青木務エレキベース教室WEB支部

札幌のエレキベースプレイヤー・講師による、音楽視野を1mmずつ広げられる情報を発信するブログ。

ベーシストが「頼もしい~っ!」と思うギタリストの共通点

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#頼もしくて恋するシリーズ」第二弾です。

今回スポットを浴びてもらうのはギタリスト

ベーシストと同じく弦楽器属ですが、その役割は全く違うものですね。

故に、ベーシストはギタリストに対しても頼もしさや求めるモノを持っています。

 

 

これらギタリストに頼もしさを感じるものについて、具体的に解説していきます。

是非ギタリストも、それ以外のみなさんも参考にしてみてください!

 

適切な音量で弾いてくれる

 

初っ端から何か気が抜けたようなテーマ……。

でもこれって、簡単そうに見えてすんごく大事なことなんです。

 

適切な音量ってどういうことでしょう?

大きすぎもなく小さすぎもない音量。

と言えばそれがある種正解なような気もします。

 

それをもう少し掘り下げると、「それぞれのシチュエーションに合った、相応しい音量で弾いてくれる」ということになります。

 

例えば、バッキングの際は歌やリードを引き立たせてくれる、かと言って全く聞こえないわけでもない。もちろん大きすぎて目立ちすぎるわけでもない。

ソロになってあまりにも音量が大きすぎるとバランスが崩れてしまいますが、小さすぎてもソロたる所以がなくなってしまう、何がメインの時間なのか分からなくなってしまう。

 

そうした絶妙な音量バランスを肌感覚で知っていて、それを自在に操ってくれるギタリストは非常に頼もしいです。

 

またそれはどれだけアンサンブルを客観的に捉えているか、という部分が重要だと思います。

ギターは時としてアンサンブルの核だったり、彩りを任されたりと、幅広い役目を担います。

その際にどれだけの音量が相応しいのか。

歌モノであれば、ギターソロすらも楽曲や歌を引き立たせる要素と捉えているのか。

それらをすべて踏まえて自分で音量を決められて、考えてくれるギタリストは本当に頼もしいです。

バッキングに徹してくれる

 

ギタリストのコードストロークやカッティングはそのまんまその楽曲の色になり得ます。

その上で、単調だと曲に表情がつきづらい。

そこで求められるのがちょっとした彩りや変化。

いわゆるオカズですね。

 

オカズを入れることによって演奏に変化がつき、ギターも耳を引きますね。

ただ! オカズを入れるにしても、それらはあくまでバッキングである必要があります。

 

例えばこれまでコードストロークでジャンジャン弾いていたところ、特徴的な単音フレーズを放り込む。

カッティングの最中、そのリズムに一瞬変化をつける。

これらはめちゃくちゃカッコいいですし、是非欲しいところです。

重要なのは、それらが突如浮いて出たフレーズではなく、バッキングとして成立していることです。

 

先日の頼もしいと思うドラマーとも共通するポイントですね。

やはりどんなカッコいいフレーズも出そうとして出すものではなく、必要なタイミングに必要なフレーズを出す必要があります。

それらを意識して出すフレーズと、意識せずに出すフレーズでは大きな違いがあります。

そしてそれは自分自身への戒めとなることもあり笑

常にナチュラルに、流れを大切にした演奏をしたいですね。

「弾かない」選択肢を持ってくれる

 

これはセッション的な側面が強い項目ではありますね。

 

セッションは場合によって、その局面は様々に変化します。

あるセクションで局地的に盛り上がったり、何故かカオスになったり笑

 

そして例えばベースソロだったり、パーカッションのソロなど、リズムを前面に押し出したい、多くの楽器の音を必要としない場面。

流れに応じて音量を下げてダイナミクスの幅をつけたい場面。

 

そういった場面で「あえて弾かない」選択肢を持っているギタリストは本当に頼もしいです。

 

弾かないことによってその場面に「無音」という色を添えることができます。

さらに、「弾かない選択肢を持っているギタリストが弾く」ということは、「『弾くことによる効果を与えたい』という意思を持っている」と把握できます。

 

弾かない選択肢を持ってくれていると、弾かないことだけではなく弾くことにも意味を持たせられるのです。

一瞬弾かない勇気を持つ、その意味を知るだけで、ものすごく頼もしさを感じられるのですね。

ヴォイシングの広狭で楽曲を彩ってくれる

 

ギターは最小で1つ、最大で6つの音を同時に鳴らせる楽器、というのが前提ですね。

 

ギタリストは最初にギターを握ったとき、「これがCで、これがFで~」と、コードを押さえることを学ぶ方が多いですね。

そこから、同じCでも弾くポジションを変える、和音の数を減らす、音域の高低を操るetc......

様々なコードのアプローチを学んでいくと思います。

 

こうしていざ色々なボイシングでコードを弾けるようになったギタリストはとても頼もしい。

 

そして! 2,3音の狭いボイシングでバッキングができるギタリストの!

満を持してかき鳴らす6音のF!! 5音のC!!

基本中の基本であるボイシング

 

この選択は非常に頼もしいのです。

 

広いボイシングはそのまんま楽曲のスケールを広げることができます。

その楽曲のスケール感を察して、テクニカルにハイフレットで2音のバッキングができるギタリストが鳴らす基本のCやF。

これらには強い意志を感じますし、楽曲のスケール感を広げてくれる効果も抜群です。

 

もちろん2,3音の和音にも広い・狭いボイシングは存在しますし、音域の高低もありますね。

それらも楽曲のスケール感を広げたり、逆に狭めたりと、表現は無数にあります。

それらを自在に使い分け、操れるギタリストは最高です。

 

ギターの「ジャーン!」は世界一カッコいい音ですからね笑

この選択を改めて行ってくれるギタリストには思わず恋心を抱きます。

その上でソロが誰よりもかっこいい

 

上4つはひたすらバッキングや楽曲の色どりについて書きましたが、結局コレ!

頼もしいギタリストは、ソロが誰よりも素敵でカッコいいです。

これは理屈など抜きにして、単純に感情ありきですね。

 

どこまでいってもギターは花形楽器。

その楽器が自分自身の言葉を大声で伝える瞬間。

その瞬間に光り輝くギタリストは魅力抜群ですし、やはり頼もしさは120%です。

 

ベーシストはそんなギタリストの横で弾くことに快感を覚える生き物です。

ギタリストが自分を出せば出すほど

 

よーし好きにやってくれー! 俺は後ろで支えるぜー!

 

と頑張っちゃうカワイイ生き物、それがベーシスト。

それ故、ギタリストがむちゃくちゃにカッコいいソロを弾き倒してる姿に頼もしさを感じます。

最後に

 

ベーシストも、ギタリストも、インストモノでもない限り、結局は楽曲の内バッキングが9割です。

むしろ曲によっては10割の時も当たり前にあり得ますね。

故にバッキングって超大切。

そこを重視してくれるギタリストは、ベーシストのみならず全幅の信頼を寄せられます。

 

その上で最後の項目、輝くときは誰よりも輝く。

支え役となる我らベーシストはその姿を羨望と憧憬と嫉妬(?)の目で眺めています。

 

これからもベーシストはそんなギタリストの姿を横目で見ながらほくそ笑んでいこうと思います。

みなさんも是非ギタリストのあらゆる姿からお目を逃さなきよう! 注目してみてください!

 

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