青木務エレキベース教室WEB支部

札幌のエレキベースプレイヤー・講師による、音楽視野を1mmずつ広げられる情報を発信するブログ。

ベースソロ中の休符は世界一怖い瞬間。

セッションやライブでアドリブのソロを弾く際、どうしても疎かになってしまうのが「休符」です。

うっしゃーソロだぜ弾きまくってやる!  俺の超速フィンガリングを見よ!  というポジティブな理由から、自分の見せ場で音を途切れさせてはいけない、長い休符は進行を見失っている、ミスってると思われるんじゃ、というネガディブな理由まで様々ですが、ともかく休符を挟まないソロはあるあるですね。

そしてその気持ち、むちゃくちゃ分かります笑  ソロってどうしてもテンションが上がったり、焦りが出てしまったりで、自分のことでいっぱいいっぱいになってしまいますね。

とりわけ、ベースソロにおいて休符を挟む瞬間は、世界一怖い瞬間だと思います。


アンサンブルの中でベースが司る領域はものすごーく大きいです。

演奏の場においては、ベースの音はCDで聴くよりも大きく聞こえますし、アンサンブル全体のテンションやハーモニー感もベースが担っていると言って過言ではないでしょう。人体でいうならベースは背骨といったところ。

ではそんな大きな領域を誇るベースがアンサンブルから抜けては……?  想像通り、背骨が抜け落ちたようなスカスカ感を感じることでしょう。


そして本題!  ベースソロ中の休符は、ベーシストにとって恐怖そのものです。

休符を仮に2~4拍ほど作ったものならば、今曲中のどこを演奏しているのか、音楽が終わってしまったかと思うような喪失感、まるでこの世に自分しか存在しないような孤独感を味わうかと思います。

そしてそれを埋めるかのように序盤から音符を散りばめてしまい、結果単調なソロに、何を言いたいのか分からない言葉になってしまう……身に覚えがあることでしょう笑


そしてその莫大な喪失感を感じているのって、実は本人のみです!

共演しているミュージシャンも、聴いている人もそんなことは感じず、むしろ休符による「間」を楽しんでいます。

その間の次に何を聴かせてくれるのか……休符が多いほど、そのワクワク感、期待感は増していくものです。

休符をコントロールできるミュージシャンは良いソロを弾ける、と言っても過言ではないでしょう。


今後セッションでソロを取る際は、スケールやコードトーンを意識する前に、まず休符を多く取る意識を作ってみましょう。

すると、あなたのソロは驚くほど歌心のある、表情豊かなソロになることでしょう。