セッションミュージシャン志望が大学軽音サークルに入るメリット
先日の記事では「大学軽音サークルは規模の小さなセッションミュージシャンの世界」と表現し、その理由について書き進めていきました。
その記事を読むと、「そうか、体感するために入ってみるのも手だな」と思う人もいるかもしれません。
とはいえ!
ミュージシャンを志した上で大学に入った人の中には、やはり軽音サークルに入ることを悩んでいる方も多いと思います。
18歳といえばもう将来を考える立派な大人です。
また入学してみないと分からない点も多いですが、大学生活にどこまで重きを置くべきか悩んでいる人もいるでしょう。
よって今回の記事では、軽音サークルに入ることによる【セッションミュージシャンを志す上でのメリット】を紹介していきます。
入ろうか迷っているか人、もしくは現在サークルに在籍している人は是非参考にしてみてください!
セッションミュージシャンの再確認
まずはセッションミュージシャンとはどういうものか、改めて確認します。
セッションミュージシャンは固定のバンドのみで活動していくのではなく、サポート業やセッションワーク、レコーディング等々、流動的に、多くの、様々なミュージシャンと演奏を共にする形態のミュージシャンです。
そこから発展しやすいのは講師業やセッションホストなど。
人によっては楽曲提供等の制作に重きを置いたり、自分のライブやイベントを企画したりと、活動の幅は人それぞれです。
そしてそれらの活動は、大体の場合は人の繋がり無くしては成り立たない、ということを先日の記事で書きました。
- 様々な人と、様々な演奏を行う=それを実現させる技術と知識が必要。
- 演奏の機会には誘い誘われの世界=繋がりの世界である。
ひとまずこの2点を抑えていただきましょう。
セッションミュージシャンという名称について
例えばミュージシャンと一括りにしても、その中で色々な形態が存在します。
- アコギやピアノ等、自分で演奏しソロで活動するシンガー(シンガーソングライター)
- 固定のバンド1,2つで活動するバンドマン
- 制作中心のコンポーザーやアレンジャー
他にもラッパーだったり、クラシックのコンサートでソロで演奏する奏者、オーケストラの一員、DJ,etc......
大分類でミュージシャンと一口に言っても、その中・小分類には多くの形態が存在しすぎて、ここではあげきれないほどです。
ひとまず、その中分類の中に
「流動的に様々なミュージシャンと演奏を共にするセッションミュージシャンという形態」がある。
そして「シンガーやバンドマンとは異なる形態である」
という点を抑えておきましょう。
なお、それぞれの形態の表現について特に他意はありません。
大学軽音サークルに入るメリット
さて、セッションミュージシャンがどんな形態のものなのか把握していただいたところで、いよいよメリットを説明していきます。
ちなみにそれらは在籍している最中に気づき、セッションミュージシャンとして音楽活動を行う中で思い返して改めてメリットだと気づきました。
外から俯瞰で見ると改めて感じる点もあるということですね。
たのしい
まずはこれです!
前提はこれ。これからは真面目な話が続きますが、大前提としてただただ楽しいということを念頭に置いといてください。
僕も研究のためにサークルに入っていたわけではないので、みなさんも是非この気持ちは忘れずに!
あ、ちなみにですが、楽しすぎるあまり単位を落とし続け留年する危険性もあります笑
全国的にあるあるらしく、これは避けられない宿命といいますかなんといいますか……。
それを理解したうえで、改めて現実的なメリットは以下!
規模の小さなセッションミュージシャンの世界を体感できる
一番はやはりこれですね!
実は初めはこのメリットの記事に含んだ内容だったのですが、長くなりすぎたのでシングルカットして記事にしました笑
こうしたことを肌感覚で体感できるのが一番のメリットだったと思い返して感じています。
様々なアンサンブルを経験できる
これもセッションミュージシャンを志す上での大きなメリットですね。
僕はサークルにいた当時から、ポップス、ロックからR&B、ソウル、フュージョン、プログレ、メタルまで様々なジャンルの演奏を行うタイプでした。
そしてこうした幅の広いジャンルを「アンサンブルで経験できる場」は、実はサークル外の世界には少ないと思います。
経験ある方はお分かりの通り、音源に合わせて演奏するのと、アンサンブルの中で演奏するのは大きく違いますよね。
音が混ざる感覚を理解できるし、自分の音に責任も持たなくてはならなくなる。
アンサンブルは自分の感覚を成長させるための必須事項!
そして前提として、楽しい、面白いものでありますね。
そして各ジャンルごとに、そしてその中の楽曲ごとにリズムのツボがあります。
周りのパートがどんなリズムで、自分のパートがどんなリズムなのか。
そしてどの部分を合わせると良いリズム、良いアンサンブルが生まれるのか。
各ジャンルや楽曲ごとのリズムのツボを、常にアンサンブルの中で学ぶことができます。
ジャムセッションはコピーなくしては存在しえない
前提として、僕は外のジャムセッションに通うのを大推奨しています。
そんなセッションとサークルのライブの違いは、「しっかりと練習に取り組み、リハに臨み、ライブとして本番で披露する」という過程を経ること。
この違いこそが、音楽的な素養を成長させるメリットになるのです。
コピーバンドの演奏は、その名の通り楽曲のコピーです。
これはただ単にバンドスコアに書いてある記号を演奏する、のではなく、「その楽曲を演奏する」ということです。
その楽曲全体がどんなリズムで、どんな音色が使われていて、どんな雰囲気の曲なのか。
さらに細かく、各パートがどんなことを行い、どのように絡むか。
そしてアンサンブルで、どの音符同士を合わせればアンサンブルが「その楽曲っぽく」なるのか。
それらを時間をかけ丁寧に学んでいくことができます。
さらに重要なのは、上手くいかなかったときに、「何故上手くいかないのか?」を考えることができる点です。
決められたことをやってるのに、何故それっぽくならないのか?
もしかしたらここが足りないからできないんじゃ?
ここがわずかに違うからそれっぽくならないのか?
何度も言いますが、それらを時間をかけ、丁寧に学んでいけます。
個人的な考えになりますが、セッションではリズムやダイナミクスの感覚をその場で把握し実現させる技術や楽器同士会話する技術が磨かれます。
そしてそれらの技術は、決まったアンサンブルを実現させる能力との両立なくしてはそもそも存在しえないと考えています。
そのジャンルらしいリズムやフレーズを知らないと、何が良くて何が悪いのか、自分の改善できる点はどこなのか。
それらをそもそも知ることができないからです。
コピーのアンサンブルの力が5%までしかなければ、セッションでも5%の力しか発揮できない。
それほどに、コピーや固定されたアンサンブルを実現させる能力は大事なのです。
そうしたジャンルのアンサンブルを、定期的に、人と一緒に人前で披露する機会がある。
楽器同士の絡み方をアンサンブルの中で知れる。
改めて、そこが大きなメリットだったと感じています。
様々な人のプレイをアンサンブルで体感できる
これもサークルに所属するメリットです。
様々な人と共に演奏できること。
さらに細かく言うと、様々な人のプレイをアンサンブルの中で体感できることです。
言い方が多少悪いかもしれませんが、団体があればその中にはどうしても技術の優劣は存在しますよね。
それによって、同じ曲を演奏してもアンサンブルが全く異なってきます。
でもそれは、上手ければ偉い、下手なのはダメってわけではないんです。
重要なのは、一緒に組んだ人から
「上手いと感じる人はどの点が優れていると感じるのか」
「特にどの点によって技術の優劣を感じるのか」
「違いはどこなのか」
それらを観察することが大事なのです。
その差が分かれば、じゃああとはそれを自分に置き換えて実現させるだけ。
アンサンブルの中で
- 人の違いにより生じるアンサンブルの違いを学び
- 違いを知れば、人への改善点を提示でき
- その上でそれらのインプット・アウトプットを同時に行える
- また自分へのフィードバックも得られる
しっかりとアンサンブルにおける他パートを観察するだけで、学べることはいくつもあるのです。
そして改めて、セッションミュージシャンは様々な人と流動的に演奏を共にします。
これらの感覚はそのままライブ、それに伴うリハ、セッションに活かせます。
とにかく色々な人を観察できる。また体感できる。
これも定期的なペースでライブを行うサークルのメリットでしょう。
メリットまとめ
軽音サークルに属するメリットをまとめると
- ミュージシャンの世界の疑似体験
- 各ジャンルごとアンサンブルの感覚を学べる
- コピーの重要性を肌感覚で学べる
- 「人」による演奏の違いの体感と観察
- それらすべてをインプット・アウトプットできること
という点になりますね。
ただあくまでこれらは、意識すれば意識して吸収できますし、何も意識しなくては何も得られないです。
そして何度も言うように、サークルはあくまで楽しむためのものであり、人に押し付けて強要するものではありませんので、それは誤解なきようにお願いします。
もしサークルについて迷っている方は参考に。
また現在サークルに所属している方は、時折これらを意識してみると見え方が変わってくるかもしれません。
何事にも意味を持たせれば、意味を持ってきます。
是非今後の活動の参考にしていただければ幸いです。