青木務エレキベース教室WEB支部

札幌のエレキベースプレイヤー・講師による、音楽視野を1mmずつ広げられる情報を発信するブログ。

ルーティンで自分を作れ~演奏前の精神統一~

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皆さんはルーティンという言葉をご存じでしょうか?

ルーティンとは、同じ動作や決まった動きを定期的に行うことを言います。

 

例えばメジャーリーガーのイチロー選手が毎回打席に立つ際に行う袖をまくるポーズ。

例えばラグビーの五郎丸選手がキックの際に行う両手の人差し指を合わせるポーズ。

ルーティンと聞いてパッと思い浮かぶ有名なポーズにはこれらがありますね。

他にもサッカー選手やバレエダンサー、格闘家の方々等一流のパフォーマンスを見せる方々は独自のルーティンを持っていることが多いです。

これには、「ある場面の度に決まった動作を行うことで精神統一を図る」という目的があります。


ではこのルーティン、音楽に携わる皆さんは行なっていますか?

もしルーティンを行なっておらず、かつ演奏の度に緊張したり集中しきれない方がいれば、是非ルーティンを取り入れてみましょう!

ルーティンを行う意味とは?

上記の通り、ルーティンを行う意味は精神統一のため、集中するためです。

その結果気持ちが安定し、ステージに立つメンタルに切り替えることができます。

ここでいう安定は、「決して自宅にいるのと変わらない自分がステージに立つ」ということではなく、「ステージに立つ自分を作り上げる」ことを意味します。

両者の違いは?

「自宅にいるのと変わらない自分」と「ステージに立つ自分」。

両者の違いは何でしょうか?

 

「自宅にいる自分」とは、ただ単にリラックスしている状態です。

緊張を一切感じていない状態というのはよいのですが、言い方を変えれば何に対しても集中していない状態です。

それ即ちステージに立つ準備ができていない状態と捉えられます。

 

対して「ステージに立つ自分」とは、音楽に対してはもちろん、観ている人に対する振る舞いやステージの広さ、譜面台を使うならその位置、自分以外のメンバーの様子や音の聴こえ方等、全てに対して意識が行き渡り、集中しきっている状態です。

それでいて「緊張感はあるけど緊張はしていない」状態。

あえて重い言い方をすれば、その場のステージや音楽を創りあげる覚悟ができている状態と言えましょうか。

 

無論その状態に辿り着く、そしてそれを自覚できるのには、一定以上のステージ経験、場数が必要です。

そのため、ステージに立ち始めた最初の内に全てを上手く行おうとしても難しいんですよね。

なので最初期は自分の演奏の内容に加え、上記のどれか一つを意識し始めることから始めましょう。


実際のところ、集中している人間としていない人間のステージワークには驚くほど違いがあります。

演奏の内容から入退場等ステージ上での振る舞い方一つ、表情一つ取っても、その違いは顕著に現れますし、それはお客さんにもそのまま伝わるものなのです。

どちらが演奏の、ステージのためになるかは自明の理ですね。

ではその状態をどうすれば作れるのか? それこそがルーティンなのです!

何をルーティンにすべきか?

じゃあ何をすればええねん?  と思う人も多いと思います。

実際のところ、何でもいいんです笑

 

例えばステージに立つ準備がそのままルーティンワーク=精神統一になっている場合があります。

  • 楽器の調節をする
  • 爪を切る
  • ウォーミングアップをする
  • ステージ衣装に着替える
  • メイクを整える etc...

準備をすることで自分自身を作る、スイッチを切り替えることができます。

これを無意識下で行っている場合、意識して行っている場合は別れますね。

 

もしくは、意図してルーティンを作り上げるのもいいでしょう。

  • 一人で散歩する
  • 好きな曲を聴く
  • トイレに籠る
  • ステージの写真やセルフィーをSNSにアップする。
  • アプリのゲームをする etc...

それらを何気なく行うのではなく、「これが俺のルーティンだ!」と定めれば、その動作を行い続ける内に自然とスイッチを切り替えることができるのです。


ちなみに僕の場合はお腹を満たすことストレッチの2つです。

この2つはどんな場面でも遂行するようにしてます。

注意点

ルーティンを定着させる際に注意したいことがあります。

それは、遂行しにくいことをルーティンに設定しないことです。

例えば2時間ランニングをするとかカラオケで発声練習をするなどですね。

 

時間が限られていると2時間走るのは遂行できませんし、カラオケが近くない場面などもあるでしょう。

そうすると、それがルーティンとしてそもそも定着しにくくなりますし、仮に定着してもルーティンが崩れやすい危険性があるからです。

ルーティンがルーティンになりかけている、意識している段階では、それが崩れること=集中できないと思い込んでしまいます。

そうすると肝心のステージに支障が出る可能性もありますね。

なのでルーティンを定める際は、ステージに必要なこと、もしくは気軽に行えることに定めましょう。

 まとめ

とにかく重要なのは、ルーティンは精神統一、そして結果としてステージに立つ自分を作り上げるために行う動作だと把握することです。

そしてステージに立つ状態というのは何なのか、現状自分ができることを踏まえた上で答えを持っているのがよいです。

 

どうしてもライブ前は緊張してしまう、もしくは気が抜けすぎて集中できなくなってきた、という方は意識的にルーティンを作ってステージに立つ自分を作ってみましょう!

 

最終更新日:2019/01/16