青木務エレキベース教室WEB支部

札幌のエレキベースプレイヤー・講師による、音楽視野を1mmずつ広げられる情報を発信するブログ。

【ジャズファンクセッション】抑えておくと信頼度MAXな定番曲一週間エクササイズ★★★☆☆

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みなさんは「ジャムセッション」に参加された経験はおありですか?

恐らく70億人いる人間を二等分した場合、ない側が圧倒的になると思われます。

それが「その場にたまたま集まった人間が一緒に音を出して楽しむ演奏」。

即ち、ジャムセッションです!

 

そんなジャムセッション、一口に言っても様々な種類のジャムセッションが存在するのです。

 

  • 楽曲ではなく、キーやコード進行をその場で決めるタイプのセッション
  • スウィングやボサノヴァ等を主に演奏するジャズセッション
  • ラテンの曲を演奏するラテン系セッション
  • ギタリスト大好物のブルースセッション
  • ロックだけ演奏しようぜ! ロックセッション!

 

などなど。

他特別なコンセプトを取り入れて開催されるセッションを合わせると、その種類は実に多岐に渡ります。

ちなみに僕の住む札幌のセッションイベントでは、ジャズセッションが数も参加者も多数を占めている印象があります。

 

そして数あるセッションイベントにおいて一角を担うセッション。

それが「ジャズファンク系セッション」です!

これはファンクやソウル、ジャズファンクR&B、アシッドジャズ、スムーズジャズを中心に演奏されるセッションです。

あえてものすごーく雑に言えば「ブラックミュージックを中心にしたセッション」となります。

 

そんなジャズファンクセッションにももちろん定番曲、スタンダードと呼ばれるものが存在します。

ファンクと名がつくだけあって1コード2コードでリフ中心のものから、R&Bやロック調のものまで。

今回は「これを抑えておけばどこのジャズファンク系のセッションでも演奏されるから対応できちゃうぜ!」という曲を紹介します!

さあ、今回の一週間エクササイズで学んだ曲たちでセッションに殴り込んでみましょう!

 

エクササイズフレーズを聴いてみよう

 

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以上が今回のエクササイズフレーズになります。

これらの曲では、セクションごとのベースの印象的なフレーズを抑えておくテーマ的フレーズをユニゾンで弾けることが大切です。

もちろん定番曲はこの7つだけではありませんが、特に各ジャンルで演奏されることの多い曲たちをまとめました。

ではDay1から練習していきましょう!

 

※尺の関係により、ある程度展開を省略し、重要な点だけ抑える構成となっています。

譜面付各フレーズ解説

Day1 Cissy Strut - The Meters

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  • 2つのテーマを弾けるようにしよう

 

ニューオーリンズファンクの第一人者であるThe Metersの代表曲Cissy Strutです。

ソロも含めてC7一発の曲なので、セッションに慣れるには最適。

  • ギターや管楽器のテーマの後ろでベースラインを弾くパターン
  • 2つ目のテーマのコードをA♭7に変えるパターン

等も存在します。

なおソロの際のベースパターンでこれを弾くわけにはいかないので、その場でベースのパターンを定める必要があるので気を抜かないように。

各々のソロが終わると同時に2つ目のテーマを弾き次のソロに突入するのが鉄板。

Day2 Chameleon - Herbie Hancock

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  • B♭m7-E♭7のベースリフを抑えるべし
  • キメフレーズは拍を見失わないように

 

スタンダード製造人間Herbie Hancockハービー・ハンコック”のアルバム”Head Hunters”より。

ジャズファンクセッションでは真っ先にやられる、盛り上がり必死の楽曲です。

印象的なベースリフはしっかりと抑えたい。

またキメフレーズを弾いた後、次の展開に進むために必要なのがベースの「タッタッタッ」という最初の3音

ドラマーと目配せしてこの3音を弾いて次の展開に進めるよう意識してみよう!

Day3 The Chicken - Pee Wee Ellis

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  • B♭7のベースラインが基盤となっている
  • それを各コードの際に同じフレーズを弾いてあげるだけでセッションは成立させられる!
  • ラストのユニゾンも抑えておこう

 

不世出のベーシストJaco Pastrius”ジャコ・パストリアス”の演奏で非常に有名な曲ですね。

実はオリジナルはPee Wee Ellisだったりするのですが、それについては是非別のブログで笑

ともかく、あまりにも有名なこのベースラインをまず抑えておきましょう!

そしてベースというのは便利な楽器で、それが弾けたらあとは各コードに合わせて弾き始めの音を変え同一のポジション関係で弾くと……。

あらびっくり! もうセッションは成立しちゃうのです!

一見難しそうですが、案外間口は広いのです。

Day4 Just the two of us - Grover Washington Jr.

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  • 超定番コード進行に寄り添う歌心のあるベースライン

 

スムースジャズの礎を作ったGrover Washington Jrの代表曲。

ボーカルの「two of us」の発音が「中央バス」に聴こえることでも有名です笑

ここでチェックしたいのはコード進行

マイナーキーの「Ⅵ△7-Ⅴ7 - Im7」

という超定番コード進行です。

これは他のスムースジャズR&B、ポップスまでも、とても幅広く使われるコード進行です。

椎名林檎丸の内サディスティック Key=Cm”やゲスの極み乙女。オトナチック Key=C#m”等もこの進行が取り入れられていたり。

コード進行とベースラインそのものの秀逸さに注目してみましょう!

Day5 So What - Miles Davis

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  • ベースがテーマを取るのでしっかりと抑えておこう
  • コード変わるタイミングに注意

 

モードジャズという概念・手法を作った、俗に言うジャズの帝王Miles Davisマイルス・デイヴィス”の楽曲。

オリジナルがベースでテーマを弾いているため、セッションでもベースがテーマを取ることが通例なのでチェックしておこう。

また本来4ビートだが、ジャズファンクセッションでは16ビート、ハーフタイムシャッフルで演奏されることが多いです。

 

注意したいのは曲の展開です。

Dm7(8小節)-E♭m7(4小節)-Dm7(4小節)の計16小節で一回しとなっている楽曲。

この時、Dm7→E♭m7、もしくはE♭m7→Dm7のコードの切り替えを間違てしまうとさあ大変。

全員で「今どこ!? 今どこ!?」が起こり収拾がつかなくなります笑

なのでしっかりと小節を数えて演奏するよう心がけましょう。

Day6 Stratus - Billy Cobham

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  • 基本のベースリフ、展開の変わり目になるユニゾン、ラストドラムソロ時のみのフレーズ
  • 常に弾き続ける必要があるため左手に力を込めすぎないように

 

ロック調の楽曲の一つとして、ジャズファンクセッションで取り上げられることが多い楽曲。

3パターンのフレーズを習得する必要があるので、曲のどのタイミングでどれを弾くのかを、音を出す前にセッションするメンバーと相談して決めましょう。

場合によっては基本のベースリフをずーーーーーーーっと演奏する場合もあるので、左手の持久力が求められる。

両手とも力を込めすぎないよう、リラックスして演奏しよう。

Day7 Led Boots - Jeff Beck

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  • 7/8のユニゾンフレーズは運指、リズム等に気を配りたい

 

最終日は、これまたロックな楽曲。ギタリストJeff BeckのLed Bootsです。

基本パターンもテンポが速いと弾き続けるのが困難になってくるので確実に。

また途中で拍子が7/8に変わるので、しっかりと拍とフレーズを把握し、変わる・戻るタイミングをキレイに繋げる必要がある。

  • ソロ時はG7一発になる
  • ソロが切り替わるタイミングで7/8のフレーズを挟む・挟まない両パターンが存在する
  • 7/8でドラムソロを取る場合もある

セッションによって様々なパターンがあるので、どんな局面にも対応できるよう、フレーズを手に馴染ませてあげよう!

エクササイズを終えて

いかがでしたでしょうか。

それぞれ弾くこと自体はそこまで苦ではないフレーズではありますね!

なのでそれぞれのフレーズを抑えたならば、もうセッションにどんどん参加できちゃう準備ができている状態になるのです!

そして実際にセッションに参加したならば、そこにどんどん別の音を追加するor抜くフレーズを変えてみる等して、アンサンブルがどのように変わるのかを楽しんでみてください。

その楽しさを知ったならば、あなたはセッションの楽しさから抜け出せなくなります笑

 

上のエクササイズフレーズは尺の都合で展開を削っているので、実際にそれぞれの楽曲がどんな展開で進んでいくのかは、実施に音源を聴いたり譜面を見て確認してみましょう!

良いセッションライフを過ごせるよう祈っております!

 

www.tsutomuaoki-ebs.com

 

 

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