ラッパー・呂布カルマの「ヤングたかじん」の詩で心が軽くなった話。
みなさんは今最も注目されているといっても過言ではないラッパー、「呂布カルマ」をご存知でしょうか?
最早説明もあまり必要ないのですが、名古屋在住のラッパー。JET CITY PEOPLEの代表にして
MCバトルをテーマに扱ったバラエティ番組「フリースタイルダンジョン」の2代目モンスターとして
チャンレンジャーとしてやってくる強者ラッパーを、圧倒的強さでバタバタとなぎ倒す。
グラサンにオールバックといったラッパーらしからぬスタイルで人気を博す人物です。
またゴッドタンに出演したりと、メディア露出もだんだんと増えています。
そんな呂布カルマの魅力はバトルだけではなく、むしろ楽曲にあります。
ひたすらに暗く冷たいHIPHOPは、SOUL’d OUTやケツメイシを聴いて育った僕には衝撃だったり。
その代表曲として「ヤングたかじん」という曲が存在するのですが
僕はその中の一節がミュージシャンにとって非常に重要なメンタリティを示していると思います。
1:26~
「いつもヤバイ たまにダサイ そん時はそん時でごめんなさい
二度は続かない 心配無い あの無様な姿今日のハイライト」
ハッキリ言って僕は過去の失敗を割と振り向くタイプです。
昔のことをうじうじしたってしゃあないのですが、どうしても
「あの大事なライブでダメダメだったな……」とか時折思い返したり。
そんな折に耳に聞こえたこの歌詞。
自分のパフォーマンスにひたすらに強い自信を持っているけど、人間だし常に全部が全部上手いこといくわけじゃない。
たまに失敗してダサい瞬間もあるけど、そん時はすんませんと。
さらには、これはたまたま。次はヤバいよ。
俺にとっては今回の無様な姿すらハイライトだと歌っています。
この「自分はヤバい」と自負する姿勢と、「たまにはしゃあないわ」と楽観的な姿勢が同居したメンタリティ。
僕にはなかなか持ちえなかった心持ちで、強い衝撃を受けたことを覚えています。
ラッパーが、ミュージシャンが、と区別するわけではありませんが、比較的楽器をやっている人間はあまり持ちえないメンタリティかと思います。
また、仮に同じ内容を歌うにしても
「大丈夫だよ、くじけないで。人は立ち上がれるよ」
と、やけにポジティヴな言葉で装飾されていたら、僕は見向きもしなかったと思います。
「ヤバい、ダサい」「そん時は」「あの無様な姿今日のハイライト」
決して奇麗な言葉ではありませんが、非常に人間的で、雑で、フランクで、人の心にすっとしみ込んでくる。
飾り付けない、装飾しない裸の言葉だからこそ、脳髄に刻み込まれ、僕らは耳を傾けるのだと思います。
この言葉を聞いてから、僕は割とこんな心持ちで演奏に挑むことが多くなり、現にそれが自信に変わってきてるなーと実感することも多々あります。
無論変な演奏になったときはちゃんと反省はしますが笑
もしも自分の過去の失敗などに悩む方がいたら、このメンタリティを大事にしてみてはいかがでしょう?
そして今回取り上げさせてもらった呂布カルマ。この人の言葉、詩は胸にザクっと切り込んでくる鋭利さを持っています。
この曲の他にも心臓をえぐられる楽曲が多いので是非聞いてみてください。