ベーシストなら弾きたいユニゾンフレーズ一週間エクササイズ★★★★★
音楽的には超盛り上がり必至。
しかしベーシストは涙目になってそのフレーズを習得しなくてはならず、ギタリストやピアニストに憎悪・殺意を抱く……。
そして「でも楽器の違いでごちゃごちゃ言うのはだせえな……」と結局腹を括りおずおず練習に励む……。
まさに地獄からやってくる課題。
それが、ユニゾンフレーズ!
今回はベーシストが苦しみに苦しむユニゾンフレーズを特訓しましょう!
ユニゾンとは?
と、一つ説明が漏れていましたね。
そもそもユニゾンとは何ぞや?
〈一つの音〉の意味であり,同音で構成される音程を指す。複数の楽器(楽器群)または声部が,同じ音符あるいは旋律を同時に奏すること。この場合,厳密に同一の音高ではなく,バイオリンとチェロのユニゾンのように,オクターブの違いがあってもよい。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版
とのこと。
むちゃくちゃ簡潔に、「複数のパートで同じメロディを演奏する」と捉えてもらえれば大丈夫です!
エレキベースやコントラバスは楽器の構造上、細かい音符を速く弾くことに関しては他の楽器に比べて不向きと言ってよいでしょう。
が、そんなことはお構いなし。
世の中には「これマジでベースで弾くの?」と疑いたくなるようなメロディや楽曲が数多く存在しています笑
そしてそんなギタリストやピアニストの「無茶振り」も笑顔で応えちゃうベーシスト、最高にかっこよくないですか?
実際のところ、ベースの音色はその場のどれよりも「太くて厚みがある音」です。
そしてユニゾンフレーズにベースも参加することによって、そのフレーズに説得力と迫力、厚みを持たせることができます。
つまり、ベースがしっかりとユニゾンフレーズを弾くことによって、その楽曲をより素敵なものに昇華することができる!
改めて、とても大きな役割を担っているのです。
ということで、そんなシチュエーションに遭遇した際も余裕で対応し、音楽に決定的な迫力を持たせられるよう、色々な種類のユニゾンフレーズを練習しましょう!
エクササイズフレーズを聴いてみよう
以上が今回のエクササイズフレーズになります。
今回は★5だけあって、初っ端から難しいですね。
単純な難易度順というよりも、タイプ別のユニゾンフレーズでまとめています。
さあ、これを弾きこなしてあなたもユニゾン大好きベーシストの道に踏み出しましょう!
譜面付各フレーズ解説
Day1 SPAIN - Chick Corea
- 複雑な譜割りを、適当ではなく拍を感じながら弾けるようにしたい。
- 運指も複雑なので、音を一つ一つ確かめながら演奏したい。
現在も現役バリバリ。ジャズ界のレジェンドピアニストChick CoreaのSPAINです。
Day1から非常に難しいです。
「これがミで~これが長短何度で~」と考えるのも重要だが、まずはフレーズを歌えるようにして運指を覚えてしまうのがよいだろう。
左手は常に、ピッキングは5小節目が難関なので特に注意して練習しよう!
Day2 Sir duke - Stevie Wonder
- 経過音を除いてBメジャーペンタのみで作られているフレーズということを意識しよう。
- これも譜割りを常に意識して弾きたい。
間奏で長尺ユニゾンフレーズをぶち込むのはStevie Wonderの得意とする手法。代表作Sir dukeでもそれはふんだんに使われています。
8小節に渡る長尺ユニゾンはまずは覚えることから始めたい。
ネックの端から端まで使う音域の広いユニゾンなので、指板を広く見る視野も必要になる。
Day1~2にかけて、長尺ユニゾンフレーズをスムーズに弾けるように特訓しよう!
Day3 Getaway - Earth, Wind & Fire
- 1,2小節目の16分音符はキレイに弾けるようピッキングの精度を意識しよう。
- 3,4小節目の付点8分音符を基調とした譜割りは要注意。
日本でも人気のファンクバンドEarth, Wind & Fireの1976年US R&Bチャート1位を記録したシングルGetawayのイントロ。
ここで意識したいのはリズム!
前半は細かい譜割りだが、後半は大きな譜割りで盛り上がりを見せている。
それぞれの音が、拍に対してどの距離で鳴らされているのか、耳で身体で頭で理解して取り組もう。
Day4 Jungle Boogie - Kool & the Gang
- Day3と同じく付点8分音符のリズムに注意。
ファンク、ソウル、R&BバンドKool & the Gangの初期の代表曲。
これも長く拍を見失いそうになってしまうリズムに気を付けよう。
Day3,4でファンク系の付点8分音符中心ユニゾンフレーズを会得しよう。
Day5 The Dance of Eternity - Dream Theater
- 変拍子はフレーズで覚えてしまおう。
- 複雑な運指なので何度も聴いて弾いて指に馴染ませてしまおう。
みんな大好きDream Theaterの超絶技巧満載のインスト曲The Dance of Eternity、通称ダンエタより。
15/8、13/8という数えがたい変拍子なのでフレーズそのもので覚えてしまおう。
プログレならではの複雑怪奇な運指はこのフレーズでクリアすべし!
Day6 Angels and Demons - Angra
- タッピングとハンマリング、どの順序で音を出すのか把握しよう。
- 他の弦が共鳴しないようミュートにも気を配ろう。
- 7拍子なので拍を数え間違えないように。
ブラジルの至宝Angraの代表曲の一つ。
このフレーズは「7拍子+タッピング」と2つのポイントを意識したい。
特に各小節6~7拍目の右手人差し指→中指と連続でタッピングをする個所は、しっかりと音を鳴らせるようにしよう。
またミュートバンドを付けない場合、左手人差し指で弦に触れる等ミュートにも工夫が必要だ。
Day5,6では変拍子に加えメタルでならではの複雑なフレーズをテクニックを駆使して弾くことを覚えよう。
Day7 Super Mario Underground Stage BGM
- 速いオクターブの連続はモタらず、ハシらず。
- 5,6小節目の3連符、6連符はリズム、運指、ピッキング全てに気を配るべし。
みんなが知ってるスーパーマリオの地下ステージで流れる音楽。
このフレーズをモチーフにセッションをしたり、曲中の小ネタに入れられたりすることもあるだろう。
単純にフレーズとしても難しく、かつ有名で、弾くだけで"おいしい”!
Day6まで張り詰めたフレーズが続いたので、最終日は愉快に、でもバシッと決めて終わろう!
エクササイズを終えて
いかがでしたでしょうか?
★5のエクササイズは大変難しかったと思います。
1日1個と言わず、弾くのが難しいフレーズは時間をかけてじっくり取り組んでみましょう。
そうしてこれらすべて弾けるようになった頃、あなたのピッキング、フィンガリングは一歩上のレベルに達していることでしょう。
今後難しいユニゾンフレーズを弾く機会がある際にも笑顔でさらっと弾けちゃう、カッコいいベーシストになっちゃおう!