです。僕もそうでした。
でもむしろ逆!
自分ができることをしっかりとやるのが実は一番良かったりします。
そしてグルーヴが固まってきたなと思ったら、さらなる面白さを求めて崩してあげる勇気も大切。
それが上手くいってもいかなくてもいいんです。
もちろん気持ちいいグルーヴを最後まで突き詰め続けるのも大切ですね。
どちらを選ぶのも自由なのです!
最後に誤解のないように言っておくと、崩し方も戻り方も慣れてる人同士が行う初っ端からの崩しは非常にスリリングで面白い。
ただそこは経験のなせる業ですね。
やはり基本的にはしっかりと場のグルーヴを創りあげることに集中してあげると頼もしいです!
③キュー(合図)がめちゃくちゃ分かりやすい
ジャムセッションでもセッションライブでも、大事なのはキュー。
これは次の展開に進むことを示す合図のことです。
これについてはいくつか決まった種類があります。
- 指をくるくる回し、「同じとこ繰り返すよ!」というキュー
- 頭を指差し、「曲の最初、もしくはテーマに戻るよ!」というキュー
- 親指を首を横に切り、「ここでブレイク、もしくは曲終了!」というキュー
- 人差し指を鉤状にし、「曲のブリッジいくで!」というキュー
- ソリストが首を上げて周りを見る、腕を派手に上げてソロ終了を伝えるキュー
代表的なものでこれらがあります。
そして頼もしい人はこのキューが非常に分かりやすい!
モーションも大きく、場にいる全員に向けて出してくれます。
人によっては
「アタマ~~!」
「テーマ―――!」
「終わるよ~~~~!」
「ワーン、トゥー、スリー、フォーッ!」
と叫んで伝えてくれたりも。
最初はモーションをつけることに少しの恥ずかしさもあるかもしれません。
そこで勇気を出して場に指示を与えることができると、全員が次の展開に淀みなく進むことができ、セッションはとても良いものになっていきます。
そして!
これはどのパートにとってもありがたい項目ですが。
何故「ベーシスト目線」でこれを選んだか。
それは、ベースの音はアンサンブルの中で最も強くコード感や展開を決めることができる音だからです。
ベースのルート音が一音違っただけで、コードの雰囲気、ひいては曲の世界観はガラリと変わります。
そこがベースの面白いところでもありますね。
故に!
キューがベーシストに上手く伝わらないと、もしくはベーシスト以外に上手く伝わらないと。
曲の展開がぐしゃっとしてしまい、全員路頭に迷ってしまいます。
「え!? 今どこ!? ベースの音は次の展開いってるけど!? あれ!? 今何の時間!? 誰が何やんの!?」
下手したらそこで演奏が止まる危険性、事故る可能性もあったり……。
だからこそキューがめちゃくちゃ分かりやすい人=頼もしいのです。
仮に僕がサックスでソロを吹いていて、バンドで誰か1人だけにしかキューを出せないとなったら、迷わずベーシストにキューを送ります!
逆説的にベーシスト目線からすると、しっかり合図が欲しかったりするわけですね。
④「何をどのように」やりたいかが伝わる
難しい話! のようで、そうでもありません!
①②の話に近いものがありますね。
というのも、やはりセッションは何が起こるかわからないもの。
- 曲中で突然16ビートから4ビートに変える、シャッフルにしちゃう、ネオソウル風なまったビートをかましてくる。
- また不可思議なボイシングで場に浮遊感を与えてくる、むしろワンコードにしちゃう。
- 音数の多いリズムから少ないものへ、またはその逆にしてグルーヴを変えるetc.....
様々なやり方や手法があります。
そこで大事なのは、それらアイデアを一瞬だけ放り込んではい終わり、にしないこと。
バッキングを2小節だけ遊んで元に戻って、その直後また別のアイデア、別のアイデア、別のアイデア、別のアイデア……。
ある意味面白いですが笑 やはりソロを取っている人は困惑してしまうし、同じくバッキングを共にしている人も「何がしたいんだろう?」と思ってしまい、どう合わせたらよいかも分からなくなってしまいます。
ガッツリビートを変えるならそれが定着する、みんな察して乗っかってくれるまでやり切る。
そこからまた変化させるとするなら、タイミングを見計らってからが良いでしょう。
アイデアを放り込んでセッションを面白いものにすることはめちゃくちゃ大事だし、めちゃくちゃ面白い。
そこで大事なのが「何をどのようにやりたいかをはっきりと伝える意思表示」です。
セッションを面白くするために刺激をくれる人はとても頼もしい。
セッション参加したての方も、是非アイデアで場面を変えることに。
そして「こうしようよ!」と音で意思表示することにチャレンジしてみてください!
すると音楽の新たな扉が開けるでしょう。
⑤ソロは絶頂までイキきる
最後はこれ! 結局は感情ありきの項目です笑
特にベーシスト目線だからこそ、というのもあるかもしれませんね。
やっぱりセッションにおいて自由に、時間を好きに与えられているソロパートは醍醐味ですし、魅力です。
そのソロも、「うん、まあこんなもんでしょ」とさささっと終わってしまうのは、非常にもったいなかったり。
「順番が来たからとりあえずやるソロ」は逆に消化不良を起こしちゃう可能性もありますね。
「長くなってもいい! 一定の盛り上がりとオチがつくまでぶっ放すぜ!」
というソロはやはり非常に頼もしい。
ベースがゴールキーパー、ディフェンダーならソリストはフォワード。
「ボールが回ってきたら絶対点取る! 取れなくても絶対PKかコーナー取ってやるよ!」
という気概でぶっ放してくれるフォワードはやっぱり頼もしく感じます。
ちなみに僕は中学時代サッカー部でゴールキーパー担当でした笑
最後に
ここまで書いた上で、改めてセッションは楽しくて自由なものであるべき。
難しいことを考えずナチュラルに、流れに身を任せて行うのが一番だと思います。
ここに書いていることを全部実践しようと思っちゃうとなかなか大変ですよね笑
それに気を付けすぎても、何でセッションに参加しているかも分からなくなったり。
冒頭にも書いたように本末転倒ですよね。
これからセッションに参加し始めよう! と興味を持っている方も、どうぞ難しく考えすぎずに、気軽に参加しちゃってください!
ここに書いた難しいことは全部経験のある人がやってくれます笑
最初は考えすぎず、余裕がでてきたら少しずつ手を伸ばしてやってみるのがよいですね!
ベーシストが「頼もしい~っ!」と思う鍵盤奏者の共通点
集中短期連載「#頼もしくて恋するシリーズ」 の第3弾です。
ドラマー、ギタリストときて、今回は鍵盤奏者!
ピアニスト、キーボーディストですね。
が! 実は具体的に解説していく以前なんですが。
鍵盤って、ハッキリ言ってその場にいるだけでむちゃくちゃ心強いんです!
ピアノやエレピ、クラビ、パッドからストリングスetc......
例え音色1つだけだとしても、いるだけで曲の世界観をひたすら広げに広げてくれる。
いるだけで心強い存在、それが鍵盤奏者です。
と言っても、やはり具体的には書いていきますが笑
では、どんな点で特に頼もしさを感じるかといいますと
ベーシストが「頼もしい〜っ!」と思うピアニストの共通点🎹
— 青木務@エレキベーシスト (@tsutomushi_) February 2, 2019
①リズム楽器ばりのバッキングをしてくれる。
②素敵オブリも入れてくれる。
③左手の低音を配慮してくれる。
④無限のボイシングで華を添えてくれる。
⑤ベースソロの際はppからffまで。
特に④⑤で恋します🌸#頼もしくて恋するシリーズ
ベーシスト目線でこのような点に頼もしさを感じます。
では、これらがどのようなことなのか1つ1つ書いていきましょう!
①リズム楽器ばりのバッキングをしてくれる
ベーシスト目線で一発目にくるのは、やはりバッキングのことになりましたね。
ピアノでもキーボードでも、あくまで鍵盤はウワモノ。
ですが、とても頼れる鍵盤奏者はもうベーシスト、ドラマー顔負けのバッキングをしてくれます。
具体的に気持ちよいポイント。
それは音価です。
音価とは、単純に言えば音の長さですね。
ものすごく頼れる鍵盤奏者は、この音価の感覚が鋭いように感じられます。
4分、8分、16分音符。
どんなテンポ、どんな曲調でも絶妙な音の伸ばし具合、切り具合を実現してくれる。
それがハマるほどに他のパートもきれいに活きてくる。
鍵盤奏者のバッキングの気持ちよさの秘訣はここかなと思います。
ベースでも同様ですが、それについては技術も必要ですが、やはり意識一つですね。
あくまで「『決まった演奏をする』のではなく『バッキングをする』」という意識。
この意識がバッキングの気持ちよさに直結しているのかなと感じます。
②素敵オブリも入れてくれる
上にも書いたように鍵盤はウワモノ。
もちろん常にコード弾きに徹しているわけではないですよね。
曲によっては、「この隙間に何か一つフレーズ差し込むと気持ちいいな~」という場所があります。
そこで我々ベーシストは無力。あまりにも無力。
自分が行ってしまっては、ボトムを支えるものがなくなり、アンサンブルが寂しくなってしまう……。
そんな葛藤に悩まされたりします。
そう、「隙間に差し込むフレーズ」には役割があるのです。
ベースでは残念ながらその役割を全うすることができない場面も多々あります。
例えばギターがいても、「ここはギターではない」という場面もありますね。
そんな瞬間に、鍵盤奏者がそのバランスを察してタララララっとフレーズを入れてくれることで全てが良い方向に向かいます。
頼れる鍵盤奏者はめちゃくちゃバランス感覚が良いと思います。
ここは行く場面、ここは控える場面。
ここは自分ではなくてはならない場面。
そういったバランス感覚や嗅覚で音を出してくれる。
そこにベーシストはやはり頼もしさを感じるのです
③左手の低音を配慮してくれる。
ベーシスト目線でとても繊細になってしまうのがこれですね。
鍵盤奏者の左手で出される低音!
ここがベーシストが担う音域とガッツリ被ってしまうので、とても敏感です。
ピアノは西暦1700年頃に生まれ、対するフレット付エレキベースが生まれたのは1951年。
新参者のベースが、ピアノ先輩の音域にお邪魔させてもらっている感じではありますが笑
音楽の種類とそれにおける役割の話ですね。
話を戻して、例えばポップスでもロックでも、ソウル、ファンク、R&B、ジャズ、レゲエetc......
様々なジャンルがありますが、ベースと鍵盤が共存する場合、基本的には低音を担うのはベースですね。
そこであえて悪く言えば、鍵盤が1人で伴奏するときのように低音もガンガン出して、リズムを付けて弾きまくっては、お互いの良いところを消しあってしまいます。
せっかくカッコいい左手も、ベースの弾いている音域と被りまくって、音が濁りあったり。
しかしベースも低音をキープしたいし、上の音域に避難するわけにもいかず。
結果、何やら低音がこちゃこちゃして聞こえにくいアンサンブルになってしまいます。
頼もしい鍵盤奏者はこの「配慮」をしてくれます。
「あ、この音域で動いたら被るよね。ちょっとどけるわー」
と、ちょうど被らない音域でプレイしてくれるので、ベースもすっきり聴こえ演奏しやすくなります。
この「配慮」にこそ頼もしさを感じます。
もちろん、低音域に突入してはいけない、ということでは決してありません。
例えばソロ中にあえて低音域で弾きまくって刺激を与えてくるですとか。
ベースのリフと同音域でユニゾンして、そのフレーズをより強固にするとか。
そうした「手法」もキッチリと必要な瞬間に出してくれます。
この項目は他のパートの方がこのシリーズをやったらもしかすると出てこない項目かもしれない。
まさにベーシスト目線から見て頼もしさを感じる項目ですね。
④無限のボイシングで華を添えてくれる。
反対にこれは全パート、そして見ている方も頼もしさを感じるのではないでしょうか。
鍵盤奏者のボイシングです。
鍵盤奏者は両手両指を使い最大で10個の音を同時に鳴らすことができますね。
顎や肘も使えるぜ! という話を1回置いておきます笑
そして音域は88鍵の場合は約7オクターブ。
4弦のエレキベースの場合大体3~4オクターブ、かつ音数は同時に4つまで。
比較にならないレベルでボイシングの幅は広いですね。
そんな鍵盤の無限ともいえるボイシング。
めちゃくちゃ便利だと思ったでしょう?
ところが、恐らくそのボイシングの選択ってすごく難しいと思います。
「ちゃんと指定されたAm7を鳴らしてるのに、なんか違うな」
「9thとか#11thとか、テンションってどこに組み込む? 全部入れたら何か濁る!」
「出してる音自体は間違ってないけど、ものすごく違和感」
コード楽器にはあるあるなんじゃないかと思います。
そう、その状況や曲調、流れにあったボイシングが存在し、反対に合わないボイシングも存在します。
どういった種類の音色なのか、音域の広狭、どの帯域で弾くか、コードを弾くでもどの音を入れるか、削るか、トップノートはどうするか……。
その他様々な注意を払う点があります。
頼もしい鍵盤奏者は、どんなジャンルでもどんな曲調、さらにどんな編成でもボイシングを掴むのが巧いと感じます。
相応しいボイシングで曲を彩り、歌いやすさ、演奏しやすさを助長してくれたり。
さらに誰もが想像だにしないボイシングをさらっと入れてきたり。
場のテンション感に合わせてくれたり。
感覚なのか経験なのか、このボイシングに間違いがないですね。
ある意味3.の低音の話にも通ずる話です。
そんな無限のボイシングで曲を彩ってくれる鍵盤奏者には思わず恋心を抱いてしまいます。
⑤ベースソロの際はppからffまで。
さて、最後はダイナミクスの話。
これもあらゆる点で大事ですが、ツイートの時点ではあえてベースソロと書きました。
というのも、これはベーシスト目線ですが、ベースのソロってやはり特殊です。
なんせこれまでアンサンブルをベースを中心に作っていたのに、その中心がソロで弾き始めるわけです。
ということは、局面がガラリと変わるといっても過言ではないでしょう。
そこで鍵盤だけには限りませんが、それまでと全く同じテンション、同じフレーズでバッキングを続けてしまうと……?
どうにも不思議で不自然な、何がメインなのかわからない時間になってしまいます。
そこでテンションをすっと下げ、音の隙間を作る、ダイナミクスを落としてくれると、とても頼もしい!
落し具合は状況によって異なりますが、pp(ピアニッシモ)くらいまで落してガッツリベースをフューチャーしてくれると、とっても弾きやすく、また場面が変わった感も出ます。
観ている側、演奏する側どちらにおいてもとても有難いことなのです!
これは他のすべてのパートがソロを取る時、他のすべてのバッキングに回るパートにも言えること。
もちろんこれを書いているベースにもです。
客観的に見てどんな場面か、どのように演奏すれば聴こえやすいか、演奏しやすいか。
それを常々に考えていくと、自然とダイナミクスは決められていきます。
最後に
今回は鍵盤奏者に着目してお届けしました。
冒頭にも書いたように、鍵盤奏者はいるだけで既に頼もしいです。
そしてどこが頼もしいのか一言で、と聞かれると。
バランス感覚
これに尽きると思います!
素敵なキーボーディストの皆さんに備わっているその嗅覚。
むちゃくちゃ大事にしてほしい。
そして、少し分け与えてほしいくらいです笑
これからも虹色の演奏で楽曲を彩ってくれること願って!
ベーシストが「頼もしい~っ!」と思うギタリストの共通点
「#頼もしくて恋するシリーズ」第二弾です。
今回スポットを浴びてもらうのはギタリスト。
ベーシストと同じく弦楽器属ですが、その役割は全く違うものですね。
故に、ベーシストはギタリストに対しても頼もしさや求めるモノを持っています。
ベーシストが「頼もしい〜っ!」と思うギタリストの共通点🎸
— 青木務@エレキベーシスト (@tsutomushi_) January 25, 2019
①適切な音量で弾いてくれる。
②バッキングに徹してくれる。
③「弾かない」選択肢を持ってくれる。
④ヴォイシングの広狭で楽曲を彩ってくれる。
⑤その上でソロが誰よりもカッコいい。
特に④⑤で恋します🌸#頼もしくて恋するシリーズ
これらギタリストに頼もしさを感じるものについて、具体的に解説していきます。
是非ギタリストも、それ以外のみなさんも参考にしてみてください!
適切な音量で弾いてくれる
初っ端から何か気が抜けたようなテーマ……。
でもこれって、簡単そうに見えてすんごく大事なことなんです。
適切な音量ってどういうことでしょう?
大きすぎもなく小さすぎもない音量。
と言えばそれがある種正解なような気もします。
それをもう少し掘り下げると、「それぞれのシチュエーションに合った、相応しい音量で弾いてくれる」ということになります。
例えば、バッキングの際は歌やリードを引き立たせてくれる、かと言って全く聞こえないわけでもない。もちろん大きすぎて目立ちすぎるわけでもない。
ソロになってあまりにも音量が大きすぎるとバランスが崩れてしまいますが、小さすぎてもソロたる所以がなくなってしまう、何がメインの時間なのか分からなくなってしまう。
そうした絶妙な音量バランスを肌感覚で知っていて、それを自在に操ってくれるギタリストは非常に頼もしいです。
またそれはどれだけアンサンブルを客観的に捉えているか、という部分が重要だと思います。
ギターは時としてアンサンブルの核だったり、彩りを任されたりと、幅広い役目を担います。
その際にどれだけの音量が相応しいのか。
歌モノであれば、ギターソロすらも楽曲や歌を引き立たせる要素と捉えているのか。
それらをすべて踏まえて自分で音量を決められて、考えてくれるギタリストは本当に頼もしいです。
バッキングに徹してくれる
ギタリストのコードストロークやカッティングはそのまんまその楽曲の色になり得ます。
その上で、単調だと曲に表情がつきづらい。
そこで求められるのがちょっとした彩りや変化。
いわゆるオカズですね。
オカズを入れることによって演奏に変化がつき、ギターも耳を引きますね。
ただ! オカズを入れるにしても、それらはあくまでバッキングである必要があります。
例えばこれまでコードストロークでジャンジャン弾いていたところ、特徴的な単音フレーズを放り込む。
カッティングの最中、そのリズムに一瞬変化をつける。
これらはめちゃくちゃカッコいいですし、是非欲しいところです。
重要なのは、それらが突如浮いて出たフレーズではなく、バッキングとして成立していることです。
先日の頼もしいと思うドラマーとも共通するポイントですね。
やはりどんなカッコいいフレーズも出そうとして出すものではなく、必要なタイミングに必要なフレーズを出す必要があります。
それらを意識して出すフレーズと、意識せずに出すフレーズでは大きな違いがあります。
そしてそれは自分自身への戒めとなることもあり笑
常にナチュラルに、流れを大切にした演奏をしたいですね。
「弾かない」選択肢を持ってくれる
これはセッション的な側面が強い項目ではありますね。
セッションは場合によって、その局面は様々に変化します。
あるセクションで局地的に盛り上がったり、何故かカオスになったり笑
そして例えばベースソロだったり、パーカッションのソロなど、リズムを前面に押し出したい、多くの楽器の音を必要としない場面。
流れに応じて音量を下げてダイナミクスの幅をつけたい場面。
そういった場面で「あえて弾かない」選択肢を持っているギタリストは本当に頼もしいです。
弾かないことによってその場面に「無音」という色を添えることができます。
さらに、「弾かない選択肢を持っているギタリストが弾く」ということは、「『弾くことによる効果を与えたい』という意思を持っている」と把握できます。
弾かない選択肢を持ってくれていると、弾かないことだけではなく弾くことにも意味を持たせられるのです。
一瞬弾かない勇気を持つ、その意味を知るだけで、ものすごく頼もしさを感じられるのですね。
ヴォイシングの広狭で楽曲を彩ってくれる
ギターは最小で1つ、最大で6つの音を同時に鳴らせる楽器、というのが前提ですね。
ギタリストは最初にギターを握ったとき、「これがCで、これがFで~」と、コードを押さえることを学ぶ方が多いですね。
そこから、同じCでも弾くポジションを変える、和音の数を減らす、音域の高低を操るetc......
様々なコードのアプローチを学んでいくと思います。
こうしていざ色々なボイシングでコードを弾けるようになったギタリストはとても頼もしい。
そして! 2,3音の狭いボイシングでバッキングができるギタリストの!
満を持してかき鳴らす6音のF!! 5音のC!!
基本中の基本であるボイシング!
この選択は非常に頼もしいのです。
広いボイシングはそのまんま楽曲のスケールを広げることができます。
その楽曲のスケール感を察して、テクニカルにハイフレットで2音のバッキングができるギタリストが鳴らす基本のCやF。
これらには強い意志を感じますし、楽曲のスケール感を広げてくれる効果も抜群です。
もちろん2,3音の和音にも広い・狭いボイシングは存在しますし、音域の高低もありますね。
それらも楽曲のスケール感を広げたり、逆に狭めたりと、表現は無数にあります。
それらを自在に使い分け、操れるギタリストは最高です。
ギターの「ジャーン!」は世界一カッコいい音ですからね笑
この選択を改めて行ってくれるギタリストには思わず恋心を抱きます。
その上でソロが誰よりもかっこいい
上4つはひたすらバッキングや楽曲の色どりについて書きましたが、結局コレ!
頼もしいギタリストは、ソロが誰よりも素敵でカッコいいです。
これは理屈など抜きにして、単純に感情ありきですね。
どこまでいってもギターは花形楽器。
その楽器が自分自身の言葉を大声で伝える瞬間。
その瞬間に光り輝くギタリストは魅力抜群ですし、やはり頼もしさは120%です。
ベーシストはそんなギタリストの横で弾くことに快感を覚える生き物です。
ギタリストが自分を出せば出すほど
「よーし好きにやってくれー! 俺は後ろで支えるぜー!」
と頑張っちゃうカワイイ生き物、それがベーシスト。
それ故、ギタリストがむちゃくちゃにカッコいいソロを弾き倒してる姿に頼もしさを感じます。
最後に
ベーシストも、ギタリストも、インストモノでもない限り、結局は楽曲の内バッキングが9割です。
むしろ曲によっては10割の時も当たり前にあり得ますね。
故にバッキングって超大切。
そこを重視してくれるギタリストは、ベーシストのみならず全幅の信頼を寄せられます。
その上で最後の項目、輝くときは誰よりも輝く。
支え役となる我らベーシストはその姿を羨望と憧憬と嫉妬(?)の目で眺めています。
これからもベーシストはそんなギタリストの姿を横目で見ながらほくそ笑んでいこうと思います。
みなさんも是非ギタリストのあらゆる姿からお目を逃さなきよう! 注目してみてください!
ベーシストが「頼もしい~っ!」と思うドラマーの共通点
僕がTwitterで稀に更新しているツイートに「#頼もしくて恋するシリーズ」というタグシリーズがあります。
「ベーシストの目線から見てこういうプレイヤーはすごく頼もしいぜ!」
と思う項目をパート別に箇条書きで端的に書き出しているシリーズです。
その第一回は「頼もしいと思うドラマーの共通点」。
ベーシストが「頼もしい〜っ!」と思うドラマーの共通点🥁
— 青木務@エレキベーシスト (@tsutomushi_) January 24, 2019
①周りの音をよく聴いてくれる。
②ダイナミクスを敏感に察してくれる。
③ベースの"キープ"を感じてくれる。
④アンサンブルをドラマティックに彩ってくれる。
⑤自分のスキルより周りとの会話を重視してくれる。
特に④⑤で恋します🌸
もちろん人によって意見が異なると思いますが、僕はこうしたドラマーに特に「頼もしさ」を感じています。
ただ悲しいことにツイッターの文字数制限は140文字。
その中でこれらすべてを具体的に説明することは残念ながら不可能……。
なので今回はこれらの項目が具体的にどういうことなのか解説をしていきます。
ベーシストもドラマーも、もちろんそれ以外のパートの方々も是非ご覧になって、考えてみてください!
周りの音をよく聞いてくれる
「アンサンブルは周りの音をよく聴くといいよ!」
という意見は、楽器を弾いている人ならば一度は聴いたことがあるのではないでしょうか。
これはまさにその通り!
周りの音を聴くことは非常に重要です!
ただ、周りの音を聴くってどういうこと?
何をすれば周りの音を聞いていることになるの?
という疑問を持たれることは当然でしょう。
そもそも周りの音を聴くとは何でしょうか?
アンサンブルに参加し始めた人は大体以下の手順で成長していくと思います。
- 自分の演奏をすることにせいいっぱいで、自分の音しか聞こえない。
- ちらほら周りの音が耳に入ってくる。
- 周りの人がどんな演奏をしているか分かる。
- 周りの音に合わせられるようになる。
大体みなさん心当たりのある内容ではないでしょうか。
ではこの「4.周りの音に合わせられるようになる」の状態になるのが最も良い状態なのか?
実はそうではありません! むしろこの状態が最も危険かもしれません。
この4.の状態のプレイヤーは、つい周りのプレイに合わせることができるあまり、それが快感になってしまうことが多々あります。
3連符が少し聞こえたらすぐさま3連符で対応。
一瞬アウトしたらすぐさま超絶テクで対応、などなど。
もちろんそれらを行える技術を習得するためには気が遠くなるような特訓と場数が必要になってきます。
が、それらを客観的に見たときにどうなのか?
それまでの流れや音楽そのものを壊してしまっていないか?
他の人の演奏しやすさを度外視してしまっていないか?
という話に繋がってきます。
実は4.の先が存在します。
それは「5.客観的に状況を判断した上で周りの音に合わせられる」です。
それはこれまでのアンサンブルの流れや状況、他のプレイヤーの出す、感じているリズム。
さらに大きく捉えて、その場の雰囲気やライブの進行等すべて含めてです。
こうしたことをすべて含めた表現が「周りの音を聴いてくれる」です。
これらを考えてくれるドラマーの頼もしさは、もはや不落の城。
全幅の信頼を寄せ寄り掛かれるベッドみたいなものです。
ダイナミクスを敏感に察してくれる
1つ目がこってりした内容の分、他4項目はそれらに追随する内容です。
中でもこれはあっさりした話。
そのまんま、アンサンブルの強弱、音量の大小を敏感に察して音量をコントロールしてくれることです。
「ここで落としてほしい!」
「ここからガツンとあげようぜ!」
というタイミングを、セクション、展開からのみではなく、文脈や周りのテンションに合わせてすっとコントロールしてくれる方はとてつもなく頼もしい!
同じ方向を見ている感覚は、アンサンブルをより豊かに、楽しいものに変化させてくれます。
そしてそれは「他のプレイヤーの演奏のしやすさ」→「見ている方の心地よさ」に繋がります。
ベースのキープを感じてくれる
これが1.2.の話からすると、「ある種の矛盾」を孕む内容です。
先に言ってしまうと、ベーシストはドラマーに「女の子のしてほしいことを、言葉ではなく雰囲気で察してくれる大人の男」になってほしいのです。
ベーシストは編成やその曲のリズムや雰囲気によって
「ここは俺が動くべきではない。ほぼ同じフレーズを弾き続けてキープに徹するぞ」
と判断することがあります。
この時、ドラマーからしたら
「あれ!? ベース全然動いてくれない!? じゃあ俺も控えておこうかな……」
1.2.の話を踏まえたらこう判断するのも妥当ですよね。
しかしベーシストも時にワガママなのです笑
実はずっと同フレーズをキープしている瞬間は
「今は俺がキープするからドラムでがしがし攻めたってくれ!」
と感じているのです。
ベースのどこからどこまでがキープなのか、どこが攻め時なのか。
どう感じているのか。
それらを「なるほどね」と察してガッチリ盛り上げてくれたり波長を合わせてくれるドラマーは非常に非常に頼もしかったりします。
まさに「女の子のしてほしいことを、言葉ではなく雰囲気で察してくれる大人の男」
ですね笑
「私の言いたいこと、わかる?」という恐ろしいセリフを内に秘めているのがベーシスト、なのかもしれません……。
アンサンブルをドラマティックに彩ってくれる
これは願い事と同時に「ドラムの役割」といっていいかもしれません。
ある曲を演奏するにあたって、感動をさらにプッシュできるパートは何なのか?
やはりベースが我先にと奮闘しまくったって限界があり……むしろナチュラルな感動からは遠ざかっていくかもしれません。
ギターや鍵盤で音を足しまくっても、また別ですね。
やはり人間の根源的な衝動や感動を自然と呼び起こしてくれるのは打楽器の力なのです。
音楽における構成要素の一つであるビート(Beat=鼓動、拍子)をバンドの中で特に操ることのできるドラム。
繊細なダイナミクスや細やかな音の強弱、展開を示唆するだけではなく、感情を直に刺激してくるフィルイン。
それらを全て楽曲のために操り、ナチュラルに楽曲のドラマ性を高めてくれる。
ベースは全音符、もしくはルートのみを刻み、ギターはコードストロークのみ、鍵盤は白玉でコードを弾いているのみ。
そんな状況でも楽曲にドラマを持たせてくれるようなドラマーは頼もしすぎて、もはや恋。
恋心を抱いてもおかしくはありません。
自分のスキルより周りとの会話を重視してくれる
今までの話を全てひっくるめ、最後にこれになります。
「自分のスキルより周りとの会話」ですね。
1.では客観的に全体を見渡し、自分のプレイを選択してくれる人が頼もしいと説明しました。
2.では、ダイナミクスを操り歩幅を全体で合わせることでアンサンブルが豊かになることを。
3.ではベースのキープ、ベーシストの気持ちや心情すらも察してくれることへの頼もしさ。
4.では音楽の彩りに不可欠なドラムの役割を説明しました。
これらの項目、実は全てドラマー自身の方向を向いていないのです。
全ては全体との調和、そしてそのアンサンブル、音楽自体をよくするためのものです。
そこに、個人のスキルのアピールは実は必要としていないのです。
これは決して「個人のスキルはなくても構わない」という意味ではありません。
上に示した内容を察して実現できること自体がスキルです。
そしてスキルによってアンサンブルをより豊かに、よりスケールの大きいものにできます。
ただし、「練習してきた必殺フレーズをここぞとばかりに放出するようなプレイ」。
これは、周りとの会話よりも自分のスキルを重視している状態でしょう。
ドラムだけに限らず、ベースも、他のパートも、必殺フレーズを出したいがために出すのではありません。
その必殺フレーズが必要な瞬間、求められる瞬間に繰り出すことが大切なのです。
様々な意味合いでも、大切なのは周りとの会話。
それを常に考えながらプレイできると、派手な32分音符や複雑な6連符のフレーズなどが無くても、必然的にアンサンブルは良いものに変化していくでしょう。
最後に
今回の内容は以前ツイートした「頼もしいドラマーの共通点」を掘り下げて解説しているものなので、決してドラマーを攻撃したり、批判しているものではありませんので誤解なきよう。
むしろドラマー以外のパートにおいても非常に重要な事柄です。
リズム隊という観点からよりドラマーに求めたくなる項目ではありますが、全てのプレイヤーに共通して言える項目です。
ドラマーもベーシストも、ギタリストもキーボーディストも、みなこれらを意識してみてください!
すると人から「頼もしい!」と思われる演奏ができることでしょう!
ジャムセッションに参加することのメリット
ジャムセッションという文化は、現状なかなか広まりにくい文化であると思います。
- 怖そう
- 敷居高そう
- 何すればいいかわからん
- それって楽しいの?
- つーか楽器弾かないし
- そもそもジャムセッションって何?
参加したことのない方にとっては、様々な理由や懸念があり足を運びにくく、偶然それが行われている場に居合わせることはないです。
その結果、あまり広がらない文化になっていますよね。
そんな様々な理由が考えられますが、僕は現実的な問題として
「参加することによるメリットや、何がどう有益なのかが想像し難い、不透明であること」
が問題であると思うんですよね。
人ってメリットがあるのかどうかわからないものには迂闊に手を出さないものです。
では逆に考えると、そのメリットが明らかになればもっと人が来やすくなり、文化も広がるのでは?
というわけで、今回はジャムセッションに興味を盛り、足を運んでくれるように、参加することのメリットを紹介していきます!
クラブに人が集まる理論
では不透明になっているジャムセッションのメリットを紹介する前に、すごく透明になっているもの。
クラブに行くことのメリットを説明します。
そのため、めちゃくちゃゲスな理論を展開させますね笑
人がクラブに行く理由って何でしょう?
- 踊りたい
- 大音量で好きな音楽を浴びながらお酒を飲みたい
- 好きなDJに会いに行きたい
等々。この他にも色々な理由があると思います。
しかし、クラブに行く人全員がそうじゃないですよね。
- 別に踊りとか興味ない
- テクノ、ハウス等クラブミュージックに興味ない
- 好きなDJとかいない
こういった方でも、例えば男子大学生4,5人とかでクラブに行くことってあると思います。
でも、こういった男子大学生がふらっとジャムセッションに遊びに来ることって無いですよね。
これって何故でしょう? 何故違いが生まれるのでしょう?
この時、男子大学生達にはクラブという場所に行くことのメリットがイメージされているんです。
即ち「女の子と仲良くなれんじゃね!?」というメリットです。
別にクラブという場所や文化に興味なくても、お酒飲みまくって、女の子がたくさんいて、んでちょっとムフフなこともあるかも、という確立されたイメージがあるが故生まれる思考ですね。
そしてそれを公言する必要はなく、「音とお酒と踊り」という隠れ蓑があります。
あくまでそれらを楽しみに行くんだぜというテイにできる、下心を隠せる。
だから「行きやすい」んですね。
もちろんクラブに行く人が全員こういうわけではありません。
純粋に音楽や場所が好きだから通う人は大勢います。
その一方でこういう方もいる、ターゲット層にしているのは事実ですよね。
クラブ側も女性は格安、もしくは無料という料金設定にして女の子が来やすい仕様にしていますしね。
クラブの場合、純粋に好きだからという方を除いた場合、「欲求を満たせるかもしれないという有益さ、メリット」と「下心を隠せる行きやすさ」を兼ね備えているから人が集まりやすいんだと思います。
そしてこれはジャムセッションという場にはないものですね。
改めてジャムセッションのイメージって?
さて、ではジャムセッションというに足を運びづらい「理由」は何でしょう?
僕がジャムセッションに参加していない頃に持っていたイメージをざっと書き出してみます。
- 怖い場所なんじゃないか
- 楽譜を読めなきゃ何もできないんじゃないか
- 知らない曲をいきなりやらされるんじゃないか
- セッションホストとかいう人に何か厳しいこと言われるんじゃないか
- というか他の参加者にも何か言われるんじゃないか
- そもそも流れも雰囲気も形式も何もわからねえ
- 見学とかありなん?
ざっとこんなイメージを抱いていたり、内容を何もイメージできてなかった頃ですね。
うん、これは見事に楽しくなさそう!笑
わざわざこういった場所に足を運ぶ理由って、興味を抱き始めた人だとしてもなかなか無いですね。
さらに先の例えでも出た男子大学生数名がふらっと来る場所では絶対にないですね。
そしてこのイメージからメリット、有益さを想像することってすごく難しい。
ミュージシャンの中には「上手くなりたいならどんどんセッションに参加するのがいいぜ!」という方は多いですし、僕も肯定派です。
それでも、こんな武者修行みたいなことをするくらいなら家で技術を磨いたり、固定のバンドを組んじゃう方がええやん、楽しいやんと思う気持ちは分かります。
「参加することによるメリットや、何がどう有益なのかが想像し難い、不透明であること」
ジャムセッションという文化そのものや、その内容や質には関係ないやん!
と思う方もいると思いますが、やはり根深い問題だと思います。
ジャムセッションに参加することのメリット
では本題!
ジャムセッションに参加することにより得られること、有益な点は何なのかを解説していきます!
そして先に総括を言っておくと、「音楽的に成長できること」です。
その理由を一つ一つ解説していきます。
人との繋がりが増える
これは想像しやすいと思いますし、人がセッションに参加する理由の一つだとも思います。
少し打算的な、下心があるように聴こえますが、内容は決してそうではありません。
- セッションを取り仕切る役割、そのセッションの顔であるセッションホスト
- そのセッションに参加しているミュージシャン
- そしてその店のマスターやスタッフの方々
こういった方々との繋がりができますね。
ホストと繋がれば、その場で演奏のアドバイスを貰うことができますね!
もちろん他の参加者もいる場合は一人ひとりに割くことのできる時間は変動しますので、質問を100個200個してしまうと困らせてしまうかもしれませんが笑
即座に自分の演奏のためになる情報を貰えるというのはかなりのメリットであると思います。
ミュージシャンと繋がると、共にバンドを組む、ライブを共にする等派生し、そこから更なる繋がりが増えていきます。
そのミュージシャンが別に自分のセッションを持っている場合もあります。
自分と同じような世代であれば普通に友達になり、「あのセッションも気になってるから一緒に行かない?」と、他のことにも取り組みやすくなるでしょう。
お店の方々と繋がれば、その店で演奏を組ませてもらったり、演奏や他のイベントについてなど、色々なことを教えてもらうこともできますね。
なんなら単に飲みに行く場所が増えるというメリットもあります笑
「俺は演奏しに来ただけだ。関わるな」というスタンスの方はこれまで見たことはありませんので、セッションの場に来たら積極的に人とコミュニケーションを取ってみるとよいでしょう!
勇気の要ることですが、そもそもジャムセッションに来るという大きな大きな勇気を持っている方ならできるはずです!
見学でめちゃくちゃ気軽に生演奏を楽しめる
まったく楽器はやらないけど音楽やライブが好き、という人にもメリットはあるんです。
セッションは、入場した方が全員演奏しなければならない、というわけではありません。
「あ、見に来ただけです~」と言えばそれだけでOK!
ライブより固くない、むしろリラックスしたゆるい雰囲気なのがジャムセッションの特徴!
「上級者向け!」と銘打ったものでなければ、雰囲気は柔らかいです。
ふらっと行ってゆるーく自由に演奏を聴いて、最後までいなくても大丈夫、頃合いを見てさっと帰ることもできます。
実は生演奏を聴く、という意味でもすごく気軽に聴けちゃうのがジャムセッションなんです!
そして上に繋げて、他のお客さんやミュージシャン、店の人とも仲良くなっちゃえば、掛け算式にその場の楽しみも増えてしまうということなのです。
人によって演奏の内容が変わることを知れる
これが音楽的に非常に強いメリットですね。
ポップスやロックバンドのコピバンをやる場合、各楽器ともリズムやフレーズ等、全て可能な限り音源通りに、スコア通りに、似せよう似せようとして演奏しますよね。
人によって変わるのはその完成度であって、「人によって音楽の色が変化すること」はどうしても体感できません。
セッションの場合、例えばテーマ(曲の核となるメロディ)を演奏する場合でも、その人の演奏の仕方に委ねられます。
「できるだけ桑田佳祐っぽく! 山下達郎っぽく! 宇多田ヒカルっぽく!」ではなく、「その人の演奏の仕方」で歌っていいわけです。
そしてそれはベースやドラムも、ギターもピアノでも、全員同じ。
各プレイヤーが自分なりのフレーズで演奏してよく、それによって「音楽の色が変化する」というまったく初めての経験ができるのです!
「ここの部分、自分ならこう弾くけど、あの人はこう弾くんだ!」
「すごい! 同じ曲だけど盛り上がる箇所やソロ順が全然違う!」
「16ビート、8ビートっていっても、人によってドラムの叩き方とか音が全然違う!」
同じ曲を別のメンバーで演奏した際、各々の持つリズムや音色によって演奏が全く違くなることをリアルタイムで体感できます。
さらに、セッションは即興性のあるもの。同じメンバーでも同じ演奏は二度と起こりえません。
こうした「人それぞれのリズム、ビート感覚」「セッションの作り方」等を常に学び続けることができるのは大きなメリットでしょう。
譜面に強くなると、他の人の演奏がより理解できる
ジャムセッションでは譜面を扱って演奏します。
もちろん最初は譜面を読むこと自体にいっぱいいっぱいになってしまうかと思います。
それについては読み方を知って、演奏して鍛えましょう!
さて、いざ譜面を見て演奏することがだんだんできるようになったとします。
その状態で、自分が慣れている曲を別の方が演奏した場合。
「あの部分ってこういう演奏の仕方もできるんだ!」
「あ、ここは俺も同じように弾くなー」
「え! こんな風に変えてもセッションってできちゃうんだ!?」
と、他の人の演奏している内容をより深く理解することができます。
それはセッションの場に限らず、youtubeで色々なセッション映像を見る場合でも同様です。
自分の好きなプレイヤー2名が同じ曲を演奏している動画などあればラッキー!
同じ曲でも全然違うアプローチをするんだなー。ここはこういう意図でこういう演奏をしてるんだー、と。
それを自分と比べてみたり、自分の演奏に取り入れてもいいでしょう。
人の演奏を理解することで音楽的にものすごーく成長することができます!
アンサンブルの感覚を磨くことができる
これも音楽的な成長に直接繋がる内容です。
例えばリズム。
「人によって演奏の内容が変わることを知れる」の内容にでもあるように、人によって持っている、出してくるリズムは異なります。
そこで自分がどのようなリズムで対応すれば気持ちよくはまるのか。
他の人がこう弾いてるから、自分はこう弾けば気持ちいいという楽器の絡み合い方。
そして編成によって演奏内容を変える必要があることなどを、常に体感できます。
そしてフレーズ。
このコードの中でこの度数で、またはこのフレーズを弾けばどういう感じに響くか。
その結果、アンサンブルがどう盛り上がるか。もしくは盛り上がらないのか。
マイナスワンで練習したり、コピーで演奏しているときには実感し難いことです。
度数で音を考える癖もつけられますし、自分の音によって人がどう反応するか、アンサンブルがどう変化するかをひたすら敏感に学び続けられるのです。
逆に、ひたすら同じフレーズを弾き続け全く変化させない場合セッションはどうなるのか、等音楽的な実験も行うことができます。
さらにこれらを同じメンバーと同じ曲でやっても、同じ反応が返ってこない場合もあります。
メンバーや曲が違うならなおさらですね。
それでもアンサンブルは止まらず、前に進んでいきます。
そこで、すぐにその場におけるアンサンブルのツボを掴んで、よいアンサンブルに導くという技術も磨けます。
これに長けているのがセッションミュージシャンなわけですね。
最後に
冒頭でも触れたように、ジャムセッションってどうしても参加しづらい、なにか怖い印象があると思います。
でも、一度参加した方は通って、色々な場に顔を出していますよね?
それって即ち、ジャムセッションは怖くない、楽しいことなんだよ、という意味に繋がります。
もちろん、先の例えで出した、「クラブに遊びに行く男子大学生」がふらっと来るメリットは無いです。
ただ色々なことがやりたいミュージシャンにとっては非常に大きいメリットがあります。
ジャムセッションにはこのように音楽の力をとてもとても大きく、さらに豊かに成長させることのできる絶好の機会なんです。
速く弾く、決められたフレーズをしっかり等の身体的なテクニックではなく、生きた音楽を操るという音楽的なテクニック。
これを最も体感し、成長させることができるのは、このジャムセッションに他なりません。
音楽の新たな扉を開くことのできるものなのです。
音楽の新しい扉を開きたいなーと考えている人は、是非ジャムセッションに足を運んでみてください!
今まで聞いてきて、感じてきた音楽とは全く別物の世界がどこにはあります。
【ジャズファンクセッション】抑えておくと信頼度MAXな定番曲一週間エクササイズ★★★☆☆
みなさんは「ジャムセッション」に参加された経験はおありですか?
恐らく70億人いる人間を二等分した場合、ない側が圧倒的になると思われます。
それが「その場にたまたま集まった人間が一緒に音を出して楽しむ演奏」。
即ち、ジャムセッションです!
そんなジャムセッション、一口に言っても様々な種類のジャムセッションが存在するのです。
- 楽曲ではなく、キーやコード進行をその場で決めるタイプのセッション
- スウィングやボサノヴァ等を主に演奏するジャズセッション
- ラテンの曲を演奏するラテン系セッション
- ギタリスト大好物のブルースセッション
- ロックだけ演奏しようぜ! ロックセッション!
などなど。
他特別なコンセプトを取り入れて開催されるセッションを合わせると、その種類は実に多岐に渡ります。
ちなみに僕の住む札幌のセッションイベントでは、ジャズセッションが数も参加者も多数を占めている印象があります。
そして数あるセッションイベントにおいて一角を担うセッション。
それが「ジャズファンク系セッション」です!
これはファンクやソウル、ジャズファンク、R&B、アシッドジャズ、スムーズジャズ等を中心に演奏されるセッションです。
あえてものすごーく雑に言えば「ブラックミュージックを中心にしたセッション」となります。
そんなジャズファンクセッションにももちろん定番曲、スタンダードと呼ばれるものが存在します。
ファンクと名がつくだけあって1コード2コードでリフ中心のものから、R&Bやロック調のものまで。
今回は「これを抑えておけばどこのジャズファンク系のセッションでも演奏されるから対応できちゃうぜ!」という曲を紹介します!
さあ、今回の一週間エクササイズで学んだ曲たちでセッションに殴り込んでみましょう!
エクササイズフレーズを聴いてみよう
以上が今回のエクササイズフレーズになります。
これらの曲では、セクションごとのベースの印象的なフレーズを抑えておく、テーマ的フレーズをユニゾンで弾けることが大切です。
もちろん定番曲はこの7つだけではありませんが、特に各ジャンルで演奏されることの多い曲たちをまとめました。
ではDay1から練習していきましょう!
※尺の関係により、ある程度展開を省略し、重要な点だけ抑える構成となっています。
譜面付各フレーズ解説
Day1 Cissy Strut - The Meters
- 2つのテーマを弾けるようにしよう
ニューオーリンズファンクの第一人者であるThe Metersの代表曲Cissy Strutです。
ソロも含めてC7一発の曲なので、セッションに慣れるには最適。
- ギターや管楽器のテーマの後ろでベースラインを弾くパターン
- 2つ目のテーマのコードをA♭7に変えるパターン
等も存在します。
なおソロの際のベースパターンでこれを弾くわけにはいかないので、その場でベースのパターンを定める必要があるので気を抜かないように。
各々のソロが終わると同時に2つ目のテーマを弾き次のソロに突入するのが鉄板。
Day2 Chameleon - Herbie Hancock
- B♭m7-E♭7のベースリフを抑えるべし
- キメフレーズは拍を見失わないように
スタンダード製造人間Herbie Hancock”ハービー・ハンコック”のアルバム”Head Hunters”より。
ジャズファンクセッションでは真っ先にやられる、盛り上がり必死の楽曲です。
印象的なベースリフはしっかりと抑えたい。
またキメフレーズを弾いた後、次の展開に進むために必要なのがベースの「タッタッタッ」という最初の3音。
ドラマーと目配せしてこの3音を弾いて次の展開に進めるよう意識してみよう!
Day3 The Chicken - Pee Wee Ellis
- B♭7のベースラインが基盤となっている
- それを各コードの際に同じフレーズを弾いてあげるだけでセッションは成立させられる!
- ラストのユニゾンも抑えておこう
不世出のベーシストJaco Pastrius”ジャコ・パストリアス”の演奏で非常に有名な曲ですね。
実はオリジナルはPee Wee Ellisだったりするのですが、それについては是非別のブログで笑
ともかく、あまりにも有名なこのベースラインをまず抑えておきましょう!
そしてベースというのは便利な楽器で、それが弾けたらあとは各コードに合わせて弾き始めの音を変え同一のポジション関係で弾くと……。
あらびっくり! もうセッションは成立しちゃうのです!
一見難しそうですが、案外間口は広いのです。
Day4 Just the two of us - Grover Washington Jr.
- 超定番コード進行に寄り添う歌心のあるベースライン
スムースジャズの礎を作ったGrover Washington Jrの代表曲。
ボーカルの「two of us」の発音が「中央バス」に聴こえることでも有名です笑
ここでチェックしたいのはコード進行。
マイナーキーの「Ⅵ△7-Ⅴ7 - Im7」
という超定番コード進行です。
これは他のスムースジャズやR&B、ポップスまでも、とても幅広く使われるコード進行です。
椎名林檎”丸の内サディスティック Key=Cm”やゲスの極み乙女。”オトナチック Key=C#m”等もこの進行が取り入れられていたり。
コード進行とベースラインそのものの秀逸さに注目してみましょう!
Day5 So What - Miles Davis
- ベースがテーマを取るのでしっかりと抑えておこう
- コード変わるタイミングに注意
モードジャズという概念・手法を作った、俗に言うジャズの帝王Miles Davis”マイルス・デイヴィス”の楽曲。
オリジナルがベースでテーマを弾いているため、セッションでもベースがテーマを取ることが通例なのでチェックしておこう。
また本来4ビートだが、ジャズファンクセッションでは16ビート、ハーフタイムシャッフルで演奏されることが多いです。
注意したいのは曲の展開です。
Dm7(8小節)-E♭m7(4小節)-Dm7(4小節)の計16小節で一回しとなっている楽曲。
この時、Dm7→E♭m7、もしくはE♭m7→Dm7のコードの切り替えを間違てしまうとさあ大変。
全員で「今どこ!? 今どこ!?」が起こり収拾がつかなくなります笑
なのでしっかりと小節を数えて演奏するよう心がけましょう。
Day6 Stratus - Billy Cobham
- 基本のベースリフ、展開の変わり目になるユニゾン、ラストドラムソロ時のみのフレーズ
- 常に弾き続ける必要があるため左手に力を込めすぎないように
ロック調の楽曲の一つとして、ジャズファンクセッションで取り上げられることが多い楽曲。
3パターンのフレーズを習得する必要があるので、曲のどのタイミングでどれを弾くのかを、音を出す前にセッションするメンバーと相談して決めましょう。
場合によっては基本のベースリフをずーーーーーーーっと演奏する場合もあるので、左手の持久力が求められる。
両手とも力を込めすぎないよう、リラックスして演奏しよう。
Day7 Led Boots - Jeff Beck
- 7/8のユニゾンフレーズは運指、リズム等に気を配りたい
最終日は、これまたロックな楽曲。ギタリストJeff BeckのLed Bootsです。
基本パターンもテンポが速いと弾き続けるのが困難になってくるので確実に。
また途中で拍子が7/8に変わるので、しっかりと拍とフレーズを把握し、変わる・戻るタイミングをキレイに繋げる必要がある。
- ソロ時はG7一発になる
- ソロが切り替わるタイミングで7/8のフレーズを挟む・挟まない両パターンが存在する
- 7/8でドラムソロを取る場合もある
セッションによって様々なパターンがあるので、どんな局面にも対応できるよう、フレーズを手に馴染ませてあげよう!
エクササイズを終えて
いかがでしたでしょうか。
それぞれ弾くこと自体はそこまで苦ではないフレーズではありますね!
なのでそれぞれのフレーズを抑えたならば、もうセッションにどんどん参加できちゃう準備ができている状態になるのです!
そして実際にセッションに参加したならば、そこにどんどん別の音を追加するor抜く、フレーズを変えてみる等して、アンサンブルがどのように変わるのかを楽しんでみてください。
その楽しさを知ったならば、あなたはセッションの楽しさから抜け出せなくなります笑
上のエクササイズフレーズは尺の都合で展開を削っているので、実際にそれぞれの楽曲がどんな展開で進んでいくのかは、実施に音源を聴いたり譜面を見て確認してみましょう!
良いセッションライフを過ごせるよう祈っております!