「曲聴いてこなかったけど譜面初見でできたわw」は絶対にやらない方がいい。
ミュージシャンがライブを引き受けた際、場合にもよりますが、演奏する曲の音源と譜面を事前に受け取ります。
現代社会は非常に便利なので、dropbox等にアップされた音源譜面を自由なタイミングでPCやスマホから見る、DLする、印刷する等音源譜面の受け渡しも非常にスムーズに行えます。
そして譜面を扱うミュージシャンにありがちなこと。
それは「曲聴いてこなかったけど譜面だけ見て初見で演奏できたわー笑」です。
これって譜面勉強中の人からすると「すげえ! かっけえ!」ってなる場合もありますね。
ただ老婆心から言わせてもらいます。
「これだけは絶対にやるな!」と。
何故やるべきではない?
導入部分を読んで「なんで? 譜面見ただけで演奏できるんだからいいじゃん」と思った人いますか?
確かに初見演奏は一朝一夕でできるものではありませんし、ある水準以上の知識や技術を要する特殊技能には間違いありません。
ただ、そう思った時点でミュージシャン的に黄色信号だと思います。
演奏は「譜面の中にある情報を追う」のではなく、「楽曲を演奏する」のです。
歌モノでもインストでも、アーティストのこだわっている部分だったり、その曲がその曲たる要素があります。
固有のリズムだったり、独特のハーモニー、特有のベースライン、セクションごとに異なる奏法、楽器同士の絡み方etc......
譜面の中の情報を追うだけだと、そうした部分を蔑ろにしてしまいます。
以上の文を読んだ上で
「いや、じゃあそういう部分は譜面の中に書いとけよ。そしたらやるから」
という意見もあると思います。
確かに重要なことが全て指定してあり、何もかもが完璧な譜面はありがたいし最強です。
ただ常にそうとは限りませんし、事前に音源も一緒に送られてくるということは、曲を聞いて確認してほしいというミュージシャンの想いもあります。
その想いすらも蔑ろにするということは、その楽曲のみならず、その演奏の機会そのものを蔑ろにしている、と捉えられかねません。
そしてそれは、何よりも恐ろしい「共演者の信頼を失う」ということに繋がっていきます。
共演者の信頼を失うということ。
共演者の信頼を失うと何が起こるでしょう?
まずは、今後そのミュージシャン主催のライブや演奏に誘われることは無くなるでしょう。
それだけならまだダメージは少ないかもしれません。
ただ仮に、そのミュージシャンに「誰か良いミュージシャンいたら誘いたいんだけど、知らない?」という話が来た時に、「〇〇君と××さん、△△さんがいるよ!」という紹介の候補にすらあがらなくなります。
何故かというと、紹介した先でまた共演者の信頼を失うようなことをされると、紹介した人間にまで不信感が広がりかねないからですね。
これによって、その人は本来得られたかもしれない演奏の機会、出会えたかもしれない人にも出会えなくなります。
そしてさらに恐ろしいこと。
仮に信頼を失い続けてきた☆☆さんがいたとします。
ミュージシャンの会話にもよく出てくるのが
「☆☆さんってどんな人?」
という話題です。
もう何が起こるか想像に難くないでしょう。
噂話というのは怖いものでどんどん尾ひれがついていきます。
そして音楽の世界といえどそれぞれの界隈は狭いもので、あっという間に噂は広まっていきます。
考えただけで恐ろしい、出会っていない人の信頼まで失う現象が起こります。
どうすれば信頼を得られるか?
ここまでくると、じゃあどうすればいい? という疑問が出てくるかと思います。
これは非常にシンプルな話。事前に貰った曲と譜面を確認してくればいい。ただこれだけ。
あえてもっと抽象的に言うならば、「目の前の機会をサボらず全力で取り組むこと」です!
まるで小学生に伝える言葉のようですが、これが超重要。
人の信頼は、こうしたシンプルな努力が積み重なって初めて得られるものです。
もしかするとPCやスマホが壊れて音源を確認できない、譜面を持ってこれない場合があるかも。
または演奏のその場で譜面を渡されるから必然的に初見になる。
そうした場合を除き、事前に音源や譜面が渡され確認できる時は、しっかりと確認したうえで演奏に臨むようにしましょう。
一番大事なのは人と人の信頼ですから。
そしてずる賢い方法を一つ。「やるならバレるな」です笑
まとめ
何度も言いますが、音楽でもなんでも、今の時代で一番大事なのは「信頼」です。
無駄な初見アピールは、寝てないアピール、勉強してないアピールくらい、アレです。
そしてミュージシャンが信頼を失いかねない行為の一つでもあります。
もちろん世界的な名演と言われてるものの中には「あれは知らない曲を初見でやってただけさ! HAHAHA!!」みたいなのもあると思います。
僕が考え付かないくらいの売れっ子で音源を聞く時間すら一秒もない人もいるかもです。
しかし今回の記事を読んでいただいた皆さんなら、大事なのはそこじゃないことが分かるはずですね。
とにかく何事にも全力で取り組みましょう。
そうすれば皆さんの目の前に新しい世界が開け、新しい道を歩んで行けるはずです。
最終更新日:2019/01/16